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訪れた本物の恋
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「杏!急げ! 遅いぞ! 行っちまう!!」
恭平が私の遥か前方を走りながら、声を出す。
「ちょ…、ちょっと、もう少し待ってぇ……」
私は息も絶え絶え、全力で走る。
「あー、遅かりし」
恭平が足を止めた。そこに遅れること約二秒。やっと恭平の隣に追いつき、今出たばかりの電車を見送った。
「どうすんだよ、帰り。あれが最終だったんだぜ」
「どうもこうもないでしょ。歩いて帰るわよ。たった二駅じゃない」
「えー、マジかよ」
勘弁してくれ、と言わんばかりに、大袈裟に頭を抱え込む恭平。
「ほら。さっさと行くわよ、恭平」
そうして私達は、夜十一時過ぎ。家まで小一時間を歩いて帰ることになった。
西菱高校に入学して早くも二年生の二学期を迎えている。
所謂『高校デビュー』を果たした私達は、夜遊びもするようになった。もっとも、カラオケとか、ファミレスにジュースバーだけで居座ったり。そういう健全な遊びしかしない。
だからうちの親も、恭平と一緒なら、という妙なお墨付きで私の自由を許してくれている。
「それにしても、寒いな。ま、十二月だから、当然っちゃ当然だけど」
そう言いながら、恭平はスッと左手を私に差し出した。
「なに?」
「だから、繋げよ。あったかいだろ」
ぶっきらぼうな恭平の口調。
「うん……」
私はそう呟くと、右手で恭平の左手を握った。
「……あったかい」
「だろ」
そうして私達は寒空の下、白い息を吐きながら、線路沿いの道をただ黙々と歩いた。
しかし。
それは唐突に訪れたのだ。
「杏」
「なに?」
「まだ、朝賀先輩のこと……好きなのかよ」
「どうして。そんなこと聞くの」
「答えろよ」
恭平は、ぎゅっと私の手を握ったまま、真剣なまなざしで私に迫ってきた。
「もう昔のことよ」
「ほんとか?!」
その言葉に、曖昧に頷く。
「じゃあ。俺のことどう思ってるの」
「恭平、のこと?」
「ああ。俺はお前にとって何なんだ?」
その問いに胸を揺すぶられる。
私は……恭平のことを……。
「恭平は私の幼馴染で……いい友達よ」
恭平はその答えに、瞳を切なそうに大きく瞬かせた。
私は思わず、目を逸らす。
恭平。
そんな瞳をして私を見ないで……!
私は、恭平との今の優しい関係が壊れることが怖かった。私は無邪気な風を装い、恭平の想いを退けた。
その翌日からも、恭平と私の『幼馴染』としての関係は続いていった。朝賀先輩を忘れていない私を恭平は見抜いているのかもしれない。
恭平……。ごめん……。
気持ちが乱れる。
恭平の目を見つめることが出来なくなった私は、朝夕の登下校も恭平と共にはしなくなった。
それでも、恭平は優しい。いつも、私を守ってくれる。
同じことに笑い、同じことに怒り、私が間違っている時は、はっきり指摘して正しい方向へ導いてくれる。そんな相手なんて、私にはもう現れないのかもしれないのに。
それがわかっていながら……。
私は恭平の想いに応えられないでいた。
早くもバレンタインの季節になった。
毎年のことながら、街の雰囲気はまさしくピンク色に染まっている。
チョコレート……。
恭平には毎年、「義理!」と念押ししながら、手作りチョコをプレゼントしている。
でも、今年は……。
どうしても、チョコレートを作る気にはなれない。どんな顔をして恭平に、チョコレートを渡せるというのだろう。
恭平の告白を受けてから、二か月が過ぎた。
それは体育の時間。男女共に体育館でバスケの授業の時のことだった。
「ね、ね。杏」
「何? 來未」
「上田君て格好いいね!」
「え? 恭平?!」
來未の視線の先には、丁度コートに整列している体操服姿の恭平がいた。
「ダメよ、來未。杏の上田君に色目使っても」
横から桐子が口を挟んできた。
