楽に生きたい平民なのに一癖ある伯爵どころかその他大勢にも気に入られてしまい困っています

花田トギ

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秘密の関係

人のものを盗るのはいけません

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「ほい、これ。最近鍵掛けてるんだなあ。あの鍵少し特殊で、開けるのだるいからアディに渡しとくよ」
 花の庭で、いつもの通りザックスに呼び止められたアデリアが振り返る。荷物を持っていたアデリアのポケットに、すとん、と小さな物が入れられた。
「何?」
「モノクル。アディが返しといて」
「ああ、アレね」
 了解したと頷いたアデリアを、ザックスは嬉しそうに見つめる。
「にやにやして、どうしたの?」
「いやあ、ちゃんと働いて偉いなって。アディなら出来ると思ってたけどさ。やっぱ仕事が続くと嬉しいというかさ」
「全く呑気なんだから……人の気も知らないで!」
「何かあったのか?」
「そりゃあ……!伯爵が……!」
 そこまで言ってアデリアは口を噤んだ。あの事は絶対に外に漏らしてはならないと、あの恐ろしいスチュアートに散々脅されたではないか。
「伯爵が?」
「い、いや、その……」
 なんとか人狼の単語を使わずに上手く誤魔化せないかと、あまり働かせたことの無い脳内を必死で動かす。
「夜に、えっと、変になるっていうか、……一緒にベッドで寝たり……えっと……」
 慣れない事をするものでは無い。アデリアの拙い説明を聞いたザックスは、瞬時に何かを察して激昂した。
「なんだって?!メイドに手を出すクソ野郎なのか?!文句言ってやる!!!」
「え?!ちょっ、ち、違う!」
「何が違う?!夜に呼ばれて寝所を共にしたんだ?!」
「そ、それはそうだけど……」
 そうなのだが、それは違う。だって一緒に寝たのは子どもの姿のシュエットだ。ザックスは多分勘違いしているのだとやっと理解した。

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