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01 吉原と、とある出来事
007 白狐と玄狐に出会う
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俯く私の視界の端に、私の横でしゃがむ相手の男物の着流しと、その上に羽織っているであろう女物の羽織の派手な色彩が映り込む。
続いて一瞬、目の前を剣胼胝のある左手が通過した。私は、その一瞬目にした胼胝で、相手が両手で真剣を使う者であると確信する。両手で斧を扱う樵にも、似た胼胝があるのだが…、この男の雰囲気、樵にしては線が細い……。(ヤバイ…この人、武士家系の傾奇者だ!)私は抵抗する事無く、右側の顎骨を捕らえられ、[傾奇者]と呼ばれる御客様は私の顔を自分の方に向けさせた。
そして、相手が何を思ったかは、私の与り知らぬ事だが…、顔を向けさせられた私は、目にした御仁に一つ思う……。(頭が大きく顎が長い…小柄なオッサン…、ユメ姐さんが持ってた南蛮渡来の童話の悪戯好きで醜いフェアリー……。ゴブリンの挿絵に雰囲気似てる!)←超失礼w
私が、傾奇者様を興味津々に見詰めていると、傾奇者様は破顔一笑「動じねぇ~ガキだなwコレがニシキか?」と、傾奇者様の後に付いて来たアキノさんに質問していた。何故にアキノさんが揚屋に来たのかは不明だが、アキノさんは困った様子の表情で「そやよ、その娘が茜様の御気に入りの観賞魚や、せやから、ソウセイ様も気軽に触ったらんといてなw」と言う。本名なのか?偽名なのか?は不明だけど…、取り敢えず…、傾奇者様はソウセイ様と言うらしい……。
ソウセイ様は「魚?いや寧ろ…狐だろ?河原に生えてる銀狐の穂みたいなのが付いてるぞw」と、私の束ねた白髪の整え切れなかった毛先の方を掴んでくれていた。正直、引っ張られると痛いのだが…、妓楼や揚屋に上がる時の決まりで帯剣してないけど、相手は武士っぽい……。ここは絶えよう。
私はその後、ソウセイ様に「来い」と言われ、上座に座るソウセイ様に御酌をする係となった。が、ぶっちゃけ言おう。堪ったものではない。
我が父も[ちろり]を湯煎して年中無休で熱燗を飲むし、この御時世、日本酒を飲むなら熱燗が四季を問わず主流なのは知っているが…敢えてアンチ!熱燗!!酌するのに御銚子が熱いんだよ!これは何の拷問か!私は掌を真っ赤にしながら、右手で銚子を持ち、左手を添え…、極上の酒を零さぬ様に、滴らせぬ様に…、今日知ったばかりの作法に則り、仕事を全うした……。
暮れ六つから四半刻過ぎた頃、窓の外の遠くから御囃子と金棒引きが鳴らす金属音が次第に近付き、聞こえて来る。
花見は梅に始まり、今は桃と一番入れ替えがある桜、余談として、その次は、藤と躑躅が控えている。既に春分頃に咲く彼岸桜も終わり、山桜…、いや、八重桜?しだれ桜の時期だったろうか?取り敢えず…花見の時期……。
花盛りの植木が持ち込まれ、花弁の寿命が近付き傷み散り出すと、即刻撤去される仲之町は、花見の時期が絵面的に一番綺麗。暗くなっても宣伝効果が高い為、花魁道中の足は遅い。でも、流石に、もう暫く我慢すれば、私の仕事終了!御役目御免♪と、思っていた。のだが…しかし…、そうは問屋が卸さない……。
店の前で御囃子が奏でられ、金棒引きが見世の周囲に屯する観客を端に追いやり、人の壁を作る頃。帰ろうとしたら…帰れるのは、私にだけ当て嵌まっておらず「赤目と黒兵衛に会って行けw」とソウセイ様に引き留められ、その場に座り直させられた。(アカメとクロベエって、誰だよ…)偉い御仁ってヤツはどうも、自分の常識が、総ての常識と思いがちで困る。
でも、まぁ~、赤目と黒兵衛は紹介されなくても見て分かった。新造達とは違い、髪を結い上げぬ禿の中に、白地に赤や金の刺繍が施された着物を着た真っ白い髪で赤い目の白兎の様な綺麗な子と…、白目以外が全部黒い、黒地に赤や金の刺繍が施された着物を着ている整った顔立ちの子供の姿があったのだ……。2人は[2人で1セット]なのだろう。色違いで同じ柄の深紅の襟の着物が印象的だ。
高確率で、楼主の妻である茜様が趣味で、年季奉公の前借り金渡しを仕事とする女衒から引き取ったのであろう事が分かる。
何せ、茜様が最近プロデュースしている花魁道中は…、[針見世をしない・引手茶屋を通しても一元様お断り・完全紹介&完全予約制]が徹底され、高級感を演出…、[粋を理解し、価値が理解できる者しか相手をしない]事を公言、宣伝した上で…、花魁道中が通る場所を警備する者達に、御客様の[気っ風の良さ]を褒め称えさせる事により…客の見栄を満たす仕様……。
