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2 掴まらない…
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スライムに寄るストーカーの捕獲&排除が出来てからと言うもの…、それぞれ半分だけ血の繋がった兄達から感謝されるだけで無く…、更に、より一層、兄達から俺は可愛がられる様に成っていた……。
正直、この状態が必要最低限の使用人のみに囲まれて過ごしていた幼少期の頃なら、まだ喜べたのだろうが、現在、俺は19歳。
相手をして貰える事も無く幼少期を過ごした経験に寄る。孤独の代わりに束縛されない自由を得ていた俺的に、身近に誰かが存在する事すら重荷であり、慣れない。事ある事に兄達に構われる事が若干、本当に苦痛な時がある。普通に馴染めない。どうせなら兄ではなく、綺麗な姉か可愛い妹が寄って来てくれるのなら良かったのにな…な感じだ……。
兄達的には、今まで俺に拘って来られなかった罪滅ぼし含み的な気持ちがあっての行動だと、俺が自身が知ってしまっているから強く拒めなくて、辛い所。な今日この頃。
エドがアイツかも?と思い始めて、気付けば1年近く経過した今日。エドが「年に一度、我が国に不定期的に入出国しているらしいですよ」と言う情報をカルセドニー兄さんが俺の住む離宮に来る手土産として持って来た。今回は、既に何度も繰り返しているスライム持ち出し案件の罪滅ぼしっぽい部分もあるのかも知れない。
そして、俺が(カルセドニー兄さんってば、前から知ってて出し惜しみしてた事はなかろうか?)何て、疑いの目を向けている事は、勿論、今回も内緒の御話である。今までそう言う雰囲気の出来事が数度とあった。
「カルセドニー兄さん、その入国時、エドが何所に立ち寄っているか…とかの情報はありますか?」
「…あのですね、サフィー…私への呼び方や話し方が少し硬いのではないでしょうか?時にはカール兄さん♪って砕けた感じの呼び方をしてくれても良いのではないですか?」
「?!…えぇっと(これ、誰得だよ)…カール兄さん…、エドの立寄り先は?」
「…知りたいですか?」
「…そうですね、知りたいですよ…(って、腹立たしいな!甘えた態度を取れって事か?)…カール兄さん♪エドの立寄り先を教えて下さい(^▽^)💢」
「それは、兄に対する御願いでしょうか?」
「カール兄さん♪御願いします(^-^)💢」
「w仕方ないですねww特別に教えてあげましょう♪」と、とっても良い笑顔をカルセドニー兄さんから有益な情報を頂きましたが、罪滅ぼし部分よりも俺に対する甘え要素が強く、今日も今日とて、イラッと来る遣り取りを強要され胃に穴が空きそうです。
そんな我が国の第二王子カルセドニーからの情報に寄ると…、その入出国は、我が国ミーヌの南側に位置するエドが懇意にしているオパル姫の居るコースト国からでは無く…、ミーヌと我がコースト双方にとっての西にある大国、国の大半が巨大な砂漠地帯でもであるデゼール国からの日帰りの入出国記録としてエドの情報が残っているらしい……。
俺は地図を引っ張り出し、デゼール国と隣接する関所の位置を確認し、2つ存在する関所のどちらからの入出国なのか?と、日帰りで立ち寄れる場所の候補を尋ね、ある意味で気持ちを磨り減らしながら、先程と似た下りの会話にウンザリしつつ情報を手に入れる事が出来た。(時に、凄くストレスを感じさせられる事があるけども)どんなに嫌な部分があったとしても、持つべきは確かな情報源を持つ、この兄なのかもしれないと、今回は思う。
…と、言う訳で…、行き先が国内の為、俺に許された捏ち上げの視察旅行の計画が立てられました…但し、保護者同伴でです……。からの、半信半疑でエドが立ち寄ったであろう村に行ってみると、村人が俺をエドと間違え勘違いして「おや?エドじゃないかいw急に髪が長くなってるから見違えたよww」と声を掛けて来た。(どうやら、妹の可能性の方面的には当たりが出たらしい)
請け負っている仕事と体力的な問題とで付き添えないカルセドニー兄さんの代わりに付いて来た第三王子であるジャッド兄さんは「見間違える程には似てないだろ」と呟きながら少し怪訝そうな顔をしている。ジャッド兄さんの意見は兎も角、エドを知る村人的には俺とエドは見間違える程度にソックリらしい。
俺は少し考え…、本当は、アイツを捜しているのだけども取り敢えず…、末の妹であるエメロードを捜している兄達に対する名目上と、エドが女でエメロードで、それを隠している可能性と、アイツである可能性も視野に入れ…、俺をエドと勘違いし、親しげに声を掛けてきた村人に対して[俺がエドではない事]と[俺達が生き別れに成った家族を捜していると言う風]に事情を伝え…、エドを良く知る者を村人伝手に辿って行く事にした……。
最初に声を掛けてきたのが、村の入り口となるであろう街道沿いに一番近い家の農婦。農婦に紹介されたのが、村唯一の道具屋の女将だった。
農婦の話に寄ると、その女将は元冒険者で、エドの母親とは同じ戦場で剣を打ち合わせた仲なのだとか…、そんな女将曰く、末の王子、つまり[俺]が産まれた事が王宮から発表された頃、乳幼児だったエドを連れた母親と一緒にエドを保護したとか…城に母の墓がある為、母親が連れてと言うのは少し引っ掛かるが、年齢は勿論、時期的にも、エメロードの可能性が合う符号は多い……。
