オタク思考強めな腐女子が頑張ってみた

mitokami

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 婚約者の色を身に纏う。漫画や小説で見掛けた事がある様な、そんな文化がこの異世界にも存在する御蔭で着るのはチョコレート色のドレス。ファレーズが「ディアは人より背が小さいから人混みでは抱き上げて運ぶ事もある」とか言ってくれたからシンプルなデザイン。だけど、抱き上げられる積りはあらへんよ!
後、髪型は、ツインテールを断固拒否していたら妥協案が出てポニーテールにされた。三つ編みにしとかないと思いっきり広がってウザったいのだが、拒否できない雰囲気。まぁ、でも、取り敢えずは、私の好みでは無いが、私の望み通りに他の人より地味で目立たない格好なのではないかと思われる。多分やけど。

 こんな出で立ちで、夜会に参戦。婚約者であるファレーズにエスコートされ会場に入場し、私は「夜会て、こんな感じやったっけ?」と呟く事と成った。
夜会の会場は王城の謁見の間…、階段の上に玉座があって、王様の御家族の座席がある…、その階段の下にて、ヴォルカン王子とアンジュが罪人の様に縛られ、左右に騎士を配置されているのは…、断罪の場っぽい感じ…、あれ?もう、断罪て終わったんとちゃうのん?何でこないな事成ってんの?状態……。

 階段の上の王様の御家族の席には何時も通り、エリュプシオン王子とオーブ王女の席があり、2人はそこに着席。王弟スプランドゥール様と婚約者のブリュレ譲も、今回は階段の上の王族席に座っている。
その方向を見上げて睨むアンジュの目線を辿るとブリュレ譲が睨まれているっぽい。猿轡を外したらアンジュは、物語の改変を試みた訳でもない偶然の棚ボタで王弟の婚約者に成ったブリュレ譲に噛み付きそうな雰囲気がある。私がモブっぽい立ち位置に立てるんは嬉しい限りなんやけど、(腐女子的に)同じ志を持つ同志のブリュレ譲をこき下ろすんは、感化できへんなぁって思う訳だが、如何やろか?私は暫く様子を見る事にした。

 これは今年の卒業生の卒業を祝う夜会。参加を表明した卒業生が揃うまで夜会は始まらない。卒業生の名前や家名が呼ばれ、エスコートするされる者の名が呼ばれ、次々と入場しているが、まだまだ時間は掛かりそうだ。公爵・侯爵、辺境伯家のファレーズの番で入場して後、一般の伯爵、子爵・男爵、準男爵・騎士爵の今年の卒業生の入場がある。上位貴族は人数が少ないが、下位の方は多い為、今は社交の時間である。
辺境伯家由来の卒業生の入場以降、王族に挨拶する為に作られた列には、別の入り口から出入りできる卒業生ではない者達が我先にと並び始めている。本来ならファレーズと一緒にその列に並ばんなアカンねやろけども、私達はオーブ王女が手招きするので罪人の様に扱われた2人の横を通り貫け、そっちへ行く。

「ディアは図太いなぁ~、人目が気に成らないのか?」
「ファーさん(自分かて便乗しとぉし)酷い言い草やない?私やから許すけど、めっさ失礼やで!それ」
手を繋ぎ談話しながら階段を上っていると階段の下から何か言いた気な視線、王様に挨拶する列からも、似た様な嫉妬系・憤り系の視線や、羨望の眼差し的なのが向けられている気がしないでも無いが、私達には関係ない。と思う事にしている。一々気にしてたら身が持たへんし、仕方が無い。皆々様、揃いも揃って何か言いた気にこっちを見ているが無視する。これからもずっと、無視し続ける予定。

 暫くすると、王弟スプランドゥール様と婚約者のブリュレ譲もオーブの下に集まり、ブリュレ譲に手招きされてグラースのエスコートでスウルス譲、エリュプシオンも自分の席からオーブの席へ移動し、最後にチュテレールが使用人に案内されてやって来た。