他の見世の花魁道中より印象に残り、目立たなければ意味が無い。見目麗しい事は最低条件。[見た目が人目を引く程に珍しい]か…、[外でも見せられる一芸、何か秀でるモノを持つ事]も必須と成っているのだから……。
続いて一瞬、目の前を剣胼胝のある左手が通過した。私は、その一瞬目にした胼胝で、相手が両手で真剣を使う者であると確信する。両手で斧を扱う樵にも、似た胼胝があるのだが…、この男の雰囲気、樵にしては線が細い……。(ヤバイ…この人、武士家系の傾奇者だ!)私は抵抗する事無く、右側の顎骨を捕らえられ、[傾奇者]と呼ばれる御客様は私の顔を自分の方に向けさせた。
そして、相手が何を思ったかは、私の与り知らぬ事だが…、顔を向けさせられた私は、目にした御仁に一つ思う……。(頭が大きく顎が長い…小柄なオッサン…、ユメ姐さんが持ってた南蛮渡来の童話の悪戯好きで醜いフェアリー……。ゴブリンの挿絵に雰囲気似てる!)←超失礼w
私が、傾奇者様を興味津々に見詰めていると、傾奇者様は破顔一笑「動じねぇ~ガキだなwコレがニシキか?」と、傾奇者様の後に付いて来たアキノさんに質問していた。何故にアキノさんが揚屋に来たのかは不明だが、アキノさんは困った様子の表情で「そやよ、その娘が茜様の御気に入りの観賞魚や、せやから、ソウセイ様も気軽に触ったらんといてなw」と言う。本名なのか?偽名なのか?は不明だけど…、取り敢えず…、傾奇者様はソウセイ様と言うらしい……。
ソウセイ様は「魚?いや寧ろ…狐だろ?河原に生えてる銀狐の穂みたいなのが付いてるぞw」と、私の束ねた白髪の整え切れなかった毛先の方を掴んでくれていた。正直、引っ張られると痛いのだが…、妓楼や揚屋に上がる時の決まりで帯剣してないけど、相手は武士っぽい……。ここは絶えよう。
私はその後、ソウセイ様に「来い」と言われ、上座に座るソウセイ様に御酌をする係となった。が、ぶっちゃけ言おう。堪ったものではない。
我が父も[ちろり]を湯煎して年中無休で熱燗を飲むし、この御時世、日本酒を飲むなら熱燗が四季を問わず主流なのは知っているが…敢えてアンチ!熱燗!!酌するのに御銚子が熱いんだよ!これは何の拷問か!私は掌を真っ赤にしながら、右手で銚子を持ち、左手を添え…、極上の酒を零さぬ様に、滴らせぬ様に…、今日知ったばかりの作法に則り、仕事を全うした……。
暮れ六つから四半刻過ぎた頃、窓の外の遠くから御囃子と金棒引きが鳴らす金属音が次第に近付き、聞こえて来る。
花見は梅に始まり、今は桃と一番入れ替えがある桜、余談として、その次は、藤と躑躅が控えている。既に春分頃に咲く彼岸桜も終わり、山桜…、いや、八重桜?しだれ桜の時期だったろうか?取り敢えず…花見の時期……。
花盛りの植木が持ち込まれ、花弁の寿命が近付き傷み散り出すと、即刻撤去される仲之町は、花見の時期が絵面的に一番綺麗。暗くなっても宣伝効果が高い為、花魁道中の足は遅い。でも、流石に、もう暫く我慢すれば、私の仕事終了!御役目御免♪と、思っていた。のだが…しかし…、そうは問屋が卸さない……。
店の前で御囃子が奏でられ、金棒引きが見世の周囲に屯する観客を端に追いやり、人の壁を作る頃。帰ろうとしたら…帰れるのは、私にだけ当て嵌まっておらず「赤目と黒兵衛に会って行けw」とソウセイ様に引き留められ、その場に座り直させられた。(アカメとクロベエって、誰だよ…)偉い御仁ってヤツはどうも、自分の常識が、総ての常識と思いがちで困る。
でも、まぁ~、赤目と黒兵衛は紹介されなくても見て分かった。新造達とは違い、髪を結い上げぬ禿の中に、白地に赤や金の刺繍が施された着物を着た真っ白い髪で赤い目の白兎の様な綺麗な子と…、白目以外が全部黒い、黒地に赤や金の刺繍が施された着物を着ている整った顔立ちの子供の姿があったのだ……。2人は[2人で1セット]なのだろう。色違いで同じ柄の深紅の襟の着物が印象的だ。
高確率で、楼主の妻である茜様が趣味で、年季奉公の前借り金渡しを仕事とする女衒から引き取ったのであろう事が分かる。
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他の見世の花魁道中より印象に残り、目立たなければ意味が無い。見目麗しい事は最低条件。[見た目が人目を引く程に珍しい]か…、[外でも見せられる一芸、何か秀でるモノを持つ事]も必須と成っているのだから……。
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