タンブルウィード

まさみ

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CAT PARTY 後

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「……おかえり」
のろくさ片手を挙げお出迎え。目の前にゃ不機嫌の絶頂でガンとばすスワロー。率直に申し上げ、ちびりそうにおっかねえ。
「俺んちで他人におかえりされる筋合いねえ」
ごもっとも。
「でたらめに生きてるくせにまともなこと言うじゃんストレイ・スワロー、見直した」
「ンだよその耳。年考えてコスプレしやがれ、寒い通り越して物理的に痛てえ」
ド正論の暴言を剛速球で投げ込まれる。いっそ死球レベルのダメージ。
ちょこんと膝を揃えて座り直し、しっぽで床に「STOP」と書く。
「深い事情があって」
「ご丁寧にしっぽまで付けてアナルプラグかそりゃ?人が留守の間に兄貴を特殊プレイに巻き込むんじゃねードM」
「万歩譲って俺がケツにプラグさして悦る変態だとして、だしっぱで茶ァごちになるか。しまってくるわ」
「わかんねーぞ、真性の変態ならプラグいれっぱだしっぱで人んちお呼ばれするかも」
「日常会話でプラグプラグ連呼すんな、壁薄いからお隣さんに筒抜けだぞ。俺んちじゃねえしどうでもいいけど」
「ドM露出狂のド変態がド淫乱に開き直んじゃねえ」
「ドが多い」
「うちの椅子にスケベ汁付けたら承知しねーぞ」
「そこそこ長え付き合いだろが、ンなやべー性癖隠し持ってたらもっと早い段階で気付けっての」
「初対面からコイツはヤベーってビンビンきたね、ひと回り下のガキにいじめられてドピュッてイッたのが証拠」
まずは誤解をとくのが先決、じゃねーと自尊心が死ぬ。片手に持ったしっぽを投げ縄よろしく回し、へどもど申し開きをする。
「何を言ってるかわからねーだろうが、朝起きたら生えてた」
「猫のミュータントと濃厚接触して変な病気もらったか。ねェな、童貞だもん」
「本人の否定前に却下すんな」
「手は?見せてみ」
大人しく開く。
スワローが不躾に覗き込む。
「肉球じゃねえのか。半端な変身」
「物掴むのに不便じゃん」
「イレギュラーの突然変異?随分と都合いいアブノーマルの極みだな」
そりゃそうだ、俺だって同じこと言われたらオツムがイカレてんじゃねえか訝しむ。
次の瞬間、死角から放たれた手を紙一重で躱す。見事に空振りしたスワローが舌打ち。
「惜しい」
「いきなり何だ」
「本物か調べる」
「断る。ぜってえおもちゃにすんだろ」
「しねえよ」
「嘘吐け」
「抵抗すんなら力ずくでいく」
即座に俺の手を束ねて吊るし、ダークブラウンの猫耳を突っ付き回す。
「やめろ、くふっ」
「引っこ抜いたら視神経ごとブチンて切れて失明すっかな」
「ピアス穴じゃねえんだぞ」
「先っぽだけだから」
「それ以上やったらしっぽでパンチすんぞ」
「上等、ケツキックされたくなきゃ全力で逃げろ」
スワローの蹴りをかいくぐり鉤字に曲げたしっぽで鋭いジャブとフックを繰り出す。アッパーカットは残念ながら届かねえ。
傍迷惑な馬鹿騒ぎに叩き起こされたピジョンがしゃっくりし、フラチなイタズラ中の弟を仰ぐ。
