タンブルウィード

まさみ

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二十六話

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極端な緩慢さで薄目を開ければ一寸先の未来を暗示する暗闇が出迎える。
「う……、」
頭が酷く重い。
倒れた拍子に傷口が開いたのか脈に合わせて鈍く疼く。
耳孔から流し込まれた鉛が芯で固まったような感覚。
手首に違和感。目を開ける前から音と感覚で薄々察していたが、両手に手錠が噛まされパイプベッドの格子に繋がれている。靴は脱がされていた。
手錠を掛けられるのは母さんの玩具でイタズラしてて外れなくなって以来だ。
あの時スワローは自分の右手をピジョンの左手と繋いだ。どう頑張っても外れずにしまいには腕を切り落とすしかないと泣くピジョンがうざったくて、死ぬほど蹴っぽってやったものだ。あんなお荷物をひきずってちゃおちおち立ちションもできやしねえ。
結局どうやって外したんだっけ、あの手錠。忘れちまった。
ピジョンの手もスワローの手もちゃんと繋がってるから、それ以外の方法で窮地を脱したのだろうが、肝心な事はド忘れしている。手首と手錠の間にバターを塗って滑りをよくしようと提案したのはオツムが平和ボケしたピジョンだったか……しまいにゃ二人仲良くちびちびバターを舐めて腹ぺこをごまかした。あのアホときたらその間もずっとべそべそしてるもんだから、泣くか食うかどっちかにしろとキレたっけ。
余力を振り絞って腫れぼったい瞼を押し上げ、暗闇に沈んだ部屋を見回す。
どうやら寝室のようだ。扉は固く閉ざされている。
壁際に寄せられたパイプベッドの他には机と椅子しかない生活感が乏しい部屋。ベッドの反対側に穿たれた窓は鎧戸で厳重に閉め切られ今が昼なのか夜なのかも判じがたい。
まるで監獄……いや、独房か。
「本当は窓がない部屋がよかったんだけど、さすがに無理だったよ」
開け放たれた扉から茶髪の男が入ってくる。何かを持ち込んできたようだ。
アトリエにあった木製の画架だ。
片足の悪い男には大変な労働だが、スワローはただ眺めているだけで指一本動かさない。
木の脚が床を擦り、引っ掻くような軋り音をたてる。ベッドの周囲に三脚を巡らすよう配置し、自分の仕事ぶりに甚く満足して傍らの椅子を引いて座る。
画架には何も載ってない。そのぶん軽いだろうが、男の額はうっすら汗ばんでいた。
階下で狂ったように赤ん坊が泣いている。
物が割れる甲高い音に男女の怒号が重なる。
安アパートに付き物の所帯じみた騒音、床一枚挟んだ向こうで進行する猥雑なスラムの日常。ありふれた喧騒が別世界の出来事のように乖離して感じられる。
「下の階の奥さんだよ。旦那さんの弟夫婦と同居してるんだけど仲が悪くてしょっちゅう喧嘩してるんだ。喧嘩がはじまるときまって赤ん坊も泣きだすから面白い。空気を読んでるのかな?毎日この調子だよ」
「アトリエにゃ向かねー環境だな。集中力もへったくれもねえだろ」
「実はそんなに絵は描かないんだ。少し余裕ができたから、食べる為に描く必要がなくなったんだよ」
「あの邪魔くせえキャンバスや画架も全部ハリボテのハッタリ?嵩張るから持ち込むの大変だろーに、業者に金積んだのか」
「ノーコメント。まぁいい線行ってるよ、世の中お金さえ払えばうるさい事言わない人は多いんだ」
「叫んでも無駄か」
「窓もドアも閉め切ってる。試すのはいいけれど、喉が潰れるだけでお勧めしないね。かわいい声が聴けなくなるのは残念だ」
聞いてもないのにご丁寧かつご親切に説明してくれる、暇人に呪いあれ。勝ち誇って余裕かましたツラが気に食わねェ。
階下では激しい痴話喧嘩が繰り広げられ赤ん坊が号泣している。隣近所からも同様の騒音が響く。
ここでは誰も他人の助けを求める声になど反応しない、自分たちが修羅場の真っ只中にいるのに他人の事情にかかずりあえない。ジェニーや小さい兄弟を見捨てたように……いわんやよそからきた娼婦のガキが寝室に監禁され、鬼畜の嬲り者にされようと知ったことか。