今回、本人が居ない以上、ここは情報だけでも集めて置くべきだろう。と、話を聞いている内に、俺が求めていた答えが出てきた。
正直、この状態が必要最低限の使用人のみに囲まれて過ごしていた幼少期の頃なら、まだ喜べたのだろうが、現在、俺は19歳。
相手をして貰える事も無く幼少期を過ごした経験に寄る。孤独の代わりに束縛されない自由を得ていた俺的に、身近に誰かが存在する事すら重荷であり、慣れない。事ある事に兄達に構われる事が若干、本当に苦痛な時がある。普通に馴染めない。どうせなら兄ではなく、綺麗な姉か可愛い妹が寄って来てくれるのなら良かったのにな…な感じだ……。
兄達的には、今まで俺に拘って来られなかった罪滅ぼし含み的な気持ちがあっての行動だと、俺が自身が知ってしまっているから強く拒めなくて、辛い所。な今日この頃。
エドがアイツかも?と思い始めて、気付けば1年近く経過した今日。エドが「年に一度、我が国に不定期的に入出国しているらしいですよ」と言う情報をカルセドニー兄さんが俺の住む離宮に来る手土産として持って来た。今回は、既に何度も繰り返しているスライム持ち出し案件の罪滅ぼしっぽい部分もあるのかも知れない。
そして、俺が(カルセドニー兄さんってば、前から知ってて出し惜しみしてた事はなかろうか?)何て、疑いの目を向けている事は、勿論、今回も内緒の御話である。今までそう言う雰囲気の出来事が数度とあった。
「カルセドニー兄さん、その入国時、エドが何所に立ち寄っているか…とかの情報はありますか?」
「…あのですね、サフィー…私への呼び方や話し方が少し硬いのではないでしょうか?時にはカール兄さん♪って砕けた感じの呼び方をしてくれても良いのではないですか?」
「?!…えぇっと(これ、誰得だよ)…カール兄さん…、エドの立寄り先は?」
「…知りたいですか?」
「…そうですね、知りたいですよ…(って、腹立たしいな!甘えた態度を取れって事か?)…カール兄さん♪エドの立寄り先を教えて下さい(^▽^)💢」
「それは、兄に対する御願いでしょうか?」
「カール兄さん♪御願いします(^-^)💢」
「w仕方ないですねww特別に教えてあげましょう♪」と、とっても良い笑顔をカルセドニー兄さんから有益な情報を頂きましたが、罪滅ぼし部分よりも俺に対する甘え要素が強く、今日も今日とて、イラッと来る遣り取りを強要され胃に穴が空きそうです。
そんな我が国の第二王子カルセドニーからの情報に寄ると…、その入出国は、我が国ミーヌの南側に位置するエドが懇意にしているオパル姫の居るコースト国からでは無く…、ミーヌと我がコースト双方にとっての西にある大国、国の大半が巨大な砂漠地帯でもであるデゼール国からの日帰りの入出国記録としてエドの情報が残っているらしい……。
俺は地図を引っ張り出し、デゼール国と隣接する関所の位置を確認し、2つ存在する関所のどちらからの入出国なのか?と、日帰りで立ち寄れる場所の候補を尋ね、ある意味で気持ちを磨り減らしながら、先程と似た下りの会話にウンザリしつつ情報を手に入れる事が出来た。(時に、凄くストレスを感じさせられる事があるけども)どんなに嫌な部分があったとしても、持つべきは確かな情報源を持つ、この兄なのかもしれないと、今回は思う。
…と、言う訳で…、行き先が国内の為、俺に許された捏ち上げの視察旅行の計画が立てられました…但し、保護者同伴でです……。からの、半信半疑でエドが立ち寄ったであろう村に行ってみると、村人が俺をエドと間違え勘違いして「おや?エドじゃないかいw急に髪が長くなってるから見違えたよww」と声を掛けて来た。(どうやら、妹の可能性の方面的には当たりが出たらしい)
請け負っている仕事と体力的な問題とで付き添えないカルセドニー兄さんの代わりに付いて来た第三王子であるジャッド兄さんは「見間違える程には似てないだろ」と呟きながら少し怪訝そうな顔をしている。ジャッド兄さんの意見は兎も角、エドを知る村人的には俺とエドは見間違える程度にソックリらしい。
俺は少し考え…、本当は、アイツを捜しているのだけども取り敢えず…、末の妹であるエメロードを捜している兄達に対する名目上と、エドが女でエメロードで、それを隠している可能性と、アイツである可能性も視野に入れ…、俺をエドと勘違いし、親しげに声を掛けてきた村人に対して[俺がエドではない事]と[俺達が生き別れに成った家族を捜していると言う風]に事情を伝え…、エドを良く知る者を村人伝手に辿って行く事にした……。
最初に声を掛けてきたのが、村の入り口となるであろう街道沿いに一番近い家の農婦。農婦に紹介されたのが、村唯一の道具屋の女将だった。
農婦の話に寄ると、その女将は元冒険者で、エドの母親とは同じ戦場で剣を打ち合わせた仲なのだとか…、そんな女将曰く、末の王子、つまり[俺]が産まれた事が王宮から発表された頃、乳幼児だったエドを連れた母親と一緒にエドを保護したとか…城に母の墓がある為、母親が連れてと言うのは少し引っ掛かるが、年齢は勿論、時期的にも、エメロードの可能性が合う符号は多い……。
今回、本人が居ない以上、ここは情報だけでも集めて置くべきだろう。と、話を聞いている内に、俺が求めていた答えが出てきた。
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