「おかえりスワロー。どこ行ってたんだ、遅いから心配したぞ。女の子は?ちゃんと送ってったろうな、ヤることヤったら即放り出すなんて言語道断、きちんとエスコートしなきゃ母さんが哀しむぞ」
上下左右に飛び跳ねるしっぽを爪先で追いかけ、床に伸びた兄貴に冷たく訊く。
「何でコイツがいんの?」
「廊下でばったり会ってお茶でもどうだいって誘ったんだ。暇してたし」
「間男咥えこんだのかビッチ」
「お茶だけ」
「酒臭えぞ」
「マタタビ酒って知ってる?オリーブみたいな木の実を酒に漬けたヤツ、結構イケた。猫の大好物なんだって、これを飲んだら世界中の猫がごろにゃんご機嫌で踊りだすって店員が言ってた。欲しい?飲みたい?残念空っぽでした、全部飲んじゃったから残り香しか残ってないよ、も少し早く帰ってくれば分けてやったのに。指咥えてうらやましがってなよ、いでっ!」
スワローがいらだち任せにピジョンを蹴倒し、所在なげに立ち尽くす俺へと向き直る。
「オスでも泥棒猫っていうんだっけ」
「あぶっ!」
さらに蹴飛ばされた勢い余ってソファーに衝突、ピジョンが目を回す。猫が近付いてその顔をなめる。
実の兄貴にも容赦ねえコイツ。いや、実の兄貴だからこそか?巻き込まれるのは面倒くせえと判断、そそくさ玄関へ急ぐ。
「邪魔したな。帰る」
後ろ襟を掴んで引き戻された。
「説明しろ」
「何を?」
「耳としっぽが生えた経緯」
仕方ねえ。
俺の説明を偉そうに踏ん反り返って聞く間、スワローは足裏でピジョンを転がしていた。
「で、怪しげな店の怪しげな店主に押し付けられた怪しげな酒をかっくらったら猫耳しっぽが生えたと」
「絶対大丈夫だってお墨付きもらったんだよ、疲労回復に効果てきめんって念押しされたし」
「前科持ちを信じんな」
「返す言葉もねえ」
「けどまあ、せっかくおもしれーもん付けてんだし」
「ッ!?」
スワローが猫耳の片方をむんずと掴む。
「感触リアル。ふさふさ」
「ばかやめろ、いてーよちぎれる!」
「どれ、こっちは」
「ふにゃ゛!?」
お次はしっぽ。
スワローが嗜虐的な笑顔で指摘する。
「感じんだ?」
嫌な予感。
「力一杯引っ張ったら痛てえに決まってんだろ……」
大胆に間合いに踏み込み、根元から先端にかけ、窄めるように猫耳をいじる。
「これも?」
「……っ」
ぞくぞくする。
どうかすると人間の耳より敏感になってるっぽいのは、ピジョンにいじくり倒されたせいだ。
スワローは調子に乗りくさり、俺の髪色とおそろいの猫耳を指でこちょこちょしだす。
「初っ端引いたけど、こーして見ると意外にアリかも。マニア受けしそ」
「他人事だと思って」
気分を害し手を払いかけ、逆に手首を締め上げられた。哀しいかな、俺は貧弱だ。腕力握力じゃかなわねえ。
「ジョージをいじめるな、ひくっ」
ピジョンがスワローの脚にしがみ付いて抗議する。もっと言ってやれ。
「ちょうどいい、俺様がいねー間においたした二匹にお仕置きだ」
畜生、裏目にでた。
「うわっ!」
「どわっ!」
スワローがスタジャンを脱ぎ捨て、片手でピジョンの、片手で俺の胸ぐら掴んでソファーに放り出す。
嫌な予感が最大級に膨らむ。スワローがピジョンの前髪をかきあげ、額を突き合わせて呟く。
「なあピジョン、アレ何に見える?」
スワローがまっすぐ俺を指さす。ピジョンはぼんやり思案に暮れ、にへらと笑み崩れた。
「ジャンピング・ジョージ」
は?
