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2 掴まらない…
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何所の世界にも双子は精神感応的な繋がりが有るとか無いとか言う話はあるが…そんなのとは関係無く…、もっとずっと昔から、その魂の根源だけは同一で、前世の記憶を持ってた事のないアイツは、俺の隣、俺の身近な場所で生まれ生きて死に…、その繋がりを俺に実感させてくれていた……。
今世だって、今、何処に居るかは分らないけど、何処かでアイツが生きている事だけは感じられる。今の現在、死ぬ様な危険な目にも遭っていないだろう事くらいは推測できる。時々感じる不安は、危険な目に遭っている証拠かも知れないけど、何処に居るか分らないから助けにも行けなくて辛いのが今世で唯一の悩みだ。ったんだけどな、最近、無駄な悩みが増えた。
第二王子のカルセドニー兄さんが、俺に与えられた離宮へ入って来たのを皮切りに、ちょっと御高い飲み屋で偶然、四兄弟が揃って、第一王子のアガット兄さんの奢りで飲み食いしてからと言うもの、兄達全員が俺の住処に入って来る様に成ってしまっている。
「アガット兄さん!幾ら人の手でやるより綺麗に成るからって、俺の住処に汚れた武器や防具を持って来るのは止めて下さい!…って、ジャッド兄さんまで何故に?!アガット兄さんの真似して武器と防具持ち込んでるんです!!」
最近では、俺の固有スキル[営業スマイル]に連動するスキル[錯乱戦法・陽動作戦]の術中に嵌まり、混乱と言う状態異常のスライムの全自動清掃機能を見込んで、俺の腹違いの兄2人程が気軽に、武器や防具のメンテナンス前の洗浄をしに来る始末。
「あ、カルセドニー兄さん?離宮のスライム持ち帰らないで下さいよ?つい最近、兄さん達を迎えに来た従者やメイドがスライムに襲われたばかりでしょうに…、そいつら、負の感情や殺気に敏感だから、離宮の外では飼えないって教えましたよね?」
カルセドニー兄さんは俺の言葉で目にうっすら涙を浮かべ「どうにか成りませんか?サフィール?」と上目遣いで「書類仕事で荒んでしまう私の心には、リセの癒やしが必要不可欠なのですよ!」と、透明感のある深い青の中にミントグリーンの輝きを見せるスライムの1個体を優しく抱き締め、毎回、俺に懇願してくるのである。
「名前を付けても駄目なモノは駄目です!離宮のスライムは手懐けされた個体とは違うんですよ!連れて行きたければ兄さん自身が従魔術を取得してからにして下さい」
「えぇ~…魔術は簡単に取得できるモノでは無いじゃないですか!サフィールは類似スキルを所持してるんですから、私の為にレベルを上げるか、サフィールが従魔術を取得してくれても良いと思ってくれませんか?」
「無茶言うなし!精神に関係するスキルや魔法って難易度が糞程高いんですよ!簡単に取れるモノなら取ってますってw」
ここの所、こんな風に兄達の相手をする事が増え、アイツを捜せない。
前々からアイツではなく妹の方エメロードだけは捜してくれていたアガット兄さんとカルセドニー兄さんが情報を提供してくれて、ジャッド兄さんも一緒にエメロードの行方を捜してくれてはいるけれど、自分自ら[アイツ]を捜しに行けていないのが実情だ。
そんなある日、海沿いに存在する隣国の噂に俺は興味を引かれる。
コースト国の末の姫[オパル・コースト・コート]が時々連れている傭兵が、アッシュブロンドでエメラルドの様な色合いの翠眼なのだそうだ。家名は無しで名前は[エド]、俺的に何故か、とっても気になる。
コースと国に赴いた事のあるアガット兄さんとジャッド兄さんに尋ねてみたら、アガット兄さんは男だと耳にした時点で俺の腹違いの妹とは違うだろうと判断し、覚えてもないそうで、ジャッド兄さんの方は、ここ数年間、何度か魔物の集団暴走対応の遠征先で相見えた時の事を覚えていると言っていた。
ジャッド兄さん曰く、一撃必殺の処刑人形と言う二つ名を持つ、寡黙で見目良き槍術使いの青年との事だ。(二つ名て…、前世で罹った厨ニ病心を擽られるぞw)
そして、正確な年齢と本当に男かどうかは気にした事が無かった為に明言出来ないのだそうだけど、ジャッド兄さんの感覚で自分より若そうと言う事と、本当は傭兵ではなく冒険者で、槍術より棒術が得意そうに見えたと言う事だ。
後、戦場には単独で参加し、何時も生き急いでいるかの如くに特攻陣営に身を置いているらしい。
後にアガット兄さんが仕入れてくれた補足情報として「素材が痛むだろ?」が口癖で、直ぐ処理できない場合は動脈狙い。時間と解体処理できる人数が確保できる場合は延髄狙いの撲殺狂と言う一面を見せると言った話もあるらしい。
この話を耳にした時、俺の脳裏には、俺が[蒼玉]と言う名を持っていた前世で出会ったアイツ、弟の[翠玉]のイメージが朧気に浮かんで来ていた。
