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28話 大好きな距離
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「さあ、これからどうしますかね」
リアムはうなだれたまま呟いた。彼の体力ではこの長旅はあまりに疲れたようでゴロゴロと無防備な姿でベットの横にもたれかかっている私に話し始めた。実際、私もかなり疲れているのでもう何か次の行動を考える気力もない。
そういえば。リアムは名乗る時に何もつっかえずに“ルイス”と偽名を使った。普段から使っていたのだろうか?
「ルイスってどこから来たんですか?」
「そりゃ、片田舎の…」
そういうことでは無い。確かに私の聞き方は不十分だったに違いないが彼は心が読めるんだからこういう時くらい気を遣ってくれてもいいのに。そして“片田舎”って、この国の王子様は完全になにかの役になりきってる。
「言いたいことは分かりますよ。名前のことでしょう?」
またもや遊ばれていた。気づいていたなら最初から悪戯しなくてもいいのに。まあ、そういう所は嫌いではない。日常ただでさえ忙しいけどそのユーモアさが笑わせてくれる。日々の疲れを癒してくれる。
分かったくせに彼は話しそうにない。ここはいくら善意から泊まらせてもらうことになったとは言え、誰がいるかわからないのはたしかに明確なので私はこれ以上何も言わなかった。
思えば、トレイターとビトレは今頃何をしているのだろうか。結局彼らに私は裏切られたのか?否、元々そのつもりで近づいてきていたのかもしれない。私たちがいなくなってさぞかし焦っているのか。それともお決まりの口調であっけらかんとしてるのか。どちらにしろ彼らにあったところで私は向ける顔もなければ、もう仲間という意識もない。
真っ赤に燃えた夕陽が地平線に帰っていくのが窓越しにわかる。窓を開けようとしたら少し埃を被っていることに気づいて、明日は掃除でもするかとチェックリストを作る勢いでどうせやりもしない予定を練る。僅かに入ってくる風が心地よくてつい、窓の外に顔を出して風を直に感じる。この瞬間は何も考えなくて良くて最高だった。目を閉じて一人、風と同化する。
いきなり体がグラッと傾いて驚きとともに目を開けると、腰にやたら長い腕がまとわりついていた。リアムが信じられないくらいに近い。出会い初めの頃の方が距離が近い日が多くて、最近は彼を肌で感じるなんて少なかったせいか妙に緊張して体が火照る。
「ずっとこの距離でいたいのに」
次から次へとそうされては私も理解が追いつかないもので、シャーリに晩御飯だと呼び出されるまで時間が止まっていた。
リアムはうなだれたまま呟いた。彼の体力ではこの長旅はあまりに疲れたようでゴロゴロと無防備な姿でベットの横にもたれかかっている私に話し始めた。実際、私もかなり疲れているのでもう何か次の行動を考える気力もない。
そういえば。リアムは名乗る時に何もつっかえずに“ルイス”と偽名を使った。普段から使っていたのだろうか?
「ルイスってどこから来たんですか?」
「そりゃ、片田舎の…」
そういうことでは無い。確かに私の聞き方は不十分だったに違いないが彼は心が読めるんだからこういう時くらい気を遣ってくれてもいいのに。そして“片田舎”って、この国の王子様は完全になにかの役になりきってる。
「言いたいことは分かりますよ。名前のことでしょう?」
またもや遊ばれていた。気づいていたなら最初から悪戯しなくてもいいのに。まあ、そういう所は嫌いではない。日常ただでさえ忙しいけどそのユーモアさが笑わせてくれる。日々の疲れを癒してくれる。
分かったくせに彼は話しそうにない。ここはいくら善意から泊まらせてもらうことになったとは言え、誰がいるかわからないのはたしかに明確なので私はこれ以上何も言わなかった。
思えば、トレイターとビトレは今頃何をしているのだろうか。結局彼らに私は裏切られたのか?否、元々そのつもりで近づいてきていたのかもしれない。私たちがいなくなってさぞかし焦っているのか。それともお決まりの口調であっけらかんとしてるのか。どちらにしろ彼らにあったところで私は向ける顔もなければ、もう仲間という意識もない。
真っ赤に燃えた夕陽が地平線に帰っていくのが窓越しにわかる。窓を開けようとしたら少し埃を被っていることに気づいて、明日は掃除でもするかとチェックリストを作る勢いでどうせやりもしない予定を練る。僅かに入ってくる風が心地よくてつい、窓の外に顔を出して風を直に感じる。この瞬間は何も考えなくて良くて最高だった。目を閉じて一人、風と同化する。
いきなり体がグラッと傾いて驚きとともに目を開けると、腰にやたら長い腕がまとわりついていた。リアムが信じられないくらいに近い。出会い初めの頃の方が距離が近い日が多くて、最近は彼を肌で感じるなんて少なかったせいか妙に緊張して体が火照る。
「ずっとこの距離でいたいのに」
次から次へとそうされては私も理解が追いつかないもので、シャーリに晩御飯だと呼び出されるまで時間が止まっていた。
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