オタク思考強めな腐女子が頑張ってみた

mitokami

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 一難去ってまた一難(?)。寮に帰ったらヴォルカンとグラースの婚約者達から呼び出しを受けた。今度は何だ?私がヒロイン役で、王子とその従者の婚約者にイジメられるってか?笑えね~わ!面白くもねぇ~し!!と言っても「誰にも言わずに一人で来て欲しい」と伝言を伝えに来た王子達の婚約者様の可愛らしいメイドさんに罪は無い。
侍従(男)なら、任務失敗で御仕置されるって設定を思い浮かべて萌え、勢いで断り、如何しようって困ってる表情を目の当たりにして、描かなくては!と言う使命感に燃えて颯爽に立ち去り、自室で作画に勤しむ所。だけども…、伝言を無視しいたら、メイドさん…怒られたりするんやろなぁ…、可哀想やし呼び出された場所まで行ったろか……。と、メイドさんに連れられて行ったら、思いもしない一難と出会う事に成った。

 案内された談話室に到着すると、髪も目も真っ赤な細身で巨乳な濃い顔立ちのヴォルカン王子の婚約者、ブリュレ・シュドゥが私に有効な餌を準備して「ガルディア様、突然の呼出しを受けて下さいましてありがとうございます」と満面の笑みでお出迎えしてくれました。
豊満な御胸様を強調する様なドレスは貧乳な私への嫌味かな?と思いもしたけれど、その胸に抱かれた古書が私はとっても気に成ります。それは、多分、まだ私の脳内ライブラリーに未登録の本。「御招き有難う御座います」と言葉を返し、一応の礼儀だけは守れたけど、行儀の悪い事に本から目が離せずにいました。
そして、真っ青な髪をしたスレンダーな清楚系美女、グラースの婚約者のスウルス・ウェストに促されるがまま3人掛けソファーの真ん中へ…、気が付きゃ両手に花…右にブリュレ嬢、左にスウルス嬢が座っていたんだけども……。なんなんこれ?
続いて、キレイ系から可愛い系まで揃ったメイドさんの手に寄り、良い香りの御茶や美味しそうな軽食の数々、新鮮そうな野菜や果物が入ったサンドイッチ、色取り取りのスィーツがテーブルに並べられるし、優しい声色で「先に本が良いですか?」とブリュレ、「それとも、何か取り分けましょうか?」とスウルス。行き成りの好待遇に如何したら良いのやらと困惑する事に!そして、向かいの席からクスクス笑う笑い声がします。

 そちらに目を向けると、向かい側の席の一人掛けの椅子に、先に腰掛けていたであろう毛先が深紅に染まった黒髪の美女様の姿。彼女は私のルームメイトで、教室で一緒に勉強する事の少ない外交の仕事と気紛れで行方知れずに成りがちのクラスメイト。オーブ・ファス・シュッドゥと言う名のヴォルカン王子の腹違いの姉。ヴォルカンの天敵っぽい立ち位置に居る人物。
自室で煮炊きすると香りが本に移ってしまう事から自炊を断念していると言うのに寮での食事を食べ損ね、干した野菜や茸、干した肉等齧ってみたり、ビスケットと言う名の乾パンみたくのとか、素焼きのナッツやドライフルーツと水か御茶だけの食事を取りながら本を読んでた私を見るに見兼ねて、色々な食べ物や飲み物を準備してくれる様に成った心優しき奇特な女性だ。とは言え、それだけの人物と言う訳でもない。

 オーブはブリュレとスウルスに「ね、私の言った通りだったでしょ?好意を持って接すれば、ガルちゃんは攻撃して来ないのよ」と微笑み、「そうそう、ガルちゃん、あの馬鹿が迷惑かけてるみたいでごめんなさいね」と私にも優雅に笑って見せてくれました。が、なぁ~んか含みがありそうやね。「みぃ~んな、私が守ってあげるからね」って、オーブは今回、何するつもりかな?と言う思いも忘れる程に、この後、後輩であるブリュレとスウルスにある意味で弄ばれた。

「ガルちゃん先輩!どの御洋服が宜しいですか?私の御勧めはこちらのデザインですのよ!どの色が御好きですか?」
何処から持って来たし?!その大量のドレス!目の前に突然、新たなメイドさんと店にある様なハンガー掛けに掛かった色取り取りのマーメードラインのドレスが並べられていた。
「あ、ズルイですわ!!スウルス!そのドレスの種類だと持って来たアクセサリーの組み合わせが難しくってよ!ガルちゃん先輩、こちら系統の方が宜しいですわよね?グラデーションで色が取り揃えてありますから選び放題でしてよ」
第二弾、メイドさんと店にある様なハンガー掛けに掛かった色取り取りのプリンセスラインのドレスが…以下略……。こうして始まりました御着替えタイム。何故に私は着せ替え人形みたくな事をする事に成ったんやろかね?
「ドレスが決まったら、装飾品を合わせて、御化粧とヘアメイクですわよ!」
「ブリュレ様が持って来たドレスに決まったのだから、次は私の選んだ物にして下さいますわよね?オーブ先輩!」
え?ちょっとまちぃ~さ、私の意見は?勿論、無視されましたね。別に構やしないんだけども、無視されてちょっと寂しい。

