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鬼頭先生まで……?!
鬼頭先生の本!
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開場にあたって、まずは売り子に慣れている穂高くんと客寄せパンダ用に玲央さんの二人がスペースに立つ事が決まった。穂高くんの計画では、このイベントで神絵師Leoの正体をばらし、出会い厨なんてさせないようにするらしい。
……正直ちょっと俺は嬉しい。そうすれば玲央さんがもっと俺と……な、なんてね!
俺は先に買い出しを仰せつかった。いわゆる買い子というやつだ。
穂高くんのフォロワーさんの本や、玲央さんが欲しい本のリストを預かると、なんだかミッションみたいで気分が高まった。
それにしても、二人ともしっかりリストアップしているのだから準備が良い。俺も欲しい本を探さなければ!――と、二人のリストの一番上に、あの人の名前があった。
俺も大好き、皆大好き亀頭なめたろう先生の名だ。
鬼頭先生は商業作家だが時折イベントにも出る精力的な人だ。憧れの先生のオフ本を、イベントで買えるなんて素晴らしすぎるじゃないか!
少し変なテンションになった俺は、一目散に亀頭先生のスペースへと並んだ。もちろん、シャッター前だ。
開場してすぐだというのに、先生のスペースには列が出来ていた。最後尾の札を受け取ったが、すぐ後ろの人に手渡す事になった。
ここに並んでいる人が皆、亀頭先生の事が好きなんだと思うと不思議な高揚感に包まれる。そもそもイベント会場自体がすごい。熱量がすごい。この大きなイベントの一つのピースに自分がなっているのだと思うと、それもすごい。
今日はすごいしか感想が出てこない。
なんて思っていると、迅速な売り子さんのお陰か俺の番が来た。
「新刊三冊お願いしま……?!」
「はい、三冊ねー、あ、やっぱり会えたね」
お金を渡した俺の手に、本が置かれる。が、俺は対面した人物の顔から目が離せなかった。
「き、ききき、紀藤さん?!」
「ハハハ。やっぱりびっくりした?後でそちらにもご挨拶に行くからね」
「え?!ええ?!」
後ろの人の圧に負け、俺は戸惑いながらもその場から離れた。
離れた後も遠くからスペースを見たが、やはりそこにいるのは我らが上司、紀藤響介さんだ。
なんで?どうして紀藤さんが?鬼頭なめたろう先生の本を売っているの?!……鬼頭?きとう?……紀藤……?ま、まさかね!
とにかくすぐに穂高くんに報せたくなった俺は、自分のスペースへと急いだ。
……正直ちょっと俺は嬉しい。そうすれば玲央さんがもっと俺と……な、なんてね!
俺は先に買い出しを仰せつかった。いわゆる買い子というやつだ。
穂高くんのフォロワーさんの本や、玲央さんが欲しい本のリストを預かると、なんだかミッションみたいで気分が高まった。
それにしても、二人ともしっかりリストアップしているのだから準備が良い。俺も欲しい本を探さなければ!――と、二人のリストの一番上に、あの人の名前があった。
俺も大好き、皆大好き亀頭なめたろう先生の名だ。
鬼頭先生は商業作家だが時折イベントにも出る精力的な人だ。憧れの先生のオフ本を、イベントで買えるなんて素晴らしすぎるじゃないか!
少し変なテンションになった俺は、一目散に亀頭先生のスペースへと並んだ。もちろん、シャッター前だ。
開場してすぐだというのに、先生のスペースには列が出来ていた。最後尾の札を受け取ったが、すぐ後ろの人に手渡す事になった。
ここに並んでいる人が皆、亀頭先生の事が好きなんだと思うと不思議な高揚感に包まれる。そもそもイベント会場自体がすごい。熱量がすごい。この大きなイベントの一つのピースに自分がなっているのだと思うと、それもすごい。
今日はすごいしか感想が出てこない。
なんて思っていると、迅速な売り子さんのお陰か俺の番が来た。
「新刊三冊お願いしま……?!」
「はい、三冊ねー、あ、やっぱり会えたね」
お金を渡した俺の手に、本が置かれる。が、俺は対面した人物の顔から目が離せなかった。
「き、ききき、紀藤さん?!」
「ハハハ。やっぱりびっくりした?後でそちらにもご挨拶に行くからね」
「え?!ええ?!」
後ろの人の圧に負け、俺は戸惑いながらもその場から離れた。
離れた後も遠くからスペースを見たが、やはりそこにいるのは我らが上司、紀藤響介さんだ。
なんで?どうして紀藤さんが?鬼頭なめたろう先生の本を売っているの?!……鬼頭?きとう?……紀藤……?ま、まさかね!
とにかくすぐに穂高くんに報せたくなった俺は、自分のスペースへと急いだ。
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