「そうとも、お前が悪ガキどもから助けた汚ねー毛玉」
心外そうに唇を曲げる。
「汚くなんかない。抱っこするとふさふさしてあったかいんだ」
「バカ猫にノミ伝染されてじったんばったんしてたろ」
「ジョージを馬鹿にすると許さないぞ」
「俺にまで伝染しやがって」
「お裾分けだよ」
「いらねーよ」
「嫌ならベッドから出てけ」
「なんで猫に寝床譲らなきゃいけねーんだよ」
「脱線してね?」
兄弟喧嘩の気配を感じ取って突っ込めば、スワローが咳払いで軌道修正を図る。
「アレはジョージだ」
ピジョンが混乱する。
「なんでジョージが?天国に行ったはずじゃ」
「ゾンビんなって戻ってきた」
おいおい。
「会いたかった。ジョージ」
それでいいのか?
首ったまにかじり付いて頬ずり、体重かけて押し倒す。
ピンクゴールドの猫っ毛が頬をくすぐり、硝煙とアルコールがまざった体臭に包まれる。視界の端でスワローがジーンズを脱ぐ。
必死に手を突っ張り、ふざけたことぬかすピジョンを押し返す。
「思い出話にでてたジョージは黒猫だろ?毛色がちげえぞ、ごっちゃにすんな」
「染めた?」
「デジャビュか」
「色気付いてイメチェンしたんだろ、去勢しねーと発情期くるって母さんが言ってたじゃん」
スワローが適当にとりなす。ピジョンが大真面目に頷く。
「そっか、お嫁さんさがしてるんだね」
パンツ一丁になったスワローが俺の口を塞ぎ、胴に跨り脅す。
「事が終わるまでジャンピング・ジョージになりきれ」
「無茶苦茶だ」
「ピジョンはてめえを死んだ飼い猫だと思いこんでやがる。わかったら死ぬ気で芝居を打て、地獄の底からアンチョビ缶目当てに甦ったゾンビ猫、ジャンピング・ジョージのふりしろ」
「そこはせめてご主人様会いたさに甦った設定にしろよ。てかモノホンいんのになんで」
「さあ?ヘタレビビリな性格が似てんじゃね」
愕然とする俺のシャツを捲り、火照った手がもぐりこむ。
「じっとして。ノミとったげる」
「ノミなんていねーよ」
「遠慮しないで。これ好きだったろ」
ピジョンが日だまりみたいに微笑んで襟足をこすり、貧相に骨が浮いた背中を掻いてくる。
「俺、ノミ取り名人なんだよ。ピジョンは犬や猫のノミをとるのが世界一上手ねって母さんに褒められた」
「もっと他に褒めるとこあるだろ」
湿った吐息が後ろ髪をばらす。薄い胸板に手が回り、痩せた脇腹をひっきりなしに行き来する。
「あっ、あっ」
「ここかな」
前屈みにもぞ付く俺をなでさすり、膝で挟んで押さえ込み、首筋を吸い立てる。
「それともここ?」
「ぁッ、ぅく」
「暴れないで。大人しくして」
落ち着いた声で言い聞かせ、尾てい骨に沿ってツッと指を滑らす。
「ひっ……」
しっぽの付け根に触れられた途端、電撃のような快感が脊椎から脳天に駆け抜けた。
「知ってっか劉。猫はしっぽの付け根が性感帯なんだとさ」
スワローが舌なめずり。
咄嗟に蹴りどかそうとするも、ブラシの如く毛羽立ったしっぽを繰り返しなでられ力が抜けてく。後ろにはピジョン、前にはスワロー。挟み撃ちされ逃げ場がねえ。
ピジョンが俺のうなじを嗅いでうっとりする。
「ゾンビなのに臭くない。マタタビ酒の匂いがする」
「なめんな、ッふ」
思いのほか上手い。誰に仕込まれた。後ろで唾液を捏ねる音が立ち、うなじを舌が這い回る。
「サンドイッチか。冗談キツイぜ」
