57 / 76
エピローグ4
しおりを挟む
夕食を終えて、ボーモンさんにシュークリーム出してもらうよう依頼した。オーバン様は目を輝かせて「やっとクウのシュークリームが食べられます!」と嬉しそうに語る。なんだか不安になってきた。僕みたいな素人が作ったシュークリームを、オーバン様に食べさせていいのかな? プロのパティシエに作ってもらった方がいいような気が……
「お待たせしました。オーバン様。シュークリームをお持ちしました」
「ありがとう。ボーモン。これをクウが作ったんですね」
「えっと、はい。素人なので、不格好ですけど」
「そんなことはありません。とても上手にできていますよ。クウ様」
「そう、ですか?」
オーバン様。そんな風にシュークリームをじろじろ見ないでください。ぅう。恥ずかしい。なんで舐めるように見ているの? ちょっと怖いです。
「少々お待ちください。紅茶を用意しますので」
「え? あ、ありがとうございます。ボーモンさん」
「いえいえ。クウ様が作ったシュークリームに合う紅茶を探すのも楽しかったですよ」
な、なんか、すごく高級そうな缶を持っているんだけど。え? 若しかして、最高級の茶葉? オーバン様はフォンテーヌ公爵家の当主様だし、高級茶葉が沢山あっても可笑しくはない、よね? って、そうじゃなくて!
「ぼ、僕が作ったシュークリームに最高級の茶葉を使うんですか!?」
「流石はクウ様。よく分かりましたね。この茶葉はこの業界では幻の茶葉と言われている一品にございます。貴族の間でも入手困難で、入手するのに苦労したのを覚えています」
「ぇえ!? そ、そんな希少な茶葉を僕のシュークリームに合わせて出していいんですか!?」
「クウ様の手作りだからこそ、この茶葉が合うのですよ」
「…………」
む、無駄遣い、じゃないのかな? ボーモンさんの価値観が、よく分からない。オーバン様はまだシュークリームを色んな角度から眺めているし、ボーモンさんは希少な茶葉を惜しげもなくドバドバ使っているし。ぼ、僕の価値観が可笑しいの? 分からないよ。誰か、誰か正解を教えてください。
「ぅう。美味しい。とても、とても美味しいです! クウ! 私の為に、こんなにも美味しいシュークリームを作ってくれるなんて、私は幸せ者です!」
「えっと、ありがとう、ございます?」
涙を流すほどのことでもないような気が……でも、喜んでくれたから大成功、でいいんだよね? 僕もシュークリームを食べたけど、可もなく不可もなくって感じ。あ、シュークリームだって思うくらい。僕とオーバン様じゃ味覚も違うのかもしれない。僕が作ったものならなんでも美味しいって言いそうで怖い。ボーモンさんがそうなんだよね。味見を頼んでも何時も「美味しい」としか言ってくれないから参考にならない。
「お待たせしました。オーバン様。シュークリームをお持ちしました」
「ありがとう。ボーモン。これをクウが作ったんですね」
「えっと、はい。素人なので、不格好ですけど」
「そんなことはありません。とても上手にできていますよ。クウ様」
「そう、ですか?」
オーバン様。そんな風にシュークリームをじろじろ見ないでください。ぅう。恥ずかしい。なんで舐めるように見ているの? ちょっと怖いです。
「少々お待ちください。紅茶を用意しますので」
「え? あ、ありがとうございます。ボーモンさん」
「いえいえ。クウ様が作ったシュークリームに合う紅茶を探すのも楽しかったですよ」
な、なんか、すごく高級そうな缶を持っているんだけど。え? 若しかして、最高級の茶葉? オーバン様はフォンテーヌ公爵家の当主様だし、高級茶葉が沢山あっても可笑しくはない、よね? って、そうじゃなくて!
「ぼ、僕が作ったシュークリームに最高級の茶葉を使うんですか!?」
「流石はクウ様。よく分かりましたね。この茶葉はこの業界では幻の茶葉と言われている一品にございます。貴族の間でも入手困難で、入手するのに苦労したのを覚えています」
「ぇえ!? そ、そんな希少な茶葉を僕のシュークリームに合わせて出していいんですか!?」
「クウ様の手作りだからこそ、この茶葉が合うのですよ」
「…………」
む、無駄遣い、じゃないのかな? ボーモンさんの価値観が、よく分からない。オーバン様はまだシュークリームを色んな角度から眺めているし、ボーモンさんは希少な茶葉を惜しげもなくドバドバ使っているし。ぼ、僕の価値観が可笑しいの? 分からないよ。誰か、誰か正解を教えてください。
「ぅう。美味しい。とても、とても美味しいです! クウ! 私の為に、こんなにも美味しいシュークリームを作ってくれるなんて、私は幸せ者です!」
「えっと、ありがとう、ございます?」
涙を流すほどのことでもないような気が……でも、喜んでくれたから大成功、でいいんだよね? 僕もシュークリームを食べたけど、可もなく不可もなくって感じ。あ、シュークリームだって思うくらい。僕とオーバン様じゃ味覚も違うのかもしれない。僕が作ったものならなんでも美味しいって言いそうで怖い。ボーモンさんがそうなんだよね。味見を頼んでも何時も「美味しい」としか言ってくれないから参考にならない。
784
あなたにおすすめの小説
妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。
藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。
妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、
彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。
だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、
なぜかアラン本人に興味を持ち始める。
「君は、なぜそこまで必死なんだ?」
「妹のためです!」
……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。
妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。
ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。
そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。
断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。
誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。
悪役令息の兄って需要ありますか?
焦げたせんべい
BL
今をときめく悪役による逆転劇、ザマァやらエトセトラ。
その悪役に歳の離れた兄がいても、気が強くなければ豆電球すら光らない。
これは物語の終盤にチラッと出てくる、折衷案を出す兄の話である。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
【完結】薄幸文官志望は嘘をつく
七咲陸
BL
サシャ=ジルヴァールは伯爵家の長男として産まれるが、紫の瞳のせいで両親に疎まれ、弟からも蔑まれる日々を送っていた。
忌々しい紫眼と言う両親に幼い頃からサシャに魔道具の眼鏡を強要する。認識阻害がかかったメガネをかけている間は、サシャの顔や瞳、髪色までまるで別人だった。
学園に入学しても、サシャはあらぬ噂をされてどこにも居場所がない毎日。そんな中でもサシャのことを好きだと言ってくれたクラークと言う茶色の瞳を持つ騎士学生に惹かれ、お付き合いをする事に。
しかし、クラークにキスをせがまれ恥ずかしくて逃げ出したサシャは、アーヴィン=イブリックという翠眼を持つ騎士学生にぶつかってしまい、メガネが外れてしまったーーー…
認識阻害魔道具メガネのせいで2人の騎士の間で別人を演じることになった文官学生の恋の話。
全17話
2/28 番外編を更新しました
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
【完結】王子様たちに狙われています。本気出せばいつでも美しくなれるらしいですが、どうでもいいじゃないですか。
竜鳴躍
BL
同性でも子を成せるようになった世界。ソルト=ペッパーは公爵家の3男で、王宮務めの文官だ。他の兄弟はそれなりに高級官吏になっているが、ソルトは昔からこまごまとした仕事が好きで、下級貴族に混じって働いている。机で物を書いたり、何かを作ったり、仕事や趣味に没頭するあまり、物心がついてからは身だしなみもおざなりになった。だが、本当はソルトはものすごく美しかったのだ。
自分に無頓着な美人と彼に恋する王子と騎士の話。
番外編はおまけです。
特に番外編2はある意味蛇足です。
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる