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第1章「0(ゼロ)」
十三話「倶楽部の裏側①」
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その少女の写真は、間仲が撮影した当日から毎日小出しにして、倶楽部の裏HPに載せられた。
尾津が移動中の車内で撮った少女の写真一枚だけで、『面会室』で少女と会うための予約希望が早くも入っていたのだが、間仲の撮った写真が載ると二回目以降の面会予約希望者も続出した。
裏HPのプロフィールには子供達の体のサイズや性格、趣味等が記載されている。
通常、水商売のHPに載せるプロフィール写真なら指名されるために、顔のパーツやスタイル等も多少修正されるのだろうが、子供達の外見自体はほとんど修正されることはない。
プロフィールの内容も、大人側からの目線で生活態度を見て判断し、記載する。
そこに子供が欲しがっている物を聞き出し、会員達が倶楽部に納めている高額な年会費から差し引く形で、「小父さん達からのプレゼント」として荷物を送る。
それ以外にも気に入った子供に対しては、衣類や玩具やお菓子等を会員達が個々に競うようにしてプレゼントを贈る。
子供達への荷物はまず、保養所のコンシェルジュが常駐している別棟内の受付カウンターに『倉庫』宛ての荷物として、宅急便等で配達される。その後、『倉庫』に関わる保養所の従業員が荷物を別棟から四階まで運んで行く。
その明細は裏HPに事細かく記載される。そうすればプレゼントが被ることも無く、それぞれの子供の趣味や好きな物も分かるため、『面会室』での接し方もある程度はスムーズに進む。
その少女の特徴も表面的に取り繕うことはせず、ありのままの状態をプロフィールに記載した。
少女の状態を分かりやすく見せるため、女の子用の玩具が置かれた部屋にカメラを忍ばせ、その少女を囲んで他の女の子達が遊んでいる様子を録画した動画を会員達に閲覧できるようにした。
周りの女の子達は人形を着せ替えたり、カラフルな粘土やビーズでアクセサリーを手作りしたり、その少女をモデルにして絵を描いている子もいる。
カメラに映った女の子達には皆それぞれに表情や動きがあるのだが、その少女には無い。
以前に少女が過ごした施設では大人達から無関心に扱われた少女の状態も、此処の会員達にとっては却って興味を惹く対象となっていた。
プロフィール写真が載せられた翌日から『倉庫』の四階には、その少女のために会員達が注文した新品の衣類や靴、アクセサリー等のプレゼントが詰められた段ボール箱が連日のように届けられた。
以前の施設では、色褪せ着古した服ばかり着せられていた少女だったが、贈られてきた衣類はパジャマや下着さえデザインや生地の質も良く、高級店から注文された物ばかりで、どれも少女のために誂えたかのように似合っていた。
ただ、その少女には必要が無さそうだと判断されたのか、通常は送られてくる玩具やゲーム等は段ボール箱の中には一切入っていなかった。
写真や動画を撮られる以外は、少女にとって穏やかな日々が一週間ほど続いた。
だが、それを過ぎるとプレゼントを贈ってくれた会員達と面会する日々が始まった。
『倉庫』の二階に用意された『面会室』では予約した会員と子供が、一対一で過ごす。
子供達が生活する『倉庫』の四階と三階は、個室内も植物や動物や乗り物等が描かれた壁紙が張られ、内装やインテリアも子供向けのカラフルな作りになっている。
会員と子供が直接会う二階の『面会室』も、ベッドは無いものの四階と三階の個室内を更に上回る、如何にも外国映画やインテリア雑誌に出てくる子供部屋のお手本のようだった。会員が子供と遊べるように玩具やゲーム等も各室に用意されている。
『面会室』に行く子供は、その時に会う会員からプレゼントされた物を身につけて現れる。
自分の選んだ物でお洒落した子供を写真に撮り、裏HP上に載せて会員同士が感想等を書きこみし合う交流の場も設けている。
勿論、会員の個人情報は秘密厳守のため、会員同士はHNでのやり取りになり、お互いの名前や肩書きなどを知ることは無い。
裏HPには会員達が撮った自慢の写真が、どんどん更新されていく。
