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第1章 私立煌華学園 入学 編
第11話 友人と公開
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――煌華学園 学生寮――
「あーー、つかれた!」
今日は疲れた。風呂から上がった俺はベッドにダイブした。
思えば、午前中はいきなり今後の方針の変更を一方的に告げられて、全く話したことないクラスメートとチームを組んだんだよな。
でもそんなことより―――
「あいつら意外とつえーよ!」
はっきり言ってここの生徒のレベルを甘く見ていた。俺ぐらいのレベルなら優勝なんて目と鼻の先にあるも同然だ、とでも言わんばかりの心持ちでいたのが間違いだった。
能力はその人の食で得たエネルギを消耗していくのだが、予想外にも今日の俺はかなりのエネルギーを消耗した。それぐらいあの3人――アラムとリンシン、そしてユリは強かったのだ。
カツ丼1杯程度で、消耗したエネルギーが何とかなればいいのだが。
……ま、それはさておき―――
「今日の復習をしようかな。あいつらの特訓をしなくちゃいけないんだし。」
まず最初にアラムだ。まさかロシア帝国時代の特権的武装集団に関係する家系だったなんて。
彼の剣さばきは侮れないことはよく分かった。加えて《超越者》としての強さもある。今後要注意するべきだな。
次にリンシン。彼女は武器の扱いに長けている。俺の氷の監獄をあんなに簡単に砕くなんて……。
ただ、彼女は武器に頼りすぎている側面もあるな。本当の意味で武器の長所を活かしきれていない。もし活かせたら、俺は終始防御に徹することになりそうだ。
そして最後にユリだ。
正直言ってあの中で1番能力制御の才能があるだろう。炎を意のままに操り、お互いに連携をとらせる。並の《超越者》では出来ない芸当だ。彼女に教えられることといえば、能力を使わずに1対1で戦う方法ぐらいだ。
「これから大変だな。」
その時だった。部屋のチャイムと同時にドアがノックされた。アラムだろうか。もしそうなら、あいつとは色々と話してみたいな。
「はいはーい。」
そう言ってドアを開けると―――
「うう、リョーヤ……」
「え、ユリ?」
「また来たんだよー、メールが。」
俺はとりあえずユリを中に入れると事情を聞いた。どうやら食堂を出たぐらいの時間に、例の謎に包まれたメールがまた届いたらしい。
送られてきたメールの内容を見てみると、昨日と全く同じ文面だった。
『今夜あなたの元に行きます。待ってて下さい。』
「本当に心当たりないんだな?」
「無いってば!」
ユリは全力で否定してきた。これはもう先生に報告した方が良いだろう。
そう思ってると、またチャイムが押された。この部屋は人が集まるような魔法でもかかってるのか?
「はいはい。今開けます。」
ドアを開けると、そこにはショートカットでスレンダーな、見知らぬ女子生徒がジャージ姿で立っていた。
「えっと……どちらで?」
「ここに城崎百合さんはいますか?」
「っ!?」
なぜ知っている!? まさかこいつが―――
「お前があのメールの送信者か!?」
「そうですよ? 1年技術A組の霧峰 京です。」
「え!? きょーちゃん!?」
ユリが部屋の奥から出てきた。どういうことだ? 知り合いなのか?
「お! ゆりっちー!」
霧峰京は俺の横をすり抜けると部屋の奥にいたユリと抱き合った。どうやら本当に友達らしい。
「久し振り! 小学校以来だよね?」
「うん! 大きくなったね!
でもどうしてこの部屋に私がいるって分かったの?」
「入学式の日、グラウンドでそこの人が決闘試合をしてたじゃん? その時にゆりっちを見かけたんだけど、終わったらすぐにいなくなっちゃったから見失っちゃって。
部屋に行くよってメールしたのに部屋にはいないし。
だからあたしの《因果干渉系》の能力を使って、今夜ゆりっちの行く可能性の最も高い場所を計算したら、それがここってなったわけ!」
「えっと……ちょっと待ってくれ?」
俺は頭の中で状況を整理した。もう何が何だか……。
「要はあの不穏なメールの送り主は霧峰さんで、2人は実は古い友人だったと?」
「不穏なメールっていうのはさておいて。そうよ。
ゆりっちとあたしは小さい頃からの友達なの!」
俺はユリの方をみた。結局知り合いだったじゃないか。ユリはそっぽを向いて知らんふりをしている。
「なら良かった。ユリを部屋に帰してやってくれるかな?
