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短編集

いいふーふのひ。

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「ミナくん、今日はなんの……」 
「いいふうふのひ、でしょ?」
「あらぁ、あてられちゃった。ミナくん、せっかちぃ」
 毎日何気に出される今日はなんの日クイズ。今日は出される前に分かった。

「わたしたちって、夫婦じゃなくて、夫夫よ結構」
「夫とか決めたことないけどな。ふうふ、でなくて、ふふ……」 
「ふふの日?」
「ふふ」
「ふふふ。可愛いよね」
「そっか?」
くだらねぇことでもわらえる、よな。僕ら。

 さて、今晩は鍋。
「キムチ鍋よ。グツグツ、ピリ辛。私お手製なんですから」
「明日休みだしな。うまそー」
 僕は菜箸で自分の分を取って、お皿に寄せる。そして、フーフーと冷ます。

「あ、ミナくん。いいフーフー」
「こっちのフーフー?しょうがないじゃん、僕猫舌だもん」
「可愛いっ。もっとフーフーして」
「はい、フーフー」
「可愛いーっ」







=======
 夜。ベッドの上。
「あっ、あっ……李仁っ」
「ミナくんっ、可愛いっ」
 いいふうふの日だもの、やっぱり今夜は……。何度も体を組み交わし、今日は正常位かな……。何度もキスをしてネチョネチョっと。

 僕の顔を見たいって……恥ずかしいんだよ、イく顔を見られるの。
 僕は李仁を抱きしめて彼の耳元に息を吹き掛けた。
「あっ、ミナくん……」
 耳が弱い李仁は体をビクッとさせた。そして耳を舐めまくる。ピアスはここ最近減ってきた。穴も少しずつ塞がってる。だから舐められる部分も増えた。
 途中途中で息を吹きかけるとそのたびに李仁は反応する。
「あっ!あっ!ダメって言ってるじゃん!!!ミナくんの意地悪ぅ」
「いい、フーフーの日。だろ?」
「ちがぁうううっ、イッちゃう、イッちゃうううう……」
 李仁の腰の動きが速くなった。
「李仁っ!!!もっと、やさしくっ、あっ、あっ!!!!」
 僕も李仁が出入りして気持ち良くなり右手で握った僕のも放出された。

「ふぅ、ふぅ……」
 息が絶え絶え……激しすぎるっ、李仁ぉ。

「ミナくんもいい、ふぅふぅ……」
「李仁も」
 李仁も、フゥフゥ鼻息荒い。お互い見つめあって笑う。



 いい、ふーふの日。でした。


おしまい
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