これは直感なのだが…、[エド]と言う存在が今世での妹かどうかは別にして…、アイツである可能性が非常に高い…と、この時、確信めいたモノを感じたのだった……。
今世だって、今、何処に居るかは分らないけど、何処かでアイツが生きている事だけは感じられる。今の現在、死ぬ様な危険な目にも遭っていないだろう事くらいは推測できる。時々感じる不安は、危険な目に遭っている証拠かも知れないけど、何処に居るか分らないから助けにも行けなくて辛いのが今世で唯一の悩みだ。ったんだけどな、最近、無駄な悩みが増えた。
第二王子のカルセドニー兄さんが、俺に与えられた離宮へ入って来たのを皮切りに、ちょっと御高い飲み屋で偶然、四兄弟が揃って、第一王子のアガット兄さんの奢りで飲み食いしてからと言うもの、兄達全員が俺の住処に入って来る様に成ってしまっている。
「アガット兄さん!幾ら人の手でやるより綺麗に成るからって、俺の住処に汚れた武器や防具を持って来るのは止めて下さい!…って、ジャッド兄さんまで何故に?!アガット兄さんの真似して武器と防具持ち込んでるんです!!」
最近では、俺の固有スキル[営業スマイル]に連動するスキル[錯乱戦法・陽動作戦]の術中に嵌まり、混乱と言う状態異常のスライムの全自動清掃機能を見込んで、俺の腹違いの兄2人程が気軽に、武器や防具のメンテナンス前の洗浄をしに来る始末。
「あ、カルセドニー兄さん?離宮のスライム持ち帰らないで下さいよ?つい最近、兄さん達を迎えに来た従者やメイドがスライムに襲われたばかりでしょうに…、そいつら、負の感情や殺気に敏感だから、離宮の外では飼えないって教えましたよね?」
カルセドニー兄さんは俺の言葉で目にうっすら涙を浮かべ「どうにか成りませんか?サフィール?」と上目遣いで「書類仕事で荒んでしまう私の心には、リセの癒やしが必要不可欠なのですよ!」と、透明感のある深い青の中にミントグリーンの輝きを見せるスライムの1個体を優しく抱き締め、毎回、俺に懇願してくるのである。
「名前を付けても駄目なモノは駄目です!離宮のスライムは手懐けされた個体とは違うんですよ!連れて行きたければ兄さん自身が従魔術を取得してからにして下さい」
「えぇ~…魔術は簡単に取得できるモノでは無いじゃないですか!サフィールは類似スキルを所持してるんですから、私の為にレベルを上げるか、サフィールが従魔術を取得してくれても良いと思ってくれませんか?」
「無茶言うなし!精神に関係するスキルや魔法って難易度が糞程高いんですよ!簡単に取れるモノなら取ってますってw」
ここの所、こんな風に兄達の相手をする事が増え、アイツを捜せない。
前々からアイツではなく妹の方エメロードだけは捜してくれていたアガット兄さんとカルセドニー兄さんが情報を提供してくれて、ジャッド兄さんも一緒にエメロードの行方を捜してくれてはいるけれど、自分自ら[アイツ]を捜しに行けていないのが実情だ。
そんなある日、海沿いに存在する隣国の噂に俺は興味を引かれる。
コースト国の末の姫[オパル・コースト・コート]が時々連れている傭兵が、アッシュブロンドでエメラルドの様な色合いの翠眼なのだそうだ。家名は無しで名前は[エド]、俺的に何故か、とっても気になる。
コースと国に赴いた事のあるアガット兄さんとジャッド兄さんに尋ねてみたら、アガット兄さんは男だと耳にした時点で俺の腹違いの妹とは違うだろうと判断し、覚えてもないそうで、ジャッド兄さんの方は、ここ数年間、何度か魔物の集団暴走対応の遠征先で相見えた時の事を覚えていると言っていた。
ジャッド兄さん曰く、一撃必殺の処刑人形と言う二つ名を持つ、寡黙で見目良き槍術使いの青年との事だ。(二つ名て…、前世で罹った厨ニ病心を擽られるぞw)
そして、正確な年齢と本当に男かどうかは気にした事が無かった為に明言出来ないのだそうだけど、ジャッド兄さんの感覚で自分より若そうと言う事と、本当は傭兵ではなく冒険者で、槍術より棒術が得意そうに見えたと言う事だ。
後、戦場には単独で参加し、何時も生き急いでいるかの如くに特攻陣営に身を置いているらしい。
後にアガット兄さんが仕入れてくれた補足情報として「素材が痛むだろ?」が口癖で、直ぐ処理できない場合は動脈狙い。時間と解体処理できる人数が確保できる場合は延髄狙いの撲殺狂と言う一面を見せると言った話もあるらしい。
この話を耳にした時、俺の脳裏には、俺が[蒼玉]と言う名を持っていた前世で出会ったアイツ、弟の[翠玉]のイメージが朧気に浮かんで来ていた。
これは直感なのだが…、[エド]と言う存在が今世での妹かどうかは別にして…、アイツである可能性が非常に高い…と、この時、確信めいたモノを感じたのだった……。
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