どうも同じ部屋に女子がいると思うと寝れなくてさ。」
「え? あたしもここで寝るよ?」
「……はい?」
「だから、ここであたしも寝るよ? 帰るのめんどくさいし。」
「……はい、分かりました。」
俺は渋々了解した。もうどうとでもなれ。
寝る直前――結局俺はまたイスで寝る羽目になった――、アキにこのことをメールで教えると
『リア充死すべし。』
なんて返ってきた。俺だって望んでこうなったわけでは無いのに……。
その晩はよく寝付けなかった……。
――煌華学園 武術科棟――
翌日。
昨晩のことがあったとはいえ、さすがに3日目ともなると余裕を持って教室に入れた。が、それはそれで朝から疲れる原因となった。
「ねぇ坂宮くん! 私に剣術を教えて!」
「おい坂宮、どうやったら能力をそんなに自由に使えるようになるんだ?」
「坂宮くん、結婚して!!」
今の3人目は誰だ!? 俺さらっとプロポーズされたよな!?
てかそろそろ3人目おかしいシリーズやめないか!?
「えっと、順番に頼むよ……?」
俺は何とかクラスメートを落ち着かせて、個々にアドバイスをしていった。
「リョーヤ、大変ね。」
「……人気者。」
「僕には誰も寄らないのに、なぜキミだけみんなが寄ってくるんだい!?」
なんかもう、どうとでも言ってください。俺はこのままだと精神的に疲労して過労死しそうだ。
やがてチャイムが鳴り、船付先生が入って来た。
「おはようございます。
今日は午前の訓練の前に、皆さんにおしらせがあります。」
先生はそう言うと黒板に画像を映した。あれって電子黒板だったのか。使っているのを見たことがなかったから知らなかった……。
「《煌帝剣戟》の煌華学園予選の開始日が決定しました。」
黒板に日付が映される。開幕は5月下旬だ。能力や剣術の調整をするには十分な時間があるな。
「皆さんの健闘を祈ってます。それでは今日はグラウンドに集合してください。」
俺はアラム、リンシン、そしてユリを見た。
「? どうしたのリョーヤ?」
「みんな……頑張ろうぜ!!」
こうして俺の――俺たちの波乱の煌華学園生活が始まった。
「あーー、つかれた!」
今日は疲れた。風呂から上がった俺はベッドにダイブした。
思えば、午前中はいきなり今後の方針の変更を一方的に告げられて、全く話したことないクラスメートとチームを組んだんだよな。
でもそんなことより―――
「あいつら意外とつえーよ!」
はっきり言ってここの生徒のレベルを甘く見ていた。俺ぐらいのレベルなら優勝なんて目と鼻の先にあるも同然だ、とでも言わんばかりの心持ちでいたのが間違いだった。
能力はその人の食で得たエネルギを消耗していくのだが、予想外にも今日の俺はかなりのエネルギーを消耗した。それぐらいあの3人――アラムとリンシン、そしてユリは強かったのだ。
カツ丼1杯程度で、消耗したエネルギーが何とかなればいいのだが。
……ま、それはさておき―――
「今日の復習をしようかな。あいつらの特訓をしなくちゃいけないんだし。」
まず最初にアラムだ。まさかロシア帝国時代の特権的武装集団に関係する家系だったなんて。
彼の剣さばきは侮れないことはよく分かった。加えて《超越者》としての強さもある。今後要注意するべきだな。
次にリンシン。彼女は武器の扱いに長けている。俺の氷の監獄をあんなに簡単に砕くなんて……。
ただ、彼女は武器に頼りすぎている側面もあるな。本当の意味で武器の長所を活かしきれていない。もし活かせたら、俺は終始防御に徹することになりそうだ。
そして最後にユリだ。
正直言ってあの中で1番能力制御の才能があるだろう。炎を意のままに操り、お互いに連携をとらせる。並の《超越者》では出来ない芸当だ。彼女に教えられることといえば、能力を使わずに1対1で戦う方法ぐらいだ。
「これから大変だな。」
その時だった。部屋のチャイムと同時にドアがノックされた。アラムだろうか。もしそうなら、あいつとは色々と話してみたいな。
「はいはーい。」
そう言ってドアを開けると―――
「うう、リョーヤ……」
「え、ユリ?」
「また来たんだよー、メールが。」
俺はとりあえずユリを中に入れると事情を聞いた。どうやら食堂を出たぐらいの時間に、例の謎に包まれたメールがまた届いたらしい。
送られてきたメールの内容を見てみると、昨日と全く同じ文面だった。
『今夜あなたの元に行きます。待ってて下さい。』
「本当に心当たりないんだな?」
「無いってば!」
ユリは全力で否定してきた。これはもう先生に報告した方が良いだろう。
そう思ってると、またチャイムが押された。この部屋は人が集まるような魔法でもかかってるのか?
