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第21話 プディ? 飼い主は私なのよ? (比奈視点)

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<比奈視点>


 街路樹を抜け、公園前の道路を抜けると住宅地が見えてくる。
 新しいスニーカーが、まだ足に馴染まず、若干痛いような気もするが、今の私にはどうでも良かった。


 
 このきつい坂を上がると、愛しの幸太君のマンションが見える筈。
 
 気がせって、走りたい、早く幸太君に会いたい、そう思う。
 


 だけど、汗をかいて匂いでもしたら、恥ずかしすぎて、どうにかなってしまう。
 走りたい気持ちを抑え、歩みを速める。

 坂を上がりきったらベージュ色の3階建てのマンションが見えてきた。
 幸太君の住んでいる所だ。



 先程公園内のトイレで、ヘアメイクをし直し、準備万端。
 もちろん、スッピンなのに綺麗に見えるという様なナチュラルメイクだ。
 


 私服に着替えようかとも思ったけど、うちの学校の制服はアイドルグループの衣装の様にお洒落で可愛いし、世間での評判もなかなか良い、まあ、このままでも良いだろう。

 



 私はマンションの階段を上がる前に制汗シートで少しだけ出てきていた汗を抑え、緊張して早くなる鼓動を落ち着かせる。




 汗をかかない様に少しゆっくり目に階段を上る。

 幸太君と今日はどんな話をしよう。

 いつもと違う環境で、心も体も急接近。

 なんてうまい状況にはならないとは思うけど、プディやホロちゃん達と言うスパイスもあるし、いい方向になるかもと期待している自分もいる。



 プディやホロちゃん達の気を引くための、にゅ~る(ニャンコ用、ワンコ用おやつ)の準備もばっちりだ。

 まあ、おやつの食べ過ぎも気を付けないといけないから、この秘密兵器もそうそうは使えないのだけれど……。




 玄関のインターフォンを鳴らし、中に通された。
 幸太君はいつも通りで、もう少し表情に変化が欲しいと、私は心の中だけで若干頬を膨らました。

 プディ達が飛び出してこない様にリビングの扉は閉められていた。



 2度目の幸太君のお部屋訪問。


 男性の一人暮らしにしては、綺麗すぎる気がする。

 他の女の影が無いかしっかりチェックしないと。



 


 リビングのソファにはデンの腹にお尻を乗せ、ホロのちゃんの毛づくろいをしているプディの姿が見える。ホロちゃんは引き気味だが……。








 馴染み過ぎじゃない? プディ……。


 飼い主は私なんだけど……。
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