例え、着飾った子供と一緒に『面会室』で撮った写真を、倶楽部の会員以外の人間に見せたとしても、まさかそこに写っているのが監禁され、不当な行為を働かされている子供だと気づき、疑ったりする者は一人もいないだろう。
(続)
尾津が移動中の車内で撮った少女の写真一枚だけで、『面会室』で少女と会うための予約希望が早くも入っていたのだが、間仲の撮った写真が載ると二回目以降の面会予約希望者も続出した。
裏HPのプロフィールには子供達の体のサイズや性格、趣味等が記載されている。
通常、水商売のHPに載せるプロフィール写真なら指名されるために、顔のパーツやスタイル等も多少修正されるのだろうが、子供達の外見自体はほとんど修正されることはない。
プロフィールの内容も、大人側からの目線で生活態度を見て判断し、記載する。
そこに子供が欲しがっている物を聞き出し、会員達が倶楽部に納めている高額な年会費から差し引く形で、「小父さん達からのプレゼント」として荷物を送る。
それ以外にも気に入った子供に対しては、衣類や玩具やお菓子等を会員達が個々に競うようにしてプレゼントを贈る。
子供達への荷物はまず、保養所のコンシェルジュが常駐している別棟内の受付カウンターに『倉庫』宛ての荷物として、宅急便等で配達される。その後、『倉庫』に関わる保養所の従業員が荷物を別棟から四階まで運んで行く。
その明細は裏HPに事細かく記載される。そうすればプレゼントが被ることも無く、それぞれの子供の趣味や好きな物も分かるため、『面会室』での接し方もある程度はスムーズに進む。
その少女の特徴も表面的に取り繕うことはせず、ありのままの状態をプロフィールに記載した。
少女の状態を分かりやすく見せるため、女の子用の玩具が置かれた部屋にカメラを忍ばせ、その少女を囲んで他の女の子達が遊んでいる様子を録画した動画を会員達に閲覧できるようにした。
周りの女の子達は人形を着せ替えたり、カラフルな粘土やビーズでアクセサリーを手作りしたり、その少女をモデルにして絵を描いている子もいる。
カメラに映った女の子達には皆それぞれに表情や動きがあるのだが、その少女には無い。
以前に少女が過ごした施設では大人達から無関心に扱われた少女の状態も、此処の会員達にとっては却って興味を惹く対象となっていた。
プロフィール写真が載せられた翌日から『倉庫』の四階には、その少女のために会員達が注文した新品の衣類や靴、アクセサリー等のプレゼントが詰められた段ボール箱が連日のように届けられた。
以前の施設では、色褪せ着古した服ばかり着せられていた少女だったが、贈られてきた衣類はパジャマや下着さえデザインや生地の質も良く、高級店から注文された物ばかりで、どれも少女のために誂えたかのように似合っていた。
ただ、その少女には必要が無さそうだと判断されたのか、通常は送られてくる玩具やゲーム等は段ボール箱の中には一切入っていなかった。
写真や動画を撮られる以外は、少女にとって穏やかな日々が一週間ほど続いた。
だが、それを過ぎるとプレゼントを贈ってくれた会員達と面会する日々が始まった。
『倉庫』の二階に用意された『面会室』では予約した会員と子供が、一対一で過ごす。
子供達が生活する『倉庫』の四階と三階は、個室内も植物や動物や乗り物等が描かれた壁紙が張られ、内装やインテリアも子供向けのカラフルな作りになっている。
会員と子供が直接会う二階の『面会室』も、ベッドは無いものの四階と三階の個室内を更に上回る、如何にも外国映画やインテリア雑誌に出てくる子供部屋のお手本のようだった。会員が子供と遊べるように玩具やゲーム等も各室に用意されている。
『面会室』に行く子供は、その時に会う会員からプレゼントされた物を身につけて現れる。
自分の選んだ物でお洒落した子供を写真に撮り、裏HP上に載せて会員同士が感想等を書きこみし合う交流の場も設けている。
勿論、会員の個人情報は秘密厳守のため、会員同士はHNでのやり取りになり、お互いの名前や肩書きなどを知ることは無い。
裏HPには会員達が撮った自慢の写真が、どんどん更新されていく。
例え、着飾った子供と一緒に『面会室』で撮った写真を、倶楽部の会員以外の人間に見せたとしても、まさかそこに写っているのが監禁され、不当な行為を働かされている子供だと気づき、疑ったりする者は一人もいないだろう。
(続)
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