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矢崎という男
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コツコツと音を立てて私は会議室の扉を開こうとドアノブに手をかける。
バン!!!!という音と共に怒声が扉越しに聞こえてきた。
もう陸軍が参加するという時点で嫌な予感はしていたが早速こうなってしまうとは…
『失礼します』
そう言って男、矢崎努海軍少将は戸を開けた。
一瞬場が静まり返った、、が矢崎なんてそっちのけで言い争いがまた始まる。
(まったく…これから大事な会議というのに陸海軍はつまらんことで争いを起こすのか)
この矢崎という男には秘密があった。
それはつい2ヶ月ほど前のことである…
2ヶ月前
「ん、んー…暑い。」近年稀に見る酷暑の中で、矢崎はなかなか寝付けずにいた。 そんな時、ふっと涼風が彼の足元をよぎった。
「やっと涼しくなってきたのかな…そろそろ眠れそうだ。」
そして彼は深い眠りに落ちた。
矢崎が目を開くと、軍服姿の自分と机に置かれた一冊の本が目に入った。
「ええと…タイトルはと。」
【大東亜戦争】「…」(開いてみるか)
そう思った矢崎はページを捲る
『帝國海軍、ハワイ奇襲に成功!』
『マレーにて東洋の電撃戦!』
「 な ん だ こ れ は 」(やけに詳しく書いているな…この本は一体誰が何のために…)
さらにページを捲る
『ミッドウェーの決定的敗北』
『ガダルカナル島にて敗北』
『マリアナ沖海戦の敗北』
『広島長崎に原子爆弾の投下』
『日本の無条件降伏』
矢崎は一通りじっくりと目を通した。
「これは、現実になるやもしれん」
そう呟くと突然目の前が眩しくなり不意に目を瞑ってしまった。
そして目を開けると、いつもの寝室であった。
(今すぐに記録しなければ…)
彼は急いで万年筆を取り、本で見た記憶を元に頼りに書き続けた…
そして彼はそれを現状の世界と照らし合わせた事で一つの結論を導き出す。
(これは悪い夢なのではない…現実に起こりうることだ)
そう考えるにたる内容があの本にはあった。
そして矢崎は決断した。
「この国を最悪の危機から救ってみせる」
そうして矢崎は行動を始めた。
だが、夢うつつで見た事を起こるに違いないなどと吐き散らしてしまうと、周囲に白い目で見られるのは間違いない。
まずはこのような未来に我々が向かっている根拠を示して、起こりうることを未然に防ぐために仲間を作る必要があった。
そこで彼はまず海軍兵学校からの同期で、同じく少将の坂野に相談をすることとした。
バン!!!!という音と共に怒声が扉越しに聞こえてきた。
もう陸軍が参加するという時点で嫌な予感はしていたが早速こうなってしまうとは…
『失礼します』
そう言って男、矢崎努海軍少将は戸を開けた。
一瞬場が静まり返った、、が矢崎なんてそっちのけで言い争いがまた始まる。
(まったく…これから大事な会議というのに陸海軍はつまらんことで争いを起こすのか)
この矢崎という男には秘密があった。
それはつい2ヶ月ほど前のことである…
2ヶ月前
「ん、んー…暑い。」近年稀に見る酷暑の中で、矢崎はなかなか寝付けずにいた。 そんな時、ふっと涼風が彼の足元をよぎった。
「やっと涼しくなってきたのかな…そろそろ眠れそうだ。」
そして彼は深い眠りに落ちた。
矢崎が目を開くと、軍服姿の自分と机に置かれた一冊の本が目に入った。
「ええと…タイトルはと。」
【大東亜戦争】「…」(開いてみるか)
そう思った矢崎はページを捲る
『帝國海軍、ハワイ奇襲に成功!』
『マレーにて東洋の電撃戦!』
「 な ん だ こ れ は 」(やけに詳しく書いているな…この本は一体誰が何のために…)
さらにページを捲る
『ミッドウェーの決定的敗北』
『ガダルカナル島にて敗北』
『マリアナ沖海戦の敗北』
『広島長崎に原子爆弾の投下』
『日本の無条件降伏』
矢崎は一通りじっくりと目を通した。
「これは、現実になるやもしれん」
そう呟くと突然目の前が眩しくなり不意に目を瞑ってしまった。
そして目を開けると、いつもの寝室であった。
(今すぐに記録しなければ…)
彼は急いで万年筆を取り、本で見た記憶を元に頼りに書き続けた…
そして彼はそれを現状の世界と照らし合わせた事で一つの結論を導き出す。
(これは悪い夢なのではない…現実に起こりうることだ)
そう考えるにたる内容があの本にはあった。
そして矢崎は決断した。
「この国を最悪の危機から救ってみせる」
そうして矢崎は行動を始めた。
だが、夢うつつで見た事を起こるに違いないなどと吐き散らしてしまうと、周囲に白い目で見られるのは間違いない。
まずはこのような未来に我々が向かっている根拠を示して、起こりうることを未然に防ぐために仲間を作る必要があった。
そこで彼はまず海軍兵学校からの同期で、同じく少将の坂野に相談をすることとした。
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