「てめえこそ、俺ぬきで兄貴と楽しくやるのはなしだぜ」
「いじけてんの?」
「心配無用。自分からまざりにいくタイプなんでね」
下着をずらされペニスが露出する。
萎縮しきったペニスを素手でしごき、自分のと合わせて捏ね回すスワロー。後ろじゃピジョンが息を荒げていた。
「しっぽが変なとこ、当た、る、ぁッ」
「お前が揉みくちゃにすっからだろーが!」
毛皮に覆われたしっぽがびくんびくん張り詰め、ピジョンの股間を掃く。スワローが指示を飛ばす。
「付け根をやらし~くなでてやれ」
「わかった」
「ちょ、スワロー、ぁあっ」
ピジョンの竿がいきりたっていくのが尻にあたる感触でわかる。本能の昂りに応じてしっぽがおっ立ち、じゃれるみてえにピジョンのへそやペニスをくすぐる。
正面のスワローが意地悪く笑んで、先っぽが折れた猫耳をなぞっていく。
「ピクピクしてる。気持ちいいのか」
「ッ……」
「猫のペニスは棘生えてんだってな。お前のは……普通かよ、がっかりだ。サイズも並じゃん」
「不満ならどけ」
俺のペニスと自分のペニスを一緒くたに握り、擦り立て、十分に濡れてきた頃合いを見計らい両膝をこじ開けられた。
「!~~~~~~~~~~~ッぁ、」
カウパーがしとどに滴り、潤った会陰をペニスが滑走する。頭に生えた耳を伏せ、しっぽを逆立て、熱く固い剛直が会陰を刺激する快感をやりすごす。
「ジョージのしっぽべとべと」
ピジョンが面白そうに囁く。耳裏にあたる吐息がこそばゆい刺激に取って代わり、喘ぎ声がくぐもる。
「んっ、ふっ、むぐ」
「気持ちいい?耳がしおたれてきた」
悪ふざけにしちゃ行き過ぎ。留守中家に上がり込んで兄貴と茶を飲んだ、だけでガチギレするか普通?
俺の腹に手を回してまさぐったピジョンが、なめらかな肌に困惑する。
「禿げた?」
「毛はもとから薄、くふっ」
「お前が出会い頭に蹴っぽったり踏ん付けるからだぞ、反省しろ」
「通り道塞ぐのが悪ィ」
「自由気ままな生き物なんだよ」
「ストレス性脱毛症じゃねえっての人の話聞けぐふっ!」
鳩尾に拳がめりこむ。
「猫の話はスルーで」
「スワローにいじめられて色が抜けちゃったのか……可哀想に」
「なんでも俺のせいにすんな」
「正直に言え、漂白剤ぶっかけたろ」
「黒猫漂白したら白猫だろ、茶猫にゃなんねーよ」
「それもそっか」
ピジョンはピジョンで酔っ払い、俺を後ろから抱きかかえ、しっぽを好き放題こねくり回す。
時折ぐりっと付け根を押され、切ない射精欲が高まっていく。
スワローはピジョンのしっぽいじりに合わせてピッチを上げ、カウパーの濁流ぬる付く会陰を擦り立てる。
「スワローやめ、ゴリゴリされっとッおかしくなるっ」
「猫ならにゃんにゃん言ってな。人間さまの言葉喋んじゃねえよ、興ざめ」
「ピジョンさわんな、後ろよせっ、しっぽは弱、ぁうっ」
「こーゆートコにノミの親玉が隠れてるんだ」
「ふにゃぁあ」
盛りのメス猫みてえに甲高く鳴く。腰と声が上擦る痴態を眺め、親指で栓した鈴口を捏ねながらスワローが茶化す。
「しっぽ掻かれんの気持ちいい?」
「る、せ、ぁうっ」
「交代したらスパンキングな。痛くされんの好きだろ」
「願い下げ、だ」
「そうだぞスワローお尻ぺんぺんなんてしたら可哀想じゃないか、ネコはちゃんと可愛がれ」
「Cat Has Nine Lives、九ツ命持ってんならちょっと位雑に扱ってもオーケーだろ。泥棒猫は躾け直さなきゃ」
