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第九章 地上へ
第66話 俺も危機感が足りなかったらしい (アラン視点)/ 早く......アランの元へ (リュウ視点)
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【アラン視点】
その日はいつもよりも視線を感じていた。
前世の俺よりも少しばかり見た目が良い今世の俺は変質者に目をつけられる事が多かった。
前世と同じで上背はあるが、筋肉が突きにくいこの身体は、人によっては色っぽく見えてしまうらしい。
最近はショウとも一緒に歩く事が増えたから余計に目立つ事もあるのかもしれない。
商人ギルドのカウンターで商品を納品していると受け付けの男に声をかけられた。
「ほう。コレは中々良い品だな」
今日納品した品は茶っ葉とコーヒーカップのセットだ。
ちなみにこの国にはコーヒーという飲み物はない。
上に上がればもしかして似た飲み物はあるのかもしれない。
俺は上に上がってしまったら魔物化してしまうだろうからお目にかかれる事は難しいだろうけど……。
ちなみにこのお茶自体はこの国の名産だったりする。
その茶葉にショウの魔力を込めて更に香り付けをしたモノだ。
コーヒーカップにもショウの魔力が練り込まれている。
これらは2人で一緒に制作するからショウと居る時間が長くなってきた。
こんな風に1人で納品に来るのも久しぶりだ。
もちろん取り分はちゃんと分ける。
お人好しのショウはいらないなんて言っていたが、そうはいかない。
アイツは1人で居ると簡単に騙されてしまいそうだ。
無事納品出来たが、知らない男がいつの間にか後ろにいた。
「先程の品を作っている所を見たいのだが……」
そう言いながら笑顔で声をかけられた。
「えっ? まあ、良いですけど……」
穏やかな笑顔のその男は声のトーンもゆっくりで、なんとなく警戒する事を忘れてしまっていた。
「そちらに座っていて下さい。一緒に作っているモノがもう少ししたら来る予定なので……」
「他にも、色々な商品を納品してらっしゃいますよね? まだお若いのに中々良い品を作っていらっしゃっている様で、出来上がった他の品も見せて頂けますか?」
そんな風に言われてちょっと舞い上がってしまった。
自分が作ったモノは子供の様なモノ。
褒められると嬉しい。
特に俺は孤児院出身だったりするから品物を見もしないで馬鹿にされる事もある。
「はい、ではお持ちしますね」
嬉しくなった俺は、他の子供達がいる大広間にその人を残して自分の部屋に入った。
棚から試作品である品を取り出そうとした時、扉が開いた音がして振り返ると先程の男が中に入ってきてカチャリと後ろ手に鍵を閉めた。
この部屋には窓は無く密室だ。
つまり俺は今、密室であるこの部屋に、今日出会った男と2人きりになってしまったという事だ。
額に冷や汗が出てきた。
「お待たせしちゃいましたか? すぐにお持ちするつもりだったのですが……」
声が恐怖で掠れてしまう。
こいつがどんな奴か知らない。
弱味を見せたらつけ込まれてしまうのに……。
******
【たっちゃん人形の中からリュウ視点】
意識が戻りそうになったりしながらだけど未だこの人形の中で俺は過ごしていた。
ショウとアランは何かを一緒に作っている様だ。
俺はずっとこうしてこのぬいぐるみの中に囚われている訳ではない。
時より自分の身体に戻る。
と言っても俺の意識は戻っていない様で、俺はある部屋のベッドの上で眠っている、それを上から眺めている感じだ。
そこは見覚えの無い部屋だった。
幽体離脱の様に俺は意識なく眠っている自分を上から眺めていた。
一瞬、俺は死んでしまったのかとも思ったが、時おり姿を見せる人々の話によると俺は意識がないだけの様だ。
そしてまた気がつくと俺の意識はぬいぐるみの中に戻る。
アランの部屋は何故だか今の俺には凄く居心地が良くなっていた。
動けなくても、喋れなくても……ココにずっと居たいと……そう思ってしまうほど。
この部屋に向かって走ってくる音がした。
家が古いからかその音は大きく、軋む音やはしゃいだ様なリズミカルな靴音がこの部屋に迫ってくる。
俺はまた例のヤンチャ坊主が入ってきたのかと思ったら入ってきたのはアランだった。
アランは俺が置いてある棚に向かって歩いてきたと思ったらこちらを見て嬉しそうに笑った。
俺は一瞬、俺に笑いかけてきたのかと思い、高鳴る筈がない心臓が跳ねた気がした。
アランが俺の横に置いてあった何かを持ち上げ様とした時、再び扉が開かれた。
そこにはニヤニヤと笑う少し薄気味悪い男が立っていた。
アランはよくショウに危機感が足らない、心配だと話していたが俺が思うにアランもかなり危機感がない様に思う。
前世のコイツはそんな事なかった。
いつも何かから俺を守ってくれていたから……。
ショウもアランも前世に危機感を忘れてきたんじゃねーかって程、危なっかしい。
カチャリ
静かな部屋に鍵が閉まる音が響いた。
薄気味悪い男に鍵を閉められた。
「お待たせしちゃいましたか? すぐにお持ちするつもりだったのですが……」
流石にまずいと気がついたのかアランの声が掠れている。
そんな声だと怯えている事が丸わかりだ。
「いえいえ、やっと2人きりになれましたね……貴方も私とずっと2人きりになりたかったのでしょう?」
薄気味悪い男の声が響く。
アランは声が上手く出ない様だ。
どうにかしてこの部屋から出ようと考えているのかもしれない。
「おや? どうしましたか? 嬉しくて声も出ないですか?」
男はいつの間にか距離を詰めアランを棚の横の隙間の壁際に追い詰めている様だった。
どうすりゃいんだよ。
何で今、俺はこんな姿なんだ。
俺、浮遊霊としてでも動けねーのか?
