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1 零情報でアイツ捜し
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所謂、公然の秘密。王家の者と王族の側近の者しか知らない設定の緊急脱出用の隠し通路。実は、一部分を城で働くメイド達と共有していて各所で使う消耗品や日常頻繁に使う掃除道具を置いておく場所とかもあるぞwな、御客様や城で普通に働く貴族とかは知らないかもねwと言う隠し通路を利用し、俺とカルセドニー兄さんは城下へと出掛けた。
因みに、出掛けるに際し…、兄にはローブ着せてフードを目深に被ってて貰うだけで良いだろう(本音:俺よりも更に綺麗な顔は変装させようがねぇ~な…城下で絡まれるのも面倒だ、隠しちまえ)と思って俺のフード付きのローブの予備を貸し出したのだが…、兄さんは俺が変装しているのを指摘し、如何しても自分もしたいと言い出し…、更に俺にその変装を手伝えと言うので…、空気読めよ!的な腹立たしさと、少しばかりの好奇心&出来心でカルセドニー兄さんを女装風味に仕上げた訳だが…、俺ってばヤッテハイケナイ事をしてしまったかもしれない……。一応男物の服装なのに美女にしか見えない。
そう言えば、この世界にも傾城傾国的な意味を持つ言葉があった気がする。
とある世界では、キリスト系の宗教が男色を毛嫌いするから、絶世の美女を指す言葉として途中で伝え変えられたみたいだけど、俺が何処かしらかの前世で見た事ある傾城傾国は宦官、つまり男だったと記憶している。今の格好(女装系)のカルセドニー兄さんなら、傾城傾国、その美貌で国を傾けられんじゃね?でも、まぁ~いっかwってな感じで…、カルセドニー兄さんを連れて行った…高級な酒場……。
うん、今は従業員から店主まで魅了されてて雰囲気的にはOKなんだろうけど、きっと密かに、すっげ~店に迷惑掛けてるね!一部の従業員が、今後も使い物にならなく成ったっぽい。悪い事をしてしまった。と、少し反省しなければいけない案件だ。
店に入るなり、色々な場所から何でか感嘆の声が上がり、案内役のウエイターが頬を染めて動かなくなった。声を上げた客やウエイターの視線の先を追うと店に入ったからか?フードを脱いだカルセドニー兄さんの綺麗な顔があった。(兄よ?何故にフードを脱いだし!)近くを通り掛かったウエイトレスも、頬を染めて動かなくなった。(問答無用で、どっちも魅了しちまうのかよ…)俺よりも顔面偏差値の御高いカルセドニー兄さんは、存在自体が別格らしく、魅了スキルを所持していないのにも拘わらず、明らかに見た者を魅了してしまっている。(素面で魅了された者は、暫く仕事が手に付かなく成ったやも知れないなぁ~…)
店内の不穏な空気を感じ、店の奥から出て来た用心棒らしき男達も、色々な魔法やスキル対策をしているであろう店主にまで、手を合わせ拝まれる俺の兄っていったい何者?この場に居合わせた者達全員から酒やツマミを貢がられるて、どう言う事だ?(若しかして、女装顔のカルセドニー兄さんに寄る魅惑的な仕草や表情は、魔法やスキルでは無いから、魅了系対策アイテムが効果を発揮できないって事か?)
俺は天を仰ぎ、きっと俺の所為じゃ無い筈!多分だけどwと今を逃避し、静かに、こう言う日もあるさと受け入れ…、「ありがとう」と何の抵抗もなく貢がれ、幼少期に初めて出会った頃の様に俺を「サフィー」と呼びながら微笑を浮かべて、貰った物を嬉しそうに選別し…俺に下げ渡すカルセドニー兄さんから受け取った杯を…俺は苦笑いしてから呷る……。(って…、え?これって城でも口にする事の少ない希少な種類の上級ワインでは?)
そして俺は思い出す。カルセドニー兄さんの母君の母国は、初代国王がワイン通で、ワインの為にエルフの姫君を娶って栄えたワイン大国。エルフ感のある耳を持っていなくても、その血には見目麗しく酒好きなエルフの血が流れていて、目視と嗅覚でワインの善し悪しを判断し、その御眼鏡に適わなかった酒は「ありがとうございます、そうだ、アナタも一緒に飲んで下さい」と貢いできた相手を籠絡しながら飲ませ「このワインも良いですが、私はC共和国やM共和国産、カベルネ・ソーヴィニヨン種の赤や白も飲んでみたいですねぇ~」と金の無さそうな者には安いが旨いワインをリクエスト、有り余る程に持っていそうなのには希少種の御高いワインをリクエストしていた。(これは素か?地か?それとも、本気で腹黒いのだろうか?)
