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契約解除2
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目立たず、ひっそりと、平穏に暮らしたかった。でも、そんなのもう無理だと俺は分かっている。理由は簡単。召喚に応じることは滅多にない幻獣が、俺にべったりくっ付いて離れないからだよ! くっそ! 可愛いな! このお馬さん達は! 全身で好き好き大好きオーラ出されたら撫で回すしかないじゃん! はあ、癒されるぅ。
「テンちゃん、ソラちゃん。カオルを甘やかさないでくれる? 物凄く目立ってるから」
昨日まで嘲笑していた生徒達は言葉を失ってアルフィーを凝視している。正しくはアルフィーの後ろを歩いている俺と俺にべったりくっ付いている天ちゃんと空ちゃん。この子達は大きさも自在に操れるようで、今は手乗りサイズで俺の両肩に乗っていて俺の頬に自分の顔をスリスリしている。ちなみに、ユニコーンが天ちゃんでペガサスが空ちゃん。性別は不明。デレデレ顔の俺と違って、アルフィーの顔は無だ。呆れ果てすぎて虚無になっている。
「アルフィー様! 酷いです! 勝手に幻獣を召喚するなんて! 校則違反ですよ!」
「…………」
「レジーの言う通りだ。君の肩に乗っている馬はペガサスとユニコーンで間違いない。どうやって手に入れたんだ?」
「ロバーツ王太子殿下。テンちゃんとソラちゃんは僕の契約幻獣じゃありません。この子達が主として認めたのは彼の方で……」
「巫山戯ないでください。召喚されたその卑しい人間を高貴な幻獣が認める訳……ぐは!」
「ルーベン! な、何をするのですか! 幻獣が、人間に攻撃するなど!」
「彼をバカにされて怒ったみたいですね。テンちゃんもソラちゃんもご主人様が大好きなので」
「さ、最低です! アルフィー様! 幻獣達を操ってルーベンに怪我を負わせるなんて!」
「アルフィー、君はどこまで最低な奴なんだ。私の気を引きたいなら他にもっと方法があるだろう!」
「はあ?」
うわ、心の底から嫌だって言う感情が出てる「はあ?」だった。照れ隠しでもなんでもない。本心からの「はあ?」は結構キツいな。アルフィーは顔が物凄く整っていて美人さんだから、そんな彼の顰めっ面は見る人が見たらクセになりそ……うん、これ以上は言うべきではないな。黙っておこう。
「何をしてやがる! さっさと席につけ!」
「でも、ザッカリー先生! 悪いのはアルフィー様で……」
「知っている。アルフィー・オルブライト。その幻獣、何処で手に入れた? 答えによっては即刻退学処分になるぞ?」
「彼が拾って保護したら懐いて離れなくなりました。以上」
「巫山戯んな! そんな理由で納得できる訳ねえだろうが! 言葉も分からない、話すこともできない。そんな奴になんで幻獣が懐くんだよ? そんな話、見たことも聞いたこともねえ!」
「嘘じゃありません」
「テメエ」
「それと、先生。僕はもう廃嫡される身なので名前を呼ぶ時はアルフィーだけでいいですよ。家名は必要ありません」
「な!」
先生に対しても辛辣になったね。アルフィー。面倒事は嫌だと言いながら、自分から面倒事に巻きこまれに行ってない? アルフィー自身も失うものなんてもうないって言ってたから、虚勢でも悪足掻きでもなく、ただただ本心を口にしているだけなんだけど、もう少し言い方を変えてもいいんじゃないかなあ。アルフィーさん。そんなんじゃ世の中上手く渡れないぜ。猫を被るときは被らないと。俺のようにな!
「何? そのドヤ顔。気持ち悪いんだけど?」
「やめて! 目覚めちゃう!」
「…………」
「あ」
ついうっかり。あははー。みんなの鋭い視線がグサグサ突き刺さるー。助けてアルフィー。上手く誤魔化してほしいなあ、なんて。やめて。本当にやめて。そんな哀れな子を見るような目で俺を見ないで。
「テンちゃん、ソラちゃん。カオルを甘やかさないでくれる? 物凄く目立ってるから」
昨日まで嘲笑していた生徒達は言葉を失ってアルフィーを凝視している。正しくはアルフィーの後ろを歩いている俺と俺にべったりくっ付いている天ちゃんと空ちゃん。この子達は大きさも自在に操れるようで、今は手乗りサイズで俺の両肩に乗っていて俺の頬に自分の顔をスリスリしている。ちなみに、ユニコーンが天ちゃんでペガサスが空ちゃん。性別は不明。デレデレ顔の俺と違って、アルフィーの顔は無だ。呆れ果てすぎて虚無になっている。
「アルフィー様! 酷いです! 勝手に幻獣を召喚するなんて! 校則違反ですよ!」
「…………」
「レジーの言う通りだ。君の肩に乗っている馬はペガサスとユニコーンで間違いない。どうやって手に入れたんだ?」
「ロバーツ王太子殿下。テンちゃんとソラちゃんは僕の契約幻獣じゃありません。この子達が主として認めたのは彼の方で……」
「巫山戯ないでください。召喚されたその卑しい人間を高貴な幻獣が認める訳……ぐは!」
「ルーベン! な、何をするのですか! 幻獣が、人間に攻撃するなど!」
「彼をバカにされて怒ったみたいですね。テンちゃんもソラちゃんもご主人様が大好きなので」
「さ、最低です! アルフィー様! 幻獣達を操ってルーベンに怪我を負わせるなんて!」
「アルフィー、君はどこまで最低な奴なんだ。私の気を引きたいなら他にもっと方法があるだろう!」
「はあ?」
うわ、心の底から嫌だって言う感情が出てる「はあ?」だった。照れ隠しでもなんでもない。本心からの「はあ?」は結構キツいな。アルフィーは顔が物凄く整っていて美人さんだから、そんな彼の顰めっ面は見る人が見たらクセになりそ……うん、これ以上は言うべきではないな。黙っておこう。
「何をしてやがる! さっさと席につけ!」
「でも、ザッカリー先生! 悪いのはアルフィー様で……」
「知っている。アルフィー・オルブライト。その幻獣、何処で手に入れた? 答えによっては即刻退学処分になるぞ?」
「彼が拾って保護したら懐いて離れなくなりました。以上」
「巫山戯んな! そんな理由で納得できる訳ねえだろうが! 言葉も分からない、話すこともできない。そんな奴になんで幻獣が懐くんだよ? そんな話、見たことも聞いたこともねえ!」
「嘘じゃありません」
「テメエ」
「それと、先生。僕はもう廃嫡される身なので名前を呼ぶ時はアルフィーだけでいいですよ。家名は必要ありません」
「な!」
先生に対しても辛辣になったね。アルフィー。面倒事は嫌だと言いながら、自分から面倒事に巻きこまれに行ってない? アルフィー自身も失うものなんてもうないって言ってたから、虚勢でも悪足掻きでもなく、ただただ本心を口にしているだけなんだけど、もう少し言い方を変えてもいいんじゃないかなあ。アルフィーさん。そんなんじゃ世の中上手く渡れないぜ。猫を被るときは被らないと。俺のようにな!
「何? そのドヤ顔。気持ち悪いんだけど?」
「やめて! 目覚めちゃう!」
「…………」
「あ」
ついうっかり。あははー。みんなの鋭い視線がグサグサ突き刺さるー。助けてアルフィー。上手く誤魔化してほしいなあ、なんて。やめて。本当にやめて。そんな哀れな子を見るような目で俺を見ないで。
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