「上田君は、杏のことしか眼中にないんだから」
「わかってるわよ! そこがまたいいんじゃない」
「確かにね。あれだけもてるのに、誰にも靡かない貞操さは一目に値するわ」
桐子が大仰に声を出す。
「杏もさあ。そろそろ吹っ切ったら」
「ダメダメ。この子にそんなこと言ったって。先輩一筋のまま先輩が卒業して、気持ちのやり場がないのよ。ね? 杏」
「もー、みんな、好き勝手言わないで!」
横を向いた私の視界に、恭平が3ポイントを決めた瞬間が飛び込んできた。
「きゃあー! 上田君! 格好いい」
無邪気に來未が歓声を上げる。恭平は、玉の汗を滴らせながら、コートを狭しと走り続ける。私もいつしか恭平に見惚れ、時間を忘れていた。
そして。
迷いに惑っている間に、あっという間にバレンタイン当日がやってきた。
「恭平!」
バレンタインの朝、家の門を出ると、以前のように恭平が私を待っていた。
「あ……。ごめん。今年はチョコ作ってないの」
目を逸らしながら正直に呟いた。
「ああ。いいんだ。……これ、渡しに来た」
恭平はそう言うと、紅い紙袋を私に差し出した。
「何? これ」
受け取りながらも、私の頭は疑問符だ。
「チョコレートだよ」
「チョコレート?!」
呆気にとられる私の前で、恭平が語り始める。
「バレンタイン、て要は『愛の告白』の日、だろ? 男がチョコ渡したっていーじゃん。俺……お前にちゃんとはっきり言ったこと、まだ一度もなかったよな」
息を飲む私の目を見つめながら、
「杏。好きだ。俺とつきあってくれ」
そうはっきりと恭平は言ったのだ。
「返事は、今すぐでなくていいんだ。ホワイトデーまで待ってるよ」
いつもの穏やかな恭平の笑顔に、私は何も言うことができず、ただまじまじと恭平の優しい瞳を見つめていた。
「お水如何致しましょう」
静かな礼法室に、お点前をする生徒の声が響く。
いつからだったろう。朝賀先輩を目で追うようになったのは。
いつからだったろう。涙に濡れる枕辺で独り先輩を想うようになったのは。
先輩は、東京の大学。きっと今頃は、綺麗な女子大生の彼女がいるに違いない。私のことなんて頭の片隅にもなく……。
「少しお願いします」
正客である私が答える。お辞儀をして前かがみに礼をし、出されたお茶碗を恭しく受け取る。
「お先に失礼します」
左隣に座っている生徒に向かって小さく挨拶をすると、おもむろにお薄に口をつける。
こんな何気ない所作も、朝賀先輩自ら教わった。
そんなことを思い出しながら、週に一度の「茶道部」の時間が今日もまた過ぎる。
朝賀先輩……。
本当に、本当に好きでした。
そうやって自分に折り合いをつけていく。
自分の気持ちにけじめをつける。
そうでないと、前へは進めない。
私は。
私は。
恭平のことを──────
「杏」
その朝、私は恭平の家の前で恭平を待っていた。
「遅い! 恭平。また遅刻するわよ」
怒ったようにけれど笑んでいる私に、恭平は驚いたような顔をしている。
「お前……。久し振りだな」
「うん……。三カ月ぶり?」
私は視線を落としたまま、そう呟いた。
「これ。あげる」
「なんだ、これ?」
不意に恭平の胸元に押し付けた白い紙袋を、恭平は訝しげに眺めている。
「ちょっと早いホワイトデーのお返し」
「杏……」
はにかんでいる私に、恭平は感極まったように私の名を呟いた。
「開けていいのか?」
「うん」
「これ……俺の好きなフィナンシュじゃん」
「昨日、焼いたの。食べてみて」
その私の言葉に恭平は早速ひとつ口の中に放り込んだ。
「うん。やっぱり杏の作るもんは美味いな」
恭平は歩きながら、私のお手製の恭平の好きなショコラフィナンシュにご機嫌で舌鼓を打っている。
「俺とつきあってくれんの?」
ぽつんと恭平は呟いた。
その言葉に応えようとした、その時。一陣の強い風が、ざあっと辺りを舞った。それは、東南東の風……今年初めての「春一番」。
私は、春風に靡く長い前髪を押さえながら、はっきりと呟いた。
「恭平。大好きだよ」
「杏。俺も」