何は兎も角、俺ってば、御忍びを教えてはイケナイ人種に御忍びの楽しさを教えてしまったのかもしれない。(この所為で我が国が滅びたらどうしよう…)と思い悩むくらい。化粧したカルセドニー兄さんの人心掌握技術はヤバかったのである。
因みに、出掛けるに際し…、兄にはローブ着せてフードを目深に被ってて貰うだけで良いだろう(本音:俺よりも更に綺麗な顔は変装させようがねぇ~な…城下で絡まれるのも面倒だ、隠しちまえ)と思って俺のフード付きのローブの予備を貸し出したのだが…、兄さんは俺が変装しているのを指摘し、如何しても自分もしたいと言い出し…、更に俺にその変装を手伝えと言うので…、空気読めよ!的な腹立たしさと、少しばかりの好奇心&出来心でカルセドニー兄さんを女装風味に仕上げた訳だが…、俺ってばヤッテハイケナイ事をしてしまったかもしれない……。一応男物の服装なのに美女にしか見えない。
そう言えば、この世界にも傾城傾国的な意味を持つ言葉があった気がする。
とある世界では、キリスト系の宗教が男色を毛嫌いするから、絶世の美女を指す言葉として途中で伝え変えられたみたいだけど、俺が何処かしらかの前世で見た事ある傾城傾国は宦官、つまり男だったと記憶している。今の格好(女装系)のカルセドニー兄さんなら、傾城傾国、その美貌で国を傾けられんじゃね?でも、まぁ~いっかwってな感じで…、カルセドニー兄さんを連れて行った…高級な酒場……。
うん、今は従業員から店主まで魅了されてて雰囲気的にはOKなんだろうけど、きっと密かに、すっげ~店に迷惑掛けてるね!一部の従業員が、今後も使い物にならなく成ったっぽい。悪い事をしてしまった。と、少し反省しなければいけない案件だ。
店に入るなり、色々な場所から何でか感嘆の声が上がり、案内役のウエイターが頬を染めて動かなくなった。声を上げた客やウエイターの視線の先を追うと店に入ったからか?フードを脱いだカルセドニー兄さんの綺麗な顔があった。(兄よ?何故にフードを脱いだし!)近くを通り掛かったウエイトレスも、頬を染めて動かなくなった。(問答無用で、どっちも魅了しちまうのかよ…)俺よりも顔面偏差値の御高いカルセドニー兄さんは、存在自体が別格らしく、魅了スキルを所持していないのにも拘わらず、明らかに見た者を魅了してしまっている。(素面で魅了された者は、暫く仕事が手に付かなく成ったやも知れないなぁ~…)
店内の不穏な空気を感じ、店の奥から出て来た用心棒らしき男達も、色々な魔法やスキル対策をしているであろう店主にまで、手を合わせ拝まれる俺の兄っていったい何者?この場に居合わせた者達全員から酒やツマミを貢がられるて、どう言う事だ?(若しかして、女装顔のカルセドニー兄さんに寄る魅惑的な仕草や表情は、魔法やスキルでは無いから、魅了系対策アイテムが効果を発揮できないって事か?)
俺は天を仰ぎ、きっと俺の所為じゃ無い筈!多分だけどwと今を逃避し、静かに、こう言う日もあるさと受け入れ…、「ありがとう」と何の抵抗もなく貢がれ、幼少期に初めて出会った頃の様に俺を「サフィー」と呼びながら微笑を浮かべて、貰った物を嬉しそうに選別し…俺に下げ渡すカルセドニー兄さんから受け取った杯を…俺は苦笑いしてから呷る……。(って…、え?これって城でも口にする事の少ない希少な種類の上級ワインでは?)
そして俺は思い出す。カルセドニー兄さんの母君の母国は、初代国王がワイン通で、ワインの為にエルフの姫君を娶って栄えたワイン大国。エルフ感のある耳を持っていなくても、その血には見目麗しく酒好きなエルフの血が流れていて、目視と嗅覚でワインの善し悪しを判断し、その御眼鏡に適わなかった酒は「ありがとうございます、そうだ、アナタも一緒に飲んで下さい」と貢いできた相手を籠絡しながら飲ませ「このワインも良いですが、私はC共和国やM共和国産、カベルネ・ソーヴィニヨン種の赤や白も飲んでみたいですねぇ~」と金の無さそうな者には安いが旨いワインをリクエスト、有り余る程に持っていそうなのには希少種の御高いワインをリクエストしていた。(これは素か?地か?それとも、本気で腹黒いのだろうか?)
何は兎も角、俺ってば、御忍びを教えてはイケナイ人種に御忍びの楽しさを教えてしまったのかもしれない。(この所為で我が国が滅びたらどうしよう…)と思い悩むくらい。化粧したカルセドニー兄さんの人心掌握技術はヤバかったのである。
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