チッ、ピジョンのうすらボケみてえに恥を忍んで媚び売っとくんだったぜ。

両手を上下左右に打ち振り、乱暴に鉄格子を揺すり立てる。
鎖がちぎれないか期待したが、そんなヤワな造りじゃないと痛感して体力を浪費するのみに終わった。
金属の輪が手首の皮膚を摩擦、固く食い込んで痛みを与える。
「案外クスリが切れるのが早い。多めに盛ったのに利きにくい体質なのかな。幸か不幸かわからないけど……」
男の口調は落ち着き払い、宥める声音はひどく優しい。
往生際悪く抵抗するスワローを覗き込み、鼻の頭が擦れ合う距離で囁く。
「起こそうかどうしようか迷ってたんだ。せっかくよく眠ってるのに起こしちゃ可哀想だろう?でも寝てたらつまらない、友達が納得しない」
「友達?どこにいるんだよ。チェーンソーで頭を輪切りにすりゃ脳漿と一緒にイマジナリーフレンドがとびだすのか、グロいびっくり箱だな」
「いま紹介するよ」
突然視界が闇に覆われる。男がスワローの頭の包帯をずらし目を覆ったのだ。
「待てよコラ!」
暴れれば暴れるほど包帯がたれさがって男の行動を遮るのがもどかしい。
スワローは聴覚に全神経を集中する。
カタン、コトン。床……違う、この距離と響き方は画架だ。ベッドを包囲する画架の上に、男が順番に何かを置いていく。カタン、コトン。規則正しい音。一体何個あるんだ?耳を研ぎ澄まし一心に気配を手繰る。視界を奪われただけで不安感が一気に増大する。仄白い包帯の向こうに影がちらつき、幽霊の徘徊じみた不気味さが緊迫感をいや増す。
数十秒は経過しただろうか、突如包帯がずりあげられ視界が晴れる。
「待たせたね」
ベッドのすぐ横、スワローの顔のすぐそばに何かが載っている。
なんだ?
「彼がスティーブ。僕の一番最初の友達。孤児院にいた頃からの付き合いなんだ」
コイツは一体なに言ってんだ?
最初は小さすぎてわからなかった。
額に垂れかかる包帯の隙間から必死に目を凝らし、鎖の限界が許すまで身を乗り出して焦点を絞り、暗闇に朧に浮かび上がる「それ」が子供の銀歯だとようやく理解に至る。
理解した事を後悔する。
「………ッ、」
「彼がスチュアート、とってもやきもち焼きな情熱家なんだ。まだ13歳なのに煙草が大好きで、はたちになったらやめるが口癖なんだ。さっき君に乱暴にされたからすごく怒ってるよ。彼は僕以外の人間に気安くさわられるとすごく怒るんだ、炎のような気性の持ち主で油を注ぐとすぐ着火する」
銀歯の隣には純銀のライターがおいてある。さっきスワローが無断で借りたオイル切れのジッポ。
男は嬉々として画架を指さし、順番に「友達」を紹介していく。
ジッポの次はナイフ。柄を含めた長さは30センチほどだろうか。ワンタッチで刃を収納できる形式らしい。
「隣がレオナルド。彼はとても猜疑心が強いんだ。切れ味鋭い皮肉が魅力でね、今も時々僕の指に噛み付いて意地悪するんだ。怜悧で硬質クールでハードなところも魅力だけど、スイッチを押しちゃったら要注意だ」
男はとても嬉しそうに笑ってる。
スワローと友達を引き合わせることを心底楽しみ、剽軽な軽口を交え一人一人を愛着こめて紹介していく。
脈拍が乱れ心拍数が上昇、服の下で汗がふきだす。唾が喉にひっかかりささくれる。
ギシリとベッドが軋み、男がスワローの枕元に移る。
