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連載
気になること
しおりを挟む目の前にいるエリシアの目まぐるしい胸中など知らず、愛馬のことばかり考えているシン。
何気ない顔をしているが、レニ、カミーユ、ビャクヤは気付いている。エリシアがシンに浅からぬ感情を持っていることにも、シンがこの手のことには無関心すぎる朴念仁であることも知っていた。
だからと言ってデリケートな状況に無暗に首を突っ込めない。
(ミリア様からは、シン君の自由にしておいてとは言われていますが……!)
(レニ、ダメでござるよ!)
(見ててじれったいもんな。エリシアちゃんは押しが足らんし、シン君は色恋よりお勉強と畑と仕事なクソ真面目やろ?)
レニ、カミーユ、ビャクヤが口には出せずやきもきしている。
今回は、奥手なエリシアにしては頑張っている。ぎゃーぎゃーと外野が囃し立てても嫌だろう。表立って応援できないので、三人はうずうずしていた。
(なんか三人がそわそわしているな。遠乗りに行きたいのか?)
様子がおかしいが、悪巧みという感じではない。
多分、慌てている。誰かの社会の窓でも全開になっていたのだろうか。そんなポカをやりそうなのはカミーユくらいであるが。
もしかして、レニに指摘されたのだろうか。だとしたら、とても憐れである。レニは可愛い女の子だし、カミーユたちにとっては先輩である。
身近な異性に指摘されたら、しばらくへこむ。
(それにしても、エリシアからわざわざ遠乗りに挿そうなんて……何かあるのか?)
普段なら、ピコへの愛をほとばしらせながら保護者(飼い主)としてシンの許可を求めてくる。それに、レニたちもいていいはずだ。
シンだけとなると。
(米!? 米に何かあったのか!?)
魅惑のライスパワーに憑りつかれたシンが、エリシアの真意に気づくのはまだ先のようだ。
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