少女と幼女のVRMMOディストピア蹂躙 死亡すると黒幕に違法改造されてよくないらしいので、死亡は厳禁で!

わさびねぎ魔

文字の大きさ
2 / 11
0日目 プロローグ HELLO UNDERWORLD

夢の機械

しおりを挟む
 昼過ぎ、ご飯を食べ終わった頃。
玄関から賑やかな声が上がる。

「おはよー、麗奈!遊びに来たよー!」

 玄関から顔を覗かせるのは、老化抑制手術を受けたかのような若い身体と少女のような顔つきの、
足首まである長い艶やかな白い髪の女の子。
 有り体に言ってしまえば、小学校高学年と低学年の間のような、非常に可愛らしい女の子である。
 髪は金髪、目は碧眼、肌は褐色でみればみるほど成長すれば美人に成るだろうなという感じだ。
まぁ、そんな時は来ないかもしれないが。

「おはようって、もう昼過ぎだよ?」
「あはは~、満ちきれなくってさ夜寝られなかった                              
 からさっき起きたばっかりなんだよね~」
「それで寝坊したら意味ないでしょ」
「大丈夫、爺やに起きててもらったから!」
「塁ちゃん、中山さんに起きててもらったの?
 ダメじゃない、また仕事作って」

 中山さんとは、夏目の家に仕えている、夏目家の筆頭執事のお爺さんだ。
 いつも顔に包帯を巻いていて優しそうな眼差しの深いシワのある、異国の血が流れていて、どことなくアラビアンな顔つきの、怒こると怖い人である。

「えー」
「えー、じゃないよ、まったく」
「でも、頼んだらとっても嬉しそうな顔するし、
楽しそうに仕事してるから良いんじゃない?」
「確かにそれはそうだけど、それはいつまでも子供
としか思われてないってことなんだよ?中山さんも塁ちゃんがしっかりしないから、甘やかしちゃうんじゃないの?」

 当人が勝手にやっていることだと開き直る塁に、
麗奈は塁の自立を促すべく、塁が中山さんに子供扱いされるのはまるで子供のように迷世話掛けるからだと指摘する。
 それに対して塁は頬を膨らませながら不満顔だ。

「むーっ、なんでさ!私ももう16だよ?いい加減 
大人だよ、お·と·な!」
「大人は新しいゲームが楽しみで寝れなかったり
むーってむくれたりしないよ。それに、なにか用事があったんじゃないの?」

 麗奈は実際の塁の行動を指摘し、ここに来た用件さえ忘まだ聞いていない事を塁に伝える。

「はっ、そうだ!麗奈!部屋空いてる?
メールに書いてたと思うんだけど、筐体が結構大きくて重いから丈夫な広い部屋がほしいんだけど!」
「メールにそんなこと書いてなかったけど?」

 用件を告げた塁に、そんなことは聞いていないがメールの何処に書いていたのか尋ねる麗奈。
 塁は瞬きの間考えを巡らせると、はっとする。

「へ?あっ、書き忘れてた!かも?」
「何で自信なさげなのかな?」
「いや、だって…………」
「はぁ、まぁそんなことだろうと思って、準備してあるから良いけどね…………」

 ふざけた雰囲気もなく問い掛ける麗奈にしどろもどろになっていた塁は喜色を露にする。

「おぉ、さすが麗奈!先生にお母さんって呼ばれて 
ただけの事はあるぅ!」
「はいはい、そうねぇ~、子供によく間違われる
誰かさんのお陰でね~」
「それは、麗奈が色々おっきいし、私の事を子供み 
たいに扱うからでしょ!だいたい、あの時も麗奈が私の事を子供料金で電車に乗れないか試そうとしたからで………」
「そうだったかな~?」
「そうよ!いつもそんなことばっかり!」

 塁はいじわるに麗奈の学生時代の逸話を話す。
麗奈は軽くあしらうように反撃し、持ち出されてきた自身の興味本位の行動を覚えていないかのようにとぼけると、塁はここぞとばかりに責め立てる。
 分の悪いと考えた麗奈は強引に話題を終えた。
塁は勝ったとばかりに優越感に溢れた表情だ。

「はいはい、その話しは今度でねー。
ここだよー、元々は大きいサーバーが置いてあったんだけど、使わないから売っちゃったからスペースはあるし、有線用の工事もすんでるからねー」

 ここは元々とある事情でサーバーを設置していた
部屋で、縦25m、横50m、高さ12mの巨大な
地下室だ。しかも部屋のあちこちにエネルギーテレポーターと接続したコンセントがあり、何時でも
いくらでも電気使い放題の部屋になっている。

「うん、広さも回線も十分そうだね」

 そういって塁はパッケージされたモデルデータを
デバイスを通して3Dプリント装置に共有し、
3Dプリント開始する。使い終わったパッケージ
データは、自動で削除される。

「おお、結構大きいね?」
「そんなことないわよ、補助演算機能に第三、
第四の脳としての演装置二台、格納された神経接続プローブに、神経性稼働外郭とその中身、神経性シルク、専用変換器、万が一のためデータベースも入ってるんだから、小さめよ」

 その場に現れたのは縦12m、横7m.高さ3.5m程のメタリックで武骨で、大きな、とても洗礼されているとは言い難い箱だった

「中は部屋みたくなってて、装甲とカーボンの外殻で囲まれたなかに生命維持に必要な設備もオプションで入ってるから、流動食と点滴の用意がいらない優れものよ?すごいでしょ?」

 その言葉に呆けていた麗奈が反射的に言い返す。

「何で?」

 それが麗奈の発声できた唯一の言葉だった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜

具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです 転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!? 肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!? その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。 そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。 前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、 「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。 「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」 己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、 結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──! 「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」 でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……! アホの子が無自覚に世界を救う、 価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

処理中です...