男の目線と人さし指がベッドの正面へ移動し、十字架を指さす。
「あの子はアンドリュー。僕のファンだと言ってくれた最初の子……貧しいスラム出身で、とっても信心深くて家族思いのいい子だよ。将来は絵描きになるのが夢なんだ。君のお兄さんにちょっと似てるだろ?」
コイツは異常だ。カンペキ狂ってやがる。
「あんた……文法が間違ってるぞ」
「え?」
「過去形にしろよ」
スワローはベッドに固定されたまま尊大に顎をしゃくり、周囲に立てかけられた画架の上に居並ぶガラクタを示す。
「生憎とうちの兄貴は、あそこまでダンマリじゃねェしお固くもねェ。手も足も出ず縛り付けられてる俺を前に、ただじっとしてたりもしねェ」
「…………」
「さっきからなに一人でくっちゃべってんだ?はッ、友達?どこにいンの?かくれんぼしてんなら恥ずかしがらず出てこいよ、仲良く並んでツラ貸せよ」
「ここにいるじゃないか」
「俺にゃぜーんぶ物言わねェがらくたにしか見えねェぜ、小汚ェ手垢まみれ、ゴミ溜めに転がるゴミだ」
男の笑顔の成分が薄れ次第に無表情になっていく。
部屋の気温がベッドの周囲だけ極端に冷え込んだ錯覚におかされる。
戦慄が去ったあと、衝撃で麻痺した心を躁の発作が襲い、喉の奥から濁った笑いを汲み上げる。
枕元に腰かけた男はわけがわからないといった風情の呆け顔、純黒の瞳に戸惑いが瞬く。
ちょっとドン引きしちまったがタネがわかりゃビビるにゃ値しねえ。
両手に手錠を噛まされた不自由な体勢から半身をねじり、ゴミ溜めのゴミを見る蔑みきった眼差しを叩き付ける。
「ぜーんぶアンタが犯して殺したガキから剥ぎ取ったンだろが、レイヴン・ノーネーム名無しのワタリガラス
驚愕に目を剥く。
「知ってたの」
「雑誌で見た」
「さっきの?」
「テメェのような小物を覚えてやってたんだ、光栄に思いやがれ」
ほどけて縺れた包帯が目にかかって邪魔くさい。
しどけなく乱れた前髪が額を滑る。
スワローは何度も瞬きし、ちくちくと目に刺さる髪の先端と包帯を追い出す。
男……レイヴン・ノーネームは、本腰を入れて彼の話を聞こうと座り直す。
「もうちょい偽名を捻れよ。レイヴンだからレーヴェンってなめてンのか、あ?次の街じゃイレブンか?サングラスかけてレイバンか?」
「行く先々で変えてるとバリエーションが尽きてね、どんどん雑になってくる。それに発音が似てる方が反応が遅れずにすむんだ」
「だからノーネーム?」
「まあね」
「顔は?整形?」
「前の街でちょっとね……腕のいい闇医者を教えてもらったんだ。そのぶん高く付いたけど。新しい顔が馴染むまでは大人しくしてる予定だった」
「髪は染めたの?ヅラ?」
「染めたんだ。案外わからないものだよ」
「どーせならカラコンか義眼にしろよ、化け方が中途半端なんだよ」
「まるごと変えるより少しずつ変えていく方が怪しまれない。総取り換えはお金がかかるしね」
「友達」に説教されるのは不思議な気分だ。レイヴンは小さく笑って頬杖を突き、流暢に説明する。
「トレードマークを律義に死守する賞金首なんていまどき絶滅危惧種だ。子どもたちの間で流行ってるカードをごらんよ、犯行の詳細は事細かに書かれてるのに外見特徴はおざなりだろ。何故って?あてにならないからさ。先入観は大敵だ。追われてるとわかれば服や顔、髪型を変えるのは当たり前。刺青は焼いて、傷痕はファンデーションで隠せる。黒歴史は消してしまうに限るよ」
