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秘密の関係
3人での相談事
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「今までと違う事、それはアデリアがいるかいないかではないでしょうか?」
モノクルを正しい位置に付けなおし、スチュアートは結論を口にした。
「やっぱり、アディは特別と言う事かな」
大人の姿に戻ったラスール伯爵に愛称で呼ばれるとこそばゆい気持ちを抱きながら、華美な椅子に座ったままのアデリアはぼんやりと窓の外を見つめていた。
温かな日差しの中で、蝶が二羽躍るように飛んでいる。親子かな、兄弟かなと妄想しつつ、楽しそうに遊ぶ姿に何かを重ねたくなった。
「――わかりましたかアデリア?」
「へ?!あ、も、もう一度お願いします!」
名を呼ばれ、我に返った。
いつもならば新月くらいまでかけて、ゆっくりと大人の体へと戻るはずのラスール伯爵の体が、今回は一夜にして成長してしまった異常事態に、三人での緊急会合が持たれていた。
とは言っても、アデリアに何も分かるわけもなく、二人の話をなんとなく聞き流していた。
「まあ、どうなるかわかりませんが……今回だけかもしれませんし。次の満月を待ってみるという結論で良いですか?」
「私は何をすれば良いのでしょう?」
「特に。伯爵と寝所を共にするのもとりあえず終了です。また前の様にメイドの業務についてください」
「はーい」
「返事は短く」
「はい!」
元気に返事をしたアデリアを、ラスール伯爵が微笑ましく見つめる。
「アディ、私の事はもうシュエットと呼んで良いんだよ?」
「そ、そんな恐れ多い……」
「残念だなぁ。子供の時は呼んでくれたのに。……夜眠る時、寂しくなったら君を呼ぶからね?」
何かを含ませた伯爵の言葉に、アデリアは焦りを覚えた。
「え!?」
「アディと一緒に眠るのは心地よいからねぇ」
「そ、それは……」
言い淀みながらアデリアが外を見ると、いつの間にか花の周りを舞う蝶が三羽に増えていた。
モノクルを正しい位置に付けなおし、スチュアートは結論を口にした。
「やっぱり、アディは特別と言う事かな」
大人の姿に戻ったラスール伯爵に愛称で呼ばれるとこそばゆい気持ちを抱きながら、華美な椅子に座ったままのアデリアはぼんやりと窓の外を見つめていた。
温かな日差しの中で、蝶が二羽躍るように飛んでいる。親子かな、兄弟かなと妄想しつつ、楽しそうに遊ぶ姿に何かを重ねたくなった。
「――わかりましたかアデリア?」
「へ?!あ、も、もう一度お願いします!」
名を呼ばれ、我に返った。
いつもならば新月くらいまでかけて、ゆっくりと大人の体へと戻るはずのラスール伯爵の体が、今回は一夜にして成長してしまった異常事態に、三人での緊急会合が持たれていた。
とは言っても、アデリアに何も分かるわけもなく、二人の話をなんとなく聞き流していた。
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「私は何をすれば良いのでしょう?」
「特に。伯爵と寝所を共にするのもとりあえず終了です。また前の様にメイドの業務についてください」
「はーい」
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「はい!」
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「そ、そんな恐れ多い……」
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何かを含ませた伯爵の言葉に、アデリアは焦りを覚えた。
「え!?」
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