互いに見つめ合い、笑いあう。
二度目の本物の恋は、髪を優しく撫でる春風が運んできてくれた。
恭平が私の遥か前方を走りながら、声を出す。
「ちょ…、ちょっと、もう少し待ってぇ……」
私は息も絶え絶え、全力で走る。
「あー、遅かりし」
恭平が足を止めた。そこに遅れること約二秒。やっと恭平の隣に追いつき、今出たばかりの電車を見送った。
「どうすんだよ、帰り。あれが最終だったんだぜ」
「どうもこうもないでしょ。歩いて帰るわよ。たった二駅じゃない」
「えー、マジかよ」
勘弁してくれ、と言わんばかりに、大袈裟に頭を抱え込む恭平。
「ほら。さっさと行くわよ、恭平」
そうして私達は、夜十一時過ぎ。家まで小一時間を歩いて帰ることになった。
西菱高校に入学して早くも二年生の二学期を迎えている。
所謂『高校デビュー』を果たした私達は、夜遊びもするようになった。もっとも、カラオケとか、ファミレスにジュースバーだけで居座ったり。そういう健全な遊びしかしない。
だからうちの親も、恭平と一緒なら、という妙なお墨付きで私の自由を許してくれている。
「それにしても、寒いな。ま、十二月だから、当然っちゃ当然だけど」
そう言いながら、恭平はスッと左手を私に差し出した。
「なに?」
「だから、繋げよ。あったかいだろ」
ぶっきらぼうな恭平の口調。
「うん……」
私はそう呟くと、右手で恭平の左手を握った。
「……あったかい」
「だろ」
そうして私達は寒空の下、白い息を吐きながら、線路沿いの道をただ黙々と歩いた。
しかし。
それは唐突に訪れたのだ。
「杏」
「なに?」
「まだ、朝賀先輩のこと……好きなのかよ」
「どうして。そんなこと聞くの」
「答えろよ」
恭平は、ぎゅっと私の手を握ったまま、真剣なまなざしで私に迫ってきた。
「もう昔のことよ」
「ほんとか?!」
その言葉に、曖昧に頷く。
「じゃあ。俺のことどう思ってるの」
「恭平、のこと?」
「ああ。俺はお前にとって何なんだ?」
その問いに胸を揺すぶられる。
私は……恭平のことを……。
「恭平は私の幼馴染で……いい友達よ」
恭平はその答えに、瞳を切なそうに大きく瞬かせた。
私は思わず、目を逸らす。
恭平。
そんな瞳をして私を見ないで……!
私は、恭平との今の優しい関係が壊れることが怖かった。私は無邪気な風を装い、恭平の想いを退けた。
その翌日からも、恭平と私の『幼馴染』としての関係は続いていった。朝賀先輩を忘れていない私を恭平は見抜いているのかもしれない。
恭平……。ごめん……。
気持ちが乱れる。
恭平の目を見つめることが出来なくなった私は、朝夕の登下校も恭平と共にはしなくなった。
それでも、恭平は優しい。いつも、私を守ってくれる。
同じことに笑い、同じことに怒り、私が間違っている時は、はっきり指摘して正しい方向へ導いてくれる。そんな相手なんて、私にはもう現れないのかもしれないのに。
それがわかっていながら……。
私は恭平の想いに応えられないでいた。
早くもバレンタインの季節になった。
毎年のことながら、街の雰囲気はまさしくピンク色に染まっている。
チョコレート……。
恭平には毎年、「義理!」と念押ししながら、手作りチョコをプレゼントしている。
でも、今年は……。
どうしても、チョコレートを作る気にはなれない。どんな顔をして恭平に、チョコレートを渡せるというのだろう。
恭平の告白を受けてから、二か月が過ぎた。
それは体育の時間。男女共に体育館でバスケの授業の時のことだった。
「ね、ね。杏」
「何? 來未」
「上田君て格好いいね!」
「え? 恭平?!」
來未の視線の先には、丁度コートに整列している体操服姿の恭平がいた。
「ダメよ、來未。杏の上田君に色目使っても」
横から桐子が口を挟んできた。
「上田君は、杏のことしか眼中にないんだから」
「わかってるわよ! そこがまたいいんじゃない」
「確かにね。あれだけもてるのに、誰にも靡かない貞操さは一目に値するわ」
桐子が大仰に声を出す。