髪や瞳の色を変えるだけで人の印象はがらりと変わる、先入観の錯誤を逆手にとって犯罪者はまんまと逃げ延びる。
「余計なリスクは負わないに越したことない」
錆びたベッドが撓む。
レイヴンがベッドにのっかり、スワローを跨いでのしかかる。
スワローは微動しない。恐怖で慄然と硬直してるわけでも諦めきって無気力に陥ったわけでもなく、シラケた顔で茶番に付き合っている。
レイヴンの胸中にかすかな違和感が生じる。
「その足も演技?」
スワローが片足を動かし、衣擦れの音もしめやかに膝を立て、レイヴンの痛めた左足を絡めとる。
「アンタさぁ、ぶっちゃけそんな足悪くねぇだろ」
胸の奥の違和感がまた少し膨らみ動揺の波紋が広がる。
スワローの口角がごく僅か持ち上がり勝ち誇った笑みを仄めかせる。
赤錆の目線と純黒の目線が絡み合い、互いの目の奥に吸い込まれていく。
「どうしてそう思うんだい?」
「足悪ィ人間がコーヒーをカップになみなみ注いで、両手で盆もてる?」
スワローは見てない素振りでちゃんと見ていた、無関心を装いさりげなく観察していた。
片足に障害があり、歩くのが不自由で遠出もできないというレイヴンの言を信じるなら、両手で盆を運べた事実に矛盾が生じる。
「母さんの客に戦場帰りのゴロツキがいてさ、そいつも片足が悪かったんだ。なんつーかこう、歩き方に特徴でんだよな。重心が偏るつーか」
「…………」
「杖付かなきゃおんもも歩けねーヤツが、他人に肩貸して階段上がれる?無理だろ」
初めて会った時からぷんぷん匂った、コイツのすべてが嘘くさいのだ。
体幹が不安定なのは一目で見抜いた。
足が悪いというのは真実だろうが、終始杖が必要なほどではないはずだ。もし本当に杖が手放せないほど障害が深刻ならスワローを担いで長い階段を上るなど到底不可能だし、コーヒーを零さず運ぶのも画架を寝室に持ち込むのも不可能だった。
「コイツで釣り上げたの?」
足が悪いと油断させて。
手伝ってくれたらご褒美やるとたらしこんで。
「すげー確信犯。計画的犯行ってヤツ?」
スワローの足指がレイヴンの内腿をじゃれてなぞる。不自然に硬直し突っ張った人工の質感……義足か?
手は拘束されていても足なら自由に動かせる、おいたができる。スワローは奔放に足の指先を遊ばせる。男の内腿を足指で器用にくすぐって逆なでしもぞつかせる。
「頭がいいね。お兄さんは全然気付かなかったよ」
「だろーな。疑いもしなかったろうさ」
「彼はすごくいい子だけど、ちょっと頭が弱いね」
赤ん坊がどこか遠くで泣いている。
男女がうるさく怒鳴りあってる。
スワローは微笑みをまた一段深め、底意地悪くねじった唇を挑発的に舐め上げる。
腋を伝う汗に気付かれないように、内心の動揺を悟られないようにふてぶてしく強がって、膝の角度を変えてレイヴンのズボンの股間を圧迫する。
「……っ……、」
レイヴンは狼狽する。
まだ11かそこらの子どもだというのに、この凄まじい色気はどうしたことだ?