「はいはい。今開けます。」
ドアを開けると、そこにはショートカットでスレンダーな、見知らぬ女子生徒がジャージ姿で立っていた。
「えっと……どちらで?」
「ここに城崎百合さんはいますか?」
「っ!?」
なぜ知っている!? まさかこいつが―――
「お前があのメールの送信者か!?」
「そうですよ? 1年技術A組の霧峰 京です。」
「え!? きょーちゃん!?」
ユリが部屋の奥から出てきた。どういうことだ? 知り合いなのか?
「お! ゆりっちー!」
霧峰京は俺の横をすり抜けると部屋の奥にいたユリと抱き合った。どうやら本当に友達らしい。
「久し振り! 小学校以来だよね?」
「うん! 大きくなったね!
でもどうしてこの部屋に私がいるって分かったの?」
「入学式の日、グラウンドでそこの人が決闘試合をしてたじゃん? その時にゆりっちを見かけたんだけど、終わったらすぐにいなくなっちゃったから見失っちゃって。
部屋に行くよってメールしたのに部屋にはいないし。
だからあたしの《因果干渉系》の能力を使って、今夜ゆりっちの行く可能性の最も高い場所を計算したら、それがここってなったわけ!」
「えっと……ちょっと待ってくれ?」
俺は頭の中で状況を整理した。もう何が何だか……。
「要はあの不穏なメールの送り主は霧峰さんで、2人は実は古い友人だったと?」
「不穏なメールっていうのはさておいて。そうよ。
ゆりっちとあたしは小さい頃からの友達なの!」
俺はユリの方をみた。結局知り合いだったじゃないか。ユリはそっぽを向いて知らんふりをしている。
「なら良かった。ユリを部屋に帰してやってくれるかな?
どうも同じ部屋に女子がいると思うと寝れなくてさ。」
「え? あたしもここで寝るよ?」
「……はい?」
「だから、ここであたしも寝るよ? 帰るのめんどくさいし。」
「……はい、分かりました。」
俺は渋々了解した。もうどうとでもなれ。
寝る直前――結局俺はまたイスで寝る羽目になった――、アキにこのことをメールで教えると
『リア充死すべし。』
なんて返ってきた。俺だって望んでこうなったわけでは無いのに……。
その晩はよく寝付けなかった……。
――煌華学園 武術科棟――
翌日。
昨晩のことがあったとはいえ、さすがに3日目ともなると余裕を持って教室に入れた。が、それはそれで朝から疲れる原因となった。
「ねぇ坂宮くん! 私に剣術を教えて!」
「おい坂宮、どうやったら能力をそんなに自由に使えるようになるんだ?」
「坂宮くん、結婚して!!」
今の3人目は誰だ!? 俺さらっとプロポーズされたよな!?
てかそろそろ3人目おかしいシリーズやめないか!?
「えっと、順番に頼むよ……?」
俺は何とかクラスメートを落ち着かせて、個々にアドバイスをしていった。
「リョーヤ、大変ね。」
「……人気者。」
「僕には誰も寄らないのに、なぜキミだけみんなが寄ってくるんだい!?」
なんかもう、どうとでも言ってください。俺はこのままだと精神的に疲労して過労死しそうだ。
やがてチャイムが鳴り、船付先生が入って来た。
「おはようございます。
今日は午前の訓練の前に、皆さんにおしらせがあります。」
先生はそう言うと黒板に画像を映した。あれって電子黒板だったのか。使っているのを見たことがなかったから知らなかった……。
「《煌帝剣戟》の煌華学園予選の開始日が決定しました。」
黒板に日付が映される。開幕は5月下旬だ。能力や剣術の調整をするには十分な時間があるな。
「皆さんの健闘を祈ってます。それでは今日はグラウンドに集合してください。」
俺はアラム、リンシン、そしてユリを見た。
「? どうしたのリョーヤ?」
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