毛利真伝

もうりん

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初陣編

#11家虎と九郎〜運命が引き起こす出会い〜

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皆生屋敷 皆生家虎
私は九郎を皆生屋敷を招き貞俊と宗勝を伴い皆生屋敷に帰った。皆生城の築城は春綱に任せている。
「九郎、私との武芸での勝負が目的かな?」と言うと九郎は目を輝かせ
「はいっ!それもそうなのですが父上から伝え聞く家虎の本気の力が見たいです。」と言った。
それを聞いた私は
「では、宗勝。相手を致せ。貞俊はまた後で勝負してやる。」と言うと思案げな顔をした貞俊は何かを納得したように頷いて宗勝に
「乃美殿、家虎さまは強う御座いますぞ。殺す気でやらねば勝負になりませんぞ。」と返って煽っていた。
私は貞俊に視線を当てるも長い付き合いである貞俊には何処吹く風であった。そんな私たちの様子を見て宗勝と九郎が息を呑んで居た。私は貞俊に目を合わせ刀でやるか槍を目で振った。見た感じ宗勝なら刀でも十分勝てそうだったが手加減するのもどうかと思っていると貞俊が
「家虎さま、折角ですから槍でやって見られてはどうですか?乃美殿も得物などあればそれでどうぞ。」と勝手に私のセリフを代弁する貞俊に苦笑いしながら
「あぁ、貞俊の言う通りだ。宗勝、かかってこい!」と言うと宗勝は刀で掛かってきた。
貞俊と元春兄上以外の者とは余り勝負して居なかったが私は宗勝の力強い中でも鋭い振りを私は槍を用いて軽く払うと
「えっ!」と言う九郎の悲鳴が響いたが宗勝は容赦無しとばかりに私を攻めてくるが私は槍を今までより何倍も鋭く回すと
「とりゃあ!」と雄叫びを上げ宗勝の攻撃を柄の部分で弾くと刃の部分で服を軽く切ると貞俊が割って入り
「勝負、そこまで!」と言うと宗勝が肩で息していた。
私は息を整えながら宗勝の方に近付くと
「宗勝、見事な剣捌きであった。」と肩を叩くと
「家虎さま、化け物…。そして、笑って言う福原殿も化け物…。」と言ってへたり込んでしまった。
私は力尽きたとばかりに倒れ込む宗勝を貞俊に連れて行かせようとすると宗勝は私の前に進み出ると
「家虎さま、わしはこれより正真正銘家虎さまの家臣となりとう御座います。家虎さまの武勇は惚れ惚れとするものがあり申した。」と言うと平伏してしまった。
「宗勝、其方の為人は存じておる。民たちからも大いに信頼されている。これを家臣と言わずして何と言う。喜んで皆生家の家臣として認めよう。」と言うと暫く固まっていた九郎が表情を戻すと
「家虎、あれは本当に家虎だった?」と信じられないとばかりに言う九郎に私は温厚な笑みを見せると
「えぇ、さっきの私は一種の皆生家当主皆生家虎ですよ。」と言うと九郎はあからさまに落ち着いたが貞俊は寧ろ恐ろしさを感じたようだった。
まぁ、貞俊は付き合いが長いから仕方ないか。
「家虎!本当にすごいよ!でも、九郎も絶対に負けないからね。だって、家虎と同い年だもん!」と言う九郎に私は微笑みを讃えながらその後も九郎、貞俊と連戦していった。
貞俊の奴は大変だったよ。何しろ体力が半端じゃないからやってもやっても全然倒れないんだもん。私も体力はある方だって言われるけど貞俊は桁が違うよ。
そして、九郎が帰った後兄上たちに今日のことを手紙に認めて殿に翌日に見せて許可を貰い兄上たちに送った。その後、隆景兄上の名で来た文には隆元兄上の弱ったさまを嘆くものと別に恐らく殿に見せるように送られて来たであろう文が2通来た。私はそれに背筋が凍るのを感じながらそれを悟られぬようにしながら私はその日眠りに就いたのであった。
第11話ではとうとう宗勝さんが家虎君の家臣になりました。それと隆景さんから送られて来た2通の文に恐れおののく家虎君。隆景さんからの文の内容に書かれた内容とは。
以上が第11話の展望となります。次回もよろしくお願いします。
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