ソーセージで世界を救う!?

製作する黒猫

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竜はソーセージにするだけではない

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 竜に吹き飛ばされた俺は、四つん這いになって地面と向き合った。



 びっくりした。声でかいな、竜!あれだけ身体が大きければ、そういもんなのかもしれない。驚いていた俺は、ポメラが俺を呼ぶ声に応えてやれなかった。そのせいで、ポメラは悲痛な叫びをあげて、やっと俺はそれに応えた。



「は、ハムぅうう!!」

「ポメラ、俺は大丈夫だ!」

「嘘でしょ!もうあんたは休んでいて!私があの竜をやるわ!」

「さがれっ!お前が怪我をしたらどうするんだ!」

 俺は、金がない。慰謝料とか払えないぞ・・・



「ハム、そんなに私のことを・・・」

 ポメラが何かつぶやいたが、俺は目の前の竜に全神経を持っていく。首から血を流して、怒り狂った目を俺に向ける竜。ポメラに攻撃がいくことはなさそうだ。ひとまず安心だな。

 最初に斬った首の傷は致命傷のようだ。血が大量に出ている。これなら、ほっといても死ぬだろうが、その前に俺やポメラが殺されては元も子もない。竜と心中する気はない。



「来いよ、逃げ切ってやるぜっ!」

 その挑発に乗ったかのように、竜が突進してきて、俺は風圧で吹き飛んだ。





 そんなことが何度か続き、ついに竜は倒れた。あれから一度も竜に傷をつけられなかったので、最初の攻撃でできた首の傷口が原因の出血死だろう。



「はぁはぁはぁ。やっと終わったか。」

「あんた、よく無事だったわね。もしかして、人間じゃないの?」

「馬鹿を言うな。俺がソーセージに見えるのか?もしそうなら眼科か頭の医者にかかった方がいいぞ。」

「なんでそこでソ―セージなのよ。でも、あれだけ竜に攻撃されて、ホントよく無事だったわね。」

「それはこれのおかげだ。」

 俺は自分の胸当てを指さした。



「これは、古代竜の皮で作ったらしい胸当てだからな。あんな若い竜の攻撃なんて通さない。」

 竜は、長生きすればするほどその鱗や皮の防御力が上がるらしい。古代竜ともなると、千年は生きていると言われているので、その防御力は計り知れない。



「嘘でしょ・・・?」

「嘘ではないようだ。俺も半信半疑だったが・・・ここまで竜の攻撃を防げたのなら、本当だろ。」

「仮に本当だとしても、胸当てだけでしょ?なんで他の部分も無事なのよ。」

「それは、竜装備の特徴だな。装着するだけで、全身にその防御力が備わるらしい。ただし、胸当てと鎧なら鎧の方がもちろん防御は高いし、装備品が覆っている面積が狭いほど防御力は低くなるそうだ。」

「・・・そうなのね。普通だったら信じられないけど、今のを見た後じゃね・・・その装備がすごいことは分かったわ。でも、なんであんたがそんなものを?国からの支給品?」

「いや、これは家宝だ。とはいっても、埃に埋もれていて、今まで使っていなかったようだがな。先祖代々、俺の家はソーセージ以外は無頓着のようでな。

「家宝についても聞きたいけど・・・まずは、あんたの血に恐ろしさを感じるから、あんたたちがソーセージに執着する理由を聞きたいわ。」

「・・・それは、きっと血と環境だな。俺にもよくわからん。」

「こわっ・・・」

 俺は、短剣を手に取って、竜の方へ向かった。



「ま、話はあとにして、今からこれを解体する。」

「竜の解体なんてできるの?」

「俺の家では、竜の解体は必須科目だ。」

「家のマナーと一緒ね・・・ははっ。もういいわ。私は近くの町に行って、応援を頼んでくるわね。肉以外は売るんでしょう?」

「・・・そうだな。お前用の装備素材以外は売るか。俺には必要ないし。」

「私用?」

「俺は古代竜の装備があるが、お前の装備は竜系統はないだろ?装備では竜系統が最高と言われているから、お前もここで装備を新調した方がいい。」

「・・・それもそうね。じゃ、私は町に行ってくるわ。」

「頼んだぞ。」



(実は、私の装備も竜系統なんだけど、どうせならハムが用意してくれた物を着たいから、黙っておこう。それにしても、竜系統の装備って特別なのね。興味なかったから、お父様の説明を聞いてなかったわ。)



 ポメラが応援を連れてくるころには、3分の一の解体が終わっていて、残りの解体をするから素材を融通してほしいという人に後を頼んで、近くの町へと向かった。そこでは、竜を倒したといううわさが広がっており、好奇の視線にさらされたが、俺たちは気にせず宿を見つけてそのまま泊まることにした。



「今日は部屋が2つとれてよかったな。」

「別に?今日の宿は馬小屋があるし、私はどっちでも良かったわ。」

「おい。」

「ふふっ。冗談よ。それより、ここに数日滞在しなきゃならないわね。竜の換金と私の装備ができるのを待たないとならないもの。」

「そうだな。まさかこんなところで足止めされるとはな。いや、どっちにしろソーセージは作りたかったし、ちょうどいいか。」

「あぁ、そういえばそれもあったわね。」

「というか、それがメインだからな?」

「はいはい。それで、どこで作るの?まさか宿の部屋の中ではやらないでしょ?」

「ここにもソーセージ屋があるらしいから、そこを借りることにする。魔法でやってもいいが、やはり手作りが一番だからな。」

「待って。魔法で作るって、どういうこと?まさか・・・」

「家の秘伝だ。ソーセージ屋だからな。」

「・・・もう、いいわ。とりあえず、明日はそれぞれ自由行動にしましょうか。」

「それでいいぞ。あーでも・・・お前、明日何をするつもりなんだ?」

「特に考えてないけど、面白いものがないか店を回るつもり。あとは、竜の装備を頼むくらいかしら。」

「うーん。なら、明日はポメラの用事に付き合おう。あ、ただソーセージ屋には寄らせてもらうぞ。」

「いいの?」

「まぁ、心配だからな。ここは俺たちの町とは違うし、お嬢様が人攫いに合うってのはよく聞くからな。」

「・・・ま、いいわ。ありがとう。ちょっと子ども扱いされている気はするけど、心配してくれるのは嬉しいし。」



 こうして、俺たちはこの町にとどまることになった。

 旅に出て2日。まだまだ、道のりは長いが、それでも必要な滞在だと割り切った。



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