役立たずと言われ追放された支援職の[罠師]だけど最強を目指します!

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2章

ローブの男

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ベヒーモスから黒い石が出てきた後、さらに不思議な事が起こった
エルダーベヒーモスの死骸から蒸気が発生したあと何と通常のベヒーモスに戻ったのである。

「ねぇアノク。私はずっとエルフの里にいたから分からないんだけど上位種の魔物が退化する事なんてあるの?」

「いや、俺もそんな話聞いたことがないな....リノは?学園でそういった研究とかはされていたりしないか?」


「ううん....私も聞いたことない。魔物の進化の仕組みはそもそも魔石の有無は関係ないからね。環境に適応するために長い時間を生きた結果徐々に身体の性質が変わったか或いは突然変異
エルダー種かエルダー種じゃないかって基準もあくまで人間が決めたものだから、魔物学の観点で言ったら"ベヒーモス"の別個体って認識でしかない」

「つまりは、この現象はあり得ないって事?」


「本来なら。ただベヒーモスのお腹の回復魔法痕といい中から出てきた不気味な黒い石といい、考えたくはないけど何者かが魔物を人為的に進化させる方法を使ったって考えたほうが自然かな」

今度は3人で深刻な顔をしていたものだから戻ってきた村人達に要らぬ心配をかけてしまっていた
慌ててフォローにまわると討伐対象に間違いがないか確認してもらった

「間違いないですじゃ...本当に感謝してもしきれません。こちらお約束の費用でございます。ご確認下さいませ」
村上村長に確認してもらうと報酬を受け取り金額に間違いが無いことをチェックする。
地味なところだがこういう確認は冒険者としてやっていく上で重要だ。
ろくに確認しないで後から金額が全然足りなかったとなったらそれは確認を怠った冒険者の責任と見なされる

幸い今回の依頼はきちんと事前に聞いていた報酬分を渡して貰った

別れ際村長に呼び止められる
「そういえば冒険者の方々。実は先日変わった事がありまして」


「変わったこと?」

「えぇ.....7日程前でしたかな夜中村に一人の男が訪ねて来まして一晩村で休ませて欲しいと頼まれたんですわ
ここは魔鏡の森が近いので最初は冒険者かと思ったんですが.....
黒いローブを身につけてまして大荷物を背負子んでましたんで何だか気になりましてね....」

「黒いローブの男。その男はどこへ?」


「分かりません....食事を用意したので持っていこうとしたんですがいつの間にか消えておりました」


「他に特徴とかは見ましたか?顔とか」


「他には何も....何分夜分でしたしフードを被っておりましたので.....申し訳ない」

村長は申し訳なさそうにしていたがもしかしたらその黒いフードの男が今回のベヒーモスの件に関係しているかもしれない。
俺達は村長へ感謝を告げると村を後にした







ーーーー
???「あれがかの有名な"剣聖"の弟子か」

???「ああ....どう見る?貴重なサンプルを使ったんだまさかボーッと眺めてた訳じゃないよな?」

???「当然だ。あのサンプルを真っ二つにした技は脅威だが他はとるに足らないな。身体能力で誤魔化してはいるが所詮【罠師】だ俺の敵じゃない」


???「ならばいい....また連絡する。それまで待機していろ」


???「わぁーったよ....しかしそんなにアノク・ゴールドバーンが憎いか」


???「アノク・ゴールドバーンではない。私の敵は"一太刀の剣聖"ウォルテニア・ゴールドバーンだよ」


???「クックッ....そうかよアノク・ゴールドバーンも可哀想な奴だな。まぁいい、俺は仕事をするだけだ。
アノク・ゴールドバーンをやるのは当分先なんだろ?
だったらそれまで勝手にやらしてもらう」


???「.....分かった...そろそろ村の奴らに勘づかれる。バレる前に消えるぞ」


???「ああ......」
そう言うと男達は既に見えなくなったアノク・ゴールドバーンの向かった方向へ視線を送ると姿を眩ませた。
この時アノク・ゴールドバーンはその





「ん?どうしたんだアノク?」


「.....いや、何でもない...」

「はー今回のクエストは疲れたよー...アノ兄明日は休みにしない?」


「ああ、そうだな。明日は休みにしよう俺も疲れた」

2人は気がついてないようだな...
黒いローブの男が二人...どちらも俺を見ていた
片方は師匠に似た空気感というか....とにかく強い
戦う気配が無かったから助かったけど、相手がその気なら多分全滅してたかもな....
今のままじゃダメだ。もっと強くならないと
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