「どおどお我慢して、あとで戸棚のアンチョビ缶開けてやるからね」
後ろから過保護にハグされしっぽを愛撫される快感、会陰とペニスをしごかれる快感が同時に押し寄せ絶頂が近付く。
「あッ、あぁ」
赤黒く剥けた陰茎がそそりたち、ねばっこい雫が散る。
「大丈夫、怖くない。ギュッてしたげる」
寝癖でボサボサの後ろ髪を吐息で吹き分け、でっかいガキにでもするみてえに頭をかき抱く。
「よかったな劉、イくまでお守りしてくれるとさ」
対するスワローは残酷な手と腰遣いを止めず、汗と涎をたらしてよがる俺の肩や頭越しに、ピジョンの唇や首筋を夢中で啄む。ピジョンも積極的な求めに応じ、無意識に啄み返す。
「独り占めはずりい。味見させろ」
「は、ん、スワロー」
スワローが右に左に性急に顔を傾げて唇を吸い、ピジョンも負けじと首筋を甘噛み。舌と舌が複雑に絡み、潤んだ粘膜が音をたてる。
唾液で割ったマタタビ酒を口移しで飲み干し、俺を挟んで性懲りなくいちゃ付く兄貴と弟にむかっ腹を立て、タンクトップから突き出た上腕に噛み付く。
「痛ッて、」
「ざまーみろ」
キレたスワローが俺の喉を掴んで命じる。
「構ってほしいのか。なら媚びな」
「やきもち?可愛いね」
似てない兄弟だと思ってたが、前と後ろ両方から俺を責めるバーズはよく似ていた。
兄と弟にそろって犯される背徳感が倒錯的な快感を呼び起こし、甘ったるく腰が疼く。しっぽと猫耳が徐々に張り詰めていき、噛まれる都度ビク付く。
「にゃ、にゃううっ」
「しっぽが固くなってきた」
ピジョンが頼んでもねえのにいちいち報告する。
「前のしっぽも限界近ェぞ」
陰茎と睾丸をまとめて揉まれ変な声が漏れる。心まで猫になっちまったのか?ピジョンが股間の膨らみを擦り付けるのと同期し、生の剛直が会陰にねじこまれた。
「~~~~~~~~~~~~~~~ッぁああ」
快感の荒波を耐えしのぐ。
「素股でイッちまった」
「たくさんでたね」
ピジョンが満足げに呟き、内腿にはねた白濁をすくいとる。射精の余韻と恥辱で赤面し、唇を噛んで俯く。
「腐ってもヴァージンだかんな。突っ込むのは勘弁してやったぜ、感謝しな」
スワローが恩着せがましく豪語して離れていき、俺の背中にもたれたまんまピジョンが寝息を立て始める。一気に脱力した。
「この状況で寝るかフツー?」
「神経図太いんだ」
スワローがあきれ顔で酔い潰れたピジョンをひっぺがす。
下着とジーンズを身に付け、足元に纏わり付く猫を追い払い、玄関へ歩いていく。
「初3Pのご感想は?」
まんざらでもなさげにピジョンを抱き上げたスワローに中指立てる。
「素股は3Pに勘定しねえよ」
皮肉っぽく片頬笑むスワローの腕の中でピジョンが身動ぎし、名前を呼ぶ。
「ジョージ……」
スワローと無言で顔を見合わせ、観念して歩み寄り、ピジョンが泳がせた手の下に頭を突っ込む。
ピジョンが夢の中で微笑んだ。
「ノミ、たくさんとれた」
幸せそうな寝顔に怒る気も失せ、大人しくバーズの巣を後にする。猫は図々しく付いてきた。引き続き居眠り中の婆さんの頭にずぼりとニット帽をはめ、部屋に帰り着いてすぐドアを施錠する。
「ひでえ目にあった……」
明日には耳としっぽがとれてるように祈る。マジで。
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