「杏もさあ。そろそろ吹っ切ったら」
「ダメダメ。この子にそんなこと言ったって。先輩一筋のまま先輩が卒業して、気持ちのやり場がないのよ。ね? 杏」
「もー、みんな、好き勝手言わないで!」
横を向いた私の視界に、恭平が3ポイントを決めた瞬間が飛び込んできた。
「きゃあー! 上田君! 格好いい」
無邪気に來未が歓声を上げる。恭平は、玉の汗を滴らせながら、コートを狭しと走り続ける。私もいつしか恭平に見惚れ、時間を忘れていた。
そして。
迷いに惑っている間に、あっという間にバレンタイン当日がやってきた。
「恭平!」
バレンタインの朝、家の門を出ると、以前のように恭平が私を待っていた。
「あ……。ごめん。今年はチョコ作ってないの」
目を逸らしながら正直に呟いた。
「ああ。いいんだ。……これ、渡しに来た」
恭平はそう言うと、紅い紙袋を私に差し出した。
「何? これ」
受け取りながらも、私の頭は疑問符だ。
「チョコレートだよ」
「チョコレート?!」
呆気にとられる私の前で、恭平が語り始める。
「バレンタイン、て要は『愛の告白』の日、だろ? 男がチョコ渡したっていーじゃん。俺……お前にちゃんとはっきり言ったこと、まだ一度もなかったよな」
息を飲む私の目を見つめながら、
「杏。好きだ。俺とつきあってくれ」
そうはっきりと恭平は言ったのだ。
「返事は、今すぐでなくていいんだ。ホワイトデーまで待ってるよ」
いつもの穏やかな恭平の笑顔に、私は何も言うことができず、ただまじまじと恭平の優しい瞳を見つめていた。
「お水如何致しましょう」
静かな礼法室に、お点前をする生徒の声が響く。
いつからだったろう。朝賀先輩を目で追うようになったのは。
いつからだったろう。涙に濡れる枕辺で独り先輩を想うようになったのは。
先輩は、東京の大学。きっと今頃は、綺麗な女子大生の彼女がいるに違いない。私のことなんて頭の片隅にもなく……。
「少しお願いします」
正客である私が答える。お辞儀をして前かがみに礼をし、出されたお茶碗を恭しく受け取る。
「お先に失礼します」
左隣に座っている生徒に向かって小さく挨拶をすると、おもむろにお薄に口をつける。
こんな何気ない所作も、朝賀先輩自ら教わった。
そんなことを思い出しながら、週に一度の「茶道部」の時間が今日もまた過ぎる。
朝賀先輩……。
本当に、本当に好きでした。
そうやって自分に折り合いをつけていく。
自分の気持ちにけじめをつける。
そうでないと、前へは進めない。
私は。
私は。
恭平のことを──────
「杏」
その朝、私は恭平の家の前で恭平を待っていた。
「遅い! 恭平。また遅刻するわよ」
怒ったようにけれど笑んでいる私に、恭平は驚いたような顔をしている。
「お前……。久し振りだな」
「うん……。三カ月ぶり?」
私は視線を落としたまま、そう呟いた。
「これ。あげる」
「なんだ、これ?」
不意に恭平の胸元に押し付けた白い紙袋を、恭平は訝しげに眺めている。
「ちょっと早いホワイトデーのお返し」
「杏……」
はにかんでいる私に、恭平は感極まったように私の名を呟いた。
「開けていいのか?」
「うん」
「これ……俺の好きなフィナンシュじゃん」
「昨日、焼いたの。食べてみて」
その私の言葉に恭平は早速ひとつ口の中に放り込んだ。
「うん。やっぱり杏の作るもんは美味いな」
恭平は歩きながら、私のお手製の恭平の好きなショコラフィナンシュにご機嫌で舌鼓を打っている。
「俺とつきあってくれんの?」
ぽつんと恭平は呟いた。
その言葉に応えようとした、その時。一陣の強い風が、ざあっと辺りを舞った。それは、東南東の風……今年初めての「春一番」。
私は、春風に靡く長い前髪を押さえながら、はっきりと呟いた。
「恭平。大好きだよ」
「杏。俺も」
互いに見つめ合い、笑いあう。
二度目の本物の恋は、髪を優しく撫でる春風が運んできてくれた。
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