両手に手錠を噛まされ密室に監禁され、普通ならパニックをきたして泣き喚いてる頃合いだ。しかも相手は既に何人も犯して殺した殺人鬼ときた。なのに威風堂々落ち着き払い、立てた膝でぐいぐい股間を押してくるじゃないか。ふしだらではしたない娼婦……いいや、男娼の振る舞いだ。大人を誘惑する媚態と手管は相当な場数を感じさせる。
「犯ンの?殺ンの?どっち?」
リズミカルに区切る問いかけ、自分の命を秤にかけてるとは思えぬ軽はずみの極み。急き立てる言葉に合わせ強弱つけて股間を圧迫され、鈍い快感が湧き広がる。
その拍子に均衡を崩し、前のめりに倒れ込む。少年の顔が目の前に来る。
女の子みたいに愛くるしい顔に不似合いな擦り傷と生傷、弛みきった包帯の隙間で蕩けきった目が笑ってる。
「強姦魔にマナーを教えてやる。最初はキスからだ」
噛みつくよう唇を封じる。
唾液で湿った粘膜をこじ開けて冒険好きな舌がもぐりこみ、歯列の表裏を荒っぽくまさぐりだす。
歯がぶつかりあう年相応に未熟で性急なキス、偉そうな態度とは裏腹にテクニックは劣る。なんだか微笑ましくなって―
「!!っぐ、」
衝撃。
反射的に押さえた手の隙間からぼたぼた血が滴る。舌を噛まれた。
一切手加減なく突き飛ばし身を起こす、少年の後頭部が背後の鉄格子に激突し傷口が開きみるみる包帯が朱に染まっていく。
「~~ってェ……はは、はははははははっ!ばーか、まんまとのせられて突っこんでやがンの!めでてーなバカガラス、俺の膝でぐりぐりされて気持ちよかった?ズボン越しでもイケる早漏かよテメェは。あー笑いすぎて傷が開いたいっでぇ、くそいてェしゃれになんねー、血が出すぎてくらくらしてきた……」
なんだこの子。痛がりながら笑ってる。笑いながら痛がってる。スワローは自由な足をばたつかせめちゃくちゃにシーツを蹴り、右と左を交互に向いて唾とばし、笑い疲れて過呼吸に陥りかけながらレイヴンを睨みつける。
あの路地裏で殺人鬼を魅入った大胆不敵な眼差しで、恐怖心も服従心も強固な意志力のみで一切合切ねじ伏せて、一言一句歯切れよく宣言する。
「耳の穴かっぽじってよく聞け、まっくろくろすけのカラス野郎。テメェにくれてやるもんなんかなんもねーよ、ばーか」
スワローは腹に地獄を抱え込んでいる。
激烈な憤怒が燃え滾り、火薬を練り込んだ血が凶暴に荒れ狂って制御できず、ヒステリックな笑いの発作となって天井高く迸る。

『お前の心臓はダイヤモンドで、血はニトログリセリンだね』
いつだったか、スワローの喧嘩っ早さをピジョンがそう評した。

だれかに命令されるのがいやだ。なにかを強制されるのがいやだ。俺は俺だけの王様で俺は俺が一番偉いと思ってる、その俺がこんなぶざまなナリでふんじばられて使用済みバイブのようにベッドの上で震えてるっきゃないときた、そしてこの犯して殺したガキの一部を剥ぎ取ってコレクションしてるド変態は俺が世界で一番嫌うことをした。

俺の兄貴ものに手を出して、俺の兄貴ものを裏切った。
いいヤツぶってだまくらかして、オツムが足りないだのとぬかしやがった。

現実に悪魔がいたらこんな顔をしてるんじゃないかと思うほど生き生きした笑顔で罵倒し、爆発的な哄笑の副作用で口端を痙攣させながら凄む。
「テメェはもう詰んでんだよ。俺の鳩ピジョンはカラスよかちったぁ賢いからな」
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