「あれ?チューさん、婚約者コリーヌどうしたん?」
「我が儘言うから連れて来なかった」
「チュテ、コリーヌが気の毒だとは思わないのか?前々から、今日の為にドレスを新調すると言って発注してたぞ」
「あぁ、ファーさんに見せる為にドレス選んでたみたいだね、だから、御仕置って事で宜しく」
「…(拗れてんなぁ~)…」「…(捻くれた性格に育ったなぁ~)…」
「…(昔はもっと、素直だったんに)…」「…(昔は素直だったのに)…」
私はファレーズと顔を見合わせ溜息を吐き、周囲はクスクス笑っている。ここだけ、何故か雰囲気は和やかだ。私にとって、私だけが目立たず。目立つグループの1モブな感じなのは嬉しかったんやけど、物語はそれで終わってくれない。

 「ガルディア!!ファレ兄様を攻略するだけでは飽き足らず!チュテ様にまで手を出すなんて、酷くありません事?チュテ様は、私の婚約者ですのよ!」と怒鳴り込んで来たコリーヌの御蔭で私が目立つってしまった。迷惑やなぁ、もう!

「…(それにしても)…チューさん…、あんま接点少なぁ~て気付けんかってんけど…コリーヌも転生者なん?」
「然も、ファーさん推しのな…、俺の婚約者なんだから、欲張らず俺だけにしとけば良いのに……」
「そうなんや(チューさんってば、コリーヌの事好きなんかな?)…、でも、そう思うんやったら、も少しコリーヌにかもおたりぃ~や…、放置プレイし過ぎて嫌われても知らんで?」
「それは大丈夫だ、アイツ、俺の事もファーさん並みに推してるからな!」
「そうなんかぁ~…(自信家やねチューさん、何時の間にそこまで性格歪んだし?)凄いなぁ~…(最初からそう言う性癖とかやったりしはるんかな?理解したれへんわぁ~)…」

 そして、何時の間にか私にバックハグして来ているファレーズがコリーヌの怒りに火を注ぎ、私がコリーヌを無視してチュテレールと会話する事で、更に怒り狂い激怒するコリーヌ。
それを察して、何かしら思って、罪人の様に縛られ騎士に見張られていた筈のアンジュが、自らを見張っていた騎士を魅了し、縄を解かせ、私に敵意を持ってやって来て、私に向かって指差し仁王立ち。

「メイン攻略対象を攻略してからでないと攻略できない王弟がオカマのまま改心せずに悪役令嬢に攻略されてるとか、何だか変だと思ったのよ!やっと理解したわ!やっぱり御邪魔令嬢アナタが元凶ね!」
「は?何言うとん?つか改心て、オカマもオタクも改心出来るモンとちゃうで?そうゆ~生物イキモンやし!そもそも、スプランドゥール様て、アンちゃんが思てはるオカマちゃうんとちゃうかな?女性が好き過ぎて女性に成りたい思ってる人やで?」
「何が違うのよ!」
「そんなん恋愛対象含む性癖に決まってるやん!アンちゃんは視野狭過ぎんでぇ~…、世の中、心が完全に女性で相手が男性でなきゃ駄目な偏食持ちの男食家ってのもおれば…、心は女性やけど偏食無しで両方イケル人もおりはるし…、心は女性、恋愛対象も女性オンリーの偏食持ちだって存在してはる…、それだけやないで!中には、普通に男やけど女装癖持ってるだけの人もおる…、女装してる男を一括りにするなんて悪手や!全部違う生物イキモンやねんで!後、余談として、身も心も男で男しか駄目な偏食持ちの男食家も存在してはる…、これ、知ってると知らんでは己の世の中への理解度が変わって来るから覚えといて!と言っても、今言ったん全部が一部分で、そん中にもっと沢山の種類があんねんけどな……」
この時、少し、私の力説の加減が過ぎていたらしい。気付けばイチャモン付けて来たアンジュだけでなく、会場全てが静まり返っていた。
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