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異世界召喚2
しおりを挟む俺を召喚した美少年の名はアルフィー・オルブライト。爵位は公爵だと聞いている。プラチナブロンドの髪に氷のような薄水色の瞳。誰もが振り返る美貌の持ち主なのだが、性格があまりよろしくない。物語で例えると悪役令息。彼には婚約者が居た。この国の王太子、ジョシュア・ロバーツが彼の婚約者だった。男同士で婚約? と疑問に思うかもしれないが、アルフィーの世界では同性婚も普通にあるし愛があれば男同士でも子を産めるらしい。流石はファンタジー。もう何も突っ込むまい。さて、話を戻すが、ジョシュア王太子殿下は輝く金色の髪に青い瞳をした見た目からして王子様って感じの容姿だ。当然美形。アルフィーは彼と最初に出会った時、とても優しくされたことが切っ掛けで恋に落ち、強引に婚約者になった。
アルフィーの家庭環境はかなり悪い。アルフィーの父親は彼に見向きもせず、兄に至っては直接「恥晒し」とまで吐き捨てる程だ。これだけでアルフィーの家族関係が冷え切っているのが分かる。誰にも愛されず、厄介者扱いされてきた彼がジョシュアに縋ったのは仕方なかったのかもしれない。けれど、強引に婚約してしまったが為にアルフィーは彼から物凄く嫌われ、彼を取り巻く周囲の人達からも嫌悪され、後からこの学園にやって来た平民に居場所も奪われてしまった。
アルフィーはジョシュアから婚約破棄を突きつけられ、父親からも兄からも見放され、学園を卒業したら籍を外すと宣言されたと言う。簡潔に言うと親子の縁を切る、ってことだな。貴族社会では当たり前なのかもしれないが、やり過ぎじゃないかと俺は思う。
「それで、なんで一言も喋らなかったんだ?」
「変に目を付けられるのは嫌なんだよ。この世界は俺の世界の常識が一切通用しない。バカ正直に話して人体実験なんて話になったら最悪だろ? だから話さなかった」
「……巻き込んでしまったのは、悪かったと思ってる。僕も、召喚の儀でお前が来るなんて思ってなかったんだ」
「分かってるよ。そう落ち込むなって。起きてしまったことは仕方ない。これから先のことを考えようぜ。な?」
「前向きだな」
「俺もお前がどんな状況なのか知りたかったから、いい機会だと思うことにするよ。あ、ちなみに元の世界には」
「ごめん」
「だから謝るなって。態とじゃねえんだろ?」
「当たり前だ!」
「それならこの話は終わりだ。今後のことについて話そうぜ。な?」
「うん」
召喚の儀が終わり、僅かな休憩時間の間で俺はアルフィーと今後について話し合った。アルフィーも多少魔法が使えるので、俺達の周囲には結界が張られている。だから色々と話せたんだけど、アルフィーの環境はあまりよろしくないようだ。予想してたけど、かなり追い詰められている様子だ。まあ、無理もないか。一番頼れる家族からは見放されているし、学園でもアルフィーの居場所はないし、学園を卒業したら貴族じゃなくなるしで、不安ばかりだったに違いない。まだ十七の少年が背負うにはあまりにも重い罰だと思う。
「だから、俺が喚ばれたのかなあ」
このままだとアルフィーの心は壊れてしまう。アルフィーが無意識に俺を思い浮かべたのか、別の大きな力が働いたのか、真相は分からないが俺だけはアルフィーの味方でいようと心に誓った。
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