この人形の身体も全然動かない。
俺自身、魔力を多く持っていたとしても肝心な時に使えないんじゃ意味がない。
薄気味悪いあの男の息が荒くなる、覆い被さった様な音が響き、アランが抵抗している音も聞こえるが、こんな姿だから眼球も動かせないし、確認する事も出来ない。
くそったれ!
俺は気が焦ってどうにかなりそうだった。
一刻も早く、どうにかして、ココに!
それか誰かに知らせて、コイツをアランから引き剥がさないと、いやそんなまどろっこしい事、言ってられない。
自分の気持ちにやっと気づいたかもしれないのに!
アラン、くそう!
気がついた時には、俺は知らないベッドの上で目を覚ました所だった。
久しぶりに起き上がったからか、まだ身体は気怠い。
だけどそんな事はいっていられない。
アランが襲われている。
音だけだからまだ分からないが、今、まさに襲われているかもしれない。
嫌だ。
襲わせてなるものか!
久しぶりの自分の身体を思う様に動かす事が難しく、焦る気持ちと空回る。
だけど……俺はアランの気を辿り、執念の様に集中し、転移を繰り返してアランの元へと急いだ。
その日はいつもよりも視線を感じていた。
前世の俺よりも少しばかり見た目が良い今世の俺は変質者に目をつけられる事が多かった。
前世と同じで上背はあるが、筋肉が突きにくいこの身体は、人によっては色っぽく見えてしまうらしい。
最近はショウとも一緒に歩く事が増えたから余計に目立つ事もあるのかもしれない。
商人ギルドのカウンターで商品を納品していると受け付けの男に声をかけられた。
「ほう。コレは中々良い品だな」
今日納品した品は茶っ葉とコーヒーカップのセットだ。
ちなみにこの国にはコーヒーという飲み物はない。
上に上がればもしかして似た飲み物はあるのかもしれない。
俺は上に上がってしまったら魔物化してしまうだろうからお目にかかれる事は難しいだろうけど……。
ちなみにこのお茶自体はこの国の名産だったりする。
その茶葉にショウの魔力を込めて更に香り付けをしたモノだ。
コーヒーカップにもショウの魔力が練り込まれている。
これらは2人で一緒に制作するからショウと居る時間が長くなってきた。
こんな風に1人で納品に来るのも久しぶりだ。
もちろん取り分はちゃんと分ける。
お人好しのショウはいらないなんて言っていたが、そうはいかない。
アイツは1人で居ると簡単に騙されてしまいそうだ。
無事納品出来たが、知らない男がいつの間にか後ろにいた。
「先程の品を作っている所を見たいのだが……」
そう言いながら笑顔で声をかけられた。
「えっ? まあ、良いですけど……」
穏やかな笑顔のその男は声のトーンもゆっくりで、なんとなく警戒する事を忘れてしまっていた。
「そちらに座っていて下さい。一緒に作っているモノがもう少ししたら来る予定なので……」
「他にも、色々な商品を納品してらっしゃいますよね? まだお若いのに中々良い品を作っていらっしゃっている様で、出来上がった他の品も見せて頂けますか?」
そんな風に言われてちょっと舞い上がってしまった。
自分が作ったモノは子供の様なモノ。
褒められると嬉しい。
特に俺は孤児院出身だったりするから品物を見もしないで馬鹿にされる事もある。
「はい、ではお持ちしますね」
嬉しくなった俺は、他の子供達がいる大広間にその人を残して自分の部屋に入った。
棚から試作品である品を取り出そうとした時、扉が開いた音がして振り返ると先程の男が中に入ってきてカチャリと後ろ手に鍵を閉めた。
この部屋には窓は無く密室だ。
つまり俺は今、密室であるこの部屋に、今日出会った男と2人きりになってしまったという事だ。
額に冷や汗が出てきた。
「お待たせしちゃいましたか? すぐにお持ちするつもりだったのですが……」
声が恐怖で掠れてしまう。
こいつがどんな奴か知らない。
弱味を見せたらつけ込まれてしまうのに……。