 まぁ、実の所…、悪意に対する耐性はあれど、私ってば好意に対する耐性があんまり高くなかったみてぇ~で…、抵抗できへんかったわ……。

 こうしてブリュレとスウルスの気が済むまでされるがままに我慢をし、最終、執事コスやメイドコス、犬猫や兎の着ぐるみにまで派生し、栗鼠の着ぐるみで落ち着いた所でオーブの所の灰色の侍従さんが虚ろな目をした私を猫掴みではあるが救い出してくれましたよ。因みに、この侍従、背の低い私をプラァ~ンとぶら下げれる程度には高身長な為、ぱっと見は男性ですが女性です。オーブのハーレムのメインメンバーです。気の所為でなければ、ゲームのタイトル画面の端の方に居たような気がしないでもない。彼女はもしかしてもしかすると攻略対象?それとも悪役系?まぁ~時々、カルメ焼きやミルクケーキみたくのとか、ケーキの上に飾られたマジパンみたいな素材のスティック状に成った砂糖菓子くれるしで、そういう面ではどっちでえぇ~んけど「小動物を構い過ぎて、御嬢様方の外聞が悪く成るのは頂けませんので、そろそろ小動物を開放しては如何でしょうか?」って、その小動物て私の事か?「そうですね」「そろそろ、御開きに致しましょうか」って皆様⁉若干だけど私に失礼くない?ファレーズやチュテレールの犬扱いも腹立たしいんけども、オーブの女性な侍従サンドルさん主導の小動物扱いもやっぱ腹立たしいな!

 ここで抗議の声を上げようとしたのだけど…、オーブの唐突な提案「ブリュレとスウルスの気が紛れた所で、本題の御話に参りましょうか…、ねぇ、ガルちゃん?スウルス嬢の婚約者が、ブリュレ嬢の婚約者に恋慕を抱いているみたいなの…、外堀から埋めていきたいのだけど、手を貸して下さらない?」との御言葉で、私は一瞬、口を閉ざす事と成る……。グラースの思い人が、ガルディア王子?ホンマやったら美味しいなぁ!

「…(おもろそうやけど)…外堀を埋める、とは?」
「私の婚約者であるグラースの恋を普及させ、応援する者を集めたいのです」
「…(手ぇ貸すん吝かではないけど)…どうやって?」
「噂を囀る小鳥は、もう準備済みですの、後は、スウルスの婚約者の気持ちを代弁する様な挿絵入りの物語を2種類、悲恋物と、後発的なハーピーエンド物を準備し、増産して売り出すだけかと考えています」
「…(ざまぁ系物語の常套手段の一つやな)…オーブ…、私は何を手伝えばいいんですか?」
「ガルちゃんその手の御話が御好きでしょ?ガルちゃんが手掛けた一部の北と東の辺境伯騎士の方々所有の写本、寮の自室に保管され書き写された写本の数々に、ある種の情熱を感じましたの!そういう本を参考にした物語を御願いしますわね」
「…(ええっ!色々言いたい事はあるけど、私に描けと?勿論、喜んで!)了解しました…オーブ姫…、付きましてはターゲットの姿絵と私が知らないような詳細情報や使えそうな疑わしいエピソードを頂けますか?仮に綴った後で、台詞チェックも御願いしますけど……」
「任せておいて、弟と弟由来の情報はもう、私の侍従を始め、私の傍仕え達が報告書として提出してくれているの」
「…(行動速いな)…」

 私は黙って、オーブの侍従サンドルから調査報告書を受け取り、物語を思案し始める。その隣でブリュレとスウルスは、オーブに愚痴を零していた。

「グラース様の片恋だけとは限りませんわ!ガルディア王子は私の婚約者でありながら、平民の女を笠に自分好みの男を周囲に集め、囲っていると言う噂があるのです」
確かに、ガルディア王子の周囲には、アンジュが現れるまで男しかいなかった。侍従も男なら、護衛も男。前までは、男子生徒の壁で女生徒を近づき辛くしていたくらいだ。
「それは否定できませんわ!血の繋がりは半分と言えども私の弟ですもの!同性を愛でる趣味くらいはあるでしょう!」
オーブってば、言い切っちゃったよ…、でも確かに、邪推すれば…、そう考えられなくも無い……。
「私は、グラース様に幸せに成って欲しいのですけど…、今現在の大勢の中の一人では忍びない気がしておりました…、私達が頑張れば本当に、ガルディア王子はグラース様を唯一の御相手に選んで下さるのでしょうか?」
スウルスって本気でグラースの事を好きなんだなぁ~って、あれ?グラースて、ソッチ系やった?まぁ~えぇ~けど、婚約者様公認やったら、気ぃ楽やわwアンジュとの約束も[風紀委員として自分の行動の邪魔をするな]やった筈やし、対象外やろ?多分、知らんけど。まぁ、えぇ~か!本気で頑張ったれ!!

 私はこうしてタイトルのフラグを回収、本気で本気の創作活動をする事に決めたのだ。
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