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第八話
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和希は周也が意気消沈してはいけないと温かく接し続けた。
だが、結果を知らせる文書は周也を一瞬にして落胆させた。
第一次選考で箸にも棒にも掛からぬ〈落選〉の知らせである。
無残な結果に周也は呆然と立ちすくんだ。
悔しい思いからすっかり家に閉じこもってしまい、失意のうちに寝込んでしまう。
和希はコンクールの結果に憐みを感じた。
その後に何度か周也にLINEで連絡を入れるが返信はない。
周也にも言ったが、コンクールも入賞すれば応募者にとっては大きな励みになる。
(あの時は〝競争〟というものを害悪だと思って、否定したけれども、世の中にはプチ競争めいたものが無数に存在するものである。世の中は何でも良い成績をおさめれば将来への糧となって、人生の豊かな道も切り拓けるというもの。研鑽を積んで、さらに精進して再チャレンジしたらどうだろう。)
こうメッセージを入れて再送してみた。
もちろん、和希ができることはサポートしていくつもりである。
溢れんばかりの想いを胸に秘め、返信を待ち続けた。
この間、長い空虚な時間が和希の気を揉ませるばかりであった。
だが、結果を知らせる文書は周也を一瞬にして落胆させた。
第一次選考で箸にも棒にも掛からぬ〈落選〉の知らせである。
無残な結果に周也は呆然と立ちすくんだ。
悔しい思いからすっかり家に閉じこもってしまい、失意のうちに寝込んでしまう。
和希はコンクールの結果に憐みを感じた。
その後に何度か周也にLINEで連絡を入れるが返信はない。
周也にも言ったが、コンクールも入賞すれば応募者にとっては大きな励みになる。
(あの時は〝競争〟というものを害悪だと思って、否定したけれども、世の中にはプチ競争めいたものが無数に存在するものである。世の中は何でも良い成績をおさめれば将来への糧となって、人生の豊かな道も切り拓けるというもの。研鑽を積んで、さらに精進して再チャレンジしたらどうだろう。)
こうメッセージを入れて再送してみた。
もちろん、和希ができることはサポートしていくつもりである。
溢れんばかりの想いを胸に秘め、返信を待ち続けた。
この間、長い空虚な時間が和希の気を揉ませるばかりであった。
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