******
【たっちゃん人形の中からリュウ視点】
意識が戻りそうになったりしながらだけど未だこの人形の中で俺は過ごしていた。
ショウとアランは何かを一緒に作っている様だ。
俺はずっとこうしてこのぬいぐるみの中に囚われている訳ではない。
時より自分の身体に戻る。
と言っても俺の意識は戻っていない様で、俺はある部屋のベッドの上で眠っている、それを上から眺めている感じだ。
そこは見覚えの無い部屋だった。
幽体離脱の様に俺は意識なく眠っている自分を上から眺めていた。
一瞬、俺は死んでしまったのかとも思ったが、時おり姿を見せる人々の話によると俺は意識がないだけの様だ。
そしてまた気がつくと俺の意識はぬいぐるみの中に戻る。
アランの部屋は何故だか今の俺には凄く居心地が良くなっていた。
動けなくても、喋れなくても……ココにずっと居たいと……そう思ってしまうほど。
この部屋に向かって走ってくる音がした。
家が古いからかその音は大きく、軋む音やはしゃいだ様なリズミカルな靴音がこの部屋に迫ってくる。
俺はまた例のヤンチャ坊主が入ってきたのかと思ったら入ってきたのはアランだった。
アランは俺が置いてある棚に向かって歩いてきたと思ったらこちらを見て嬉しそうに笑った。
俺は一瞬、俺に笑いかけてきたのかと思い、高鳴る筈がない心臓が跳ねた気がした。
アランが俺の横に置いてあった何かを持ち上げ様とした時、再び扉が開かれた。
そこにはニヤニヤと笑う少し薄気味悪い男が立っていた。
アランはよくショウに危機感が足らない、心配だと話していたが俺が思うにアランもかなり危機感がない様に思う。
前世のコイツはそんな事なかった。
いつも何かから俺を守ってくれていたから……。
ショウもアランも前世に危機感を忘れてきたんじゃねーかって程、危なっかしい。
カチャリ
静かな部屋に鍵が閉まる音が響いた。
薄気味悪い男に鍵を閉められた。
「お待たせしちゃいましたか? すぐにお持ちするつもりだったのですが……」
流石にまずいと気がついたのかアランの声が掠れている。
そんな声だと怯えている事が丸わかりだ。
「いえいえ、やっと2人きりになれましたね……貴方も私とずっと2人きりになりたかったのでしょう?」
薄気味悪い男の声が響く。
アランは声が上手く出ない様だ。
どうにかしてこの部屋から出ようと考えているのかもしれない。
「おや? どうしましたか? 嬉しくて声も出ないですか?」
男はいつの間にか距離を詰めアランを棚の横の隙間の壁際に追い詰めている様だった。
どうすりゃいんだよ。
何で今、俺はこんな姿なんだ。
俺、浮遊霊としてでも動けねーのか?
この人形の身体も全然動かない。
俺自身、魔力を多く持っていたとしても肝心な時に使えないんじゃ意味がない。
薄気味悪いあの男の息が荒くなる、覆い被さった様な音が響き、アランが抵抗している音も聞こえるが、こんな姿だから眼球も動かせないし、確認する事も出来ない。
くそったれ!
俺は気が焦ってどうにかなりそうだった。
一刻も早く、どうにかして、ココに!
それか誰かに知らせて、コイツをアランから引き剥がさないと、いやそんなまどろっこしい事、言ってられない。
自分の気持ちにやっと気づいたかもしれないのに!
アラン、くそう!
気がついた時には、俺は知らないベッドの上で目を覚ました所だった。
久しぶりに起き上がったからか、まだ身体は気怠い。
だけどそんな事はいっていられない。
アランが襲われている。
音だけだからまだ分からないが、今、まさに襲われているかもしれない。
嫌だ。
襲わせてなるものか!
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だけど……俺はアランの気を辿り、執念の様に集中し、転移を繰り返してアランの元へと急いだ。
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