あまりものの神子《完結》

トキ

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エピローグ4

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 夕食を終えて、ボーモンさんにシュークリーム出してもらうよう依頼した。オーバン様は目を輝かせて「やっとクウのシュークリームが食べられます!」と嬉しそうに語る。なんだか不安になってきた。僕みたいな素人が作ったシュークリームを、オーバン様に食べさせていいのかな? プロのパティシエに作ってもらった方がいいような気が……

「お待たせしました。オーバン様。シュークリームをお持ちしました」
「ありがとう。ボーモン。これをクウが作ったんですね」
「えっと、はい。素人なので、不格好ですけど」
「そんなことはありません。とても上手にできていますよ。クウ様」
「そう、ですか?」

 オーバン様。そんな風にシュークリームをじろじろ見ないでください。ぅう。恥ずかしい。なんで舐めるように見ているの? ちょっと怖いです。

「少々お待ちください。紅茶を用意しますので」
「え? あ、ありがとうございます。ボーモンさん」
「いえいえ。クウ様が作ったシュークリームに合う紅茶を探すのも楽しかったですよ」

 な、なんか、すごく高級そうな缶を持っているんだけど。え? 若しかして、最高級の茶葉? オーバン様はフォンテーヌ公爵家の当主様だし、高級茶葉が沢山あっても可笑しくはない、よね? って、そうじゃなくて!

「ぼ、僕が作ったシュークリームに最高級の茶葉を使うんですか!?」
「流石はクウ様。よく分かりましたね。この茶葉はこの業界では幻の茶葉と言われている一品にございます。貴族の間でも入手困難で、入手するのに苦労したのを覚えています」
「ぇえ!? そ、そんな希少な茶葉を僕のシュークリームに合わせて出していいんですか!?」
「クウ様の手作りだからこそ、この茶葉が合うのですよ」
「…………」

 む、無駄遣い、じゃないのかな? ボーモンさんの価値観が、よく分からない。オーバン様はまだシュークリームを色んな角度から眺めているし、ボーモンさんは希少な茶葉を惜しげもなくドバドバ使っているし。ぼ、僕の価値観が可笑しいの? 分からないよ。誰か、誰か正解を教えてください。

「ぅう。美味しい。とても、とても美味しいです! クウ! 私の為に、こんなにも美味しいシュークリームを作ってくれるなんて、私は幸せ者です!」
「えっと、ありがとう、ございます?」

 涙を流すほどのことでもないような気が……でも、喜んでくれたから大成功、でいいんだよね? 僕もシュークリームを食べたけど、可もなく不可もなくって感じ。あ、シュークリームだって思うくらい。僕とオーバン様じゃ味覚も違うのかもしれない。僕が作ったものならなんでも美味しいって言いそうで怖い。ボーモンさんがそうなんだよね。味見を頼んでも何時も「美味しい」としか言ってくれないから参考にならない。
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