役立たずと言われ追放された支援職の[罠師]だけど最強を目指します!

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2章

アルビダ救出作戦-③ 決着

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ドン・ヴァ・ルジャンのアジトの最深部
結局あのローブの男以外特に誰にも出会う事無くたどり着いた。
その分奥に進むに連れトラップの質、量共に入口のトラップと比べて体感10倍くらいには難易度が上がっていた。
ただし罠師はトラップ解除の専門家だ。
単体としてみれば難易度は上がっているが設置の仕方が稚拙なため作動がパターン化されており後半は最早無心で作業をこなしていくだけだった。

最奥の扉の前に立つ。
ここからはどうなるかが分からない。

建て付けの悪い扉を開くと最初に分かるのが強烈な甘い匂い。凝縮したバニラを煮詰めたような匂いの正体は目に映る光景でなんとなく察した。
-ブラック・インモラル

扉の先は広いワンルームのみとなっていて中心に置かれているのはキングサイズを2つほど並べた大きさのベッド。
そこで狂ったように情事に耽る一人の男と複数の女達。
恐らくあいつがドン・ヴァ・ルジャンだろう。男は行為に夢中で俺の来訪に全く気が付いていない。道中護衛もおいていなかったことを考えるとあの数のトラップを攻略する事なす出来はしないと侮っていたのだろう。

何にせよチャンスだ。
こいつは今ここで仕留めなければいけない奴だ

-「縁切り................神おと......!?」

ギイン!!!

確殺が可能なレベルでためてはなった技が何者かによって防がれる。


「-ドン・ヴァ・ルジャンだからあれほど警備を配置しておけと言ったでしょう?」

俺の剣を止めたのは黒いローブの男。さっきの狂戦士とは別の人物のようだ。
という事はあのベヒーモスの一件の際いたやつか?師匠のような雰囲気を感じた男
その男は俺の剣を素手.....いや義手で止めている。
いくら技の途中といっても縁切り・神落シはそう易々と止めれるものではない。


この戦闘によってドン・ヴァ・ルジャンを討つ絶好のチャンスを逃す。
「な、おい"ミラ"!なんなんだそいつは!?」


「....チッ!!人の名前を簡単に漏らしやがって.....こいつはアノク・ゴールドバーン。元A級の冒険者だよ」

「元A級の冒険者だと!クソが!!ギルドめ仕掛けて来てやがったのか!!おい!!このアジトは捨てる!ミラ、高けぇ金払ってやってんださっさと俺様を守りやがれ!」


「逃がすと思うか!?罠魔法大地の鎖・四連ロックチェーン・クアッド!!」


「残念だがお前の罠魔法は届かない.....」
ローブの男から突如光の斬撃が飛び出すとロックチェーンがすべて断ち切られる。
-なら次はこいつだ。44魔術焼夷砲弾フォーティフォーマグナム!!残弾の5発を全て発射

「ほう?罠師がまさか攻撃魔法を。....秘密はその魔道具か。ほぼ同時に5発、これは仲間のエルフのものか
だが無駄だ。」
またもや光の斬撃で次々と魔法が断ち切られる。それと同時に肉薄してくるローブの男。近くで見ると仮面をしており素顔は確認できない。

「アノク・ゴールドバーン。貴様は必ず俺の手で殺す。だが今はその時ではない....ドン・ヴァ・ルジャンを殺すつもりだったようだがとんだ無駄足だったようだな....」


「そうでもないみたいだぜ?」

「-グアアア!?」

「何!?」

「ちィ!!面倒が増えた!!」
ミラというローブの男に腹を思いきり殴られ俺はそのまま服飛ばされてしまう。
光の斬撃もそうだが近接戦闘もけた外れに強い。多分あいつがその気になれは俺はこの戦いで死んでいたはずだ....


....クソ.....結局ドン・ヴァ・ルジャンも逃がしてしまうし大失敗じゃねえか....
俺は何本か折れたであろうあばらをさすりながら失敗の報告へ向かうのだった。






♢♢♢♢

-翌日
俺は約束の通り羽休め亭の屋根の上にいた。

「おう。すまんな待たせて。先ずはお前の方から聞こうか」
俺はウィーラさんにドン・ヴァ・ルジャンを取り逃がしてしまった事を説明した。

「いや、その黒いローブの奴らは情報に無かった。すまんこっちのミスだ。お前が気にすることじゃねえ。
それで-顔は見たか?」

「いえ、仮面をつけてましたので全く....ただ、名前は分かりました。」

「ほう?なんて名だ?」

「-ミラ、と呼ばれてました。」
その名を告げた瞬間ウィーラさんが雷にうたれたかの様に固まる。それから一気に険しくなり、間違いないんだな?と再三の確認までしてきた。
明らかに"ミラ"という人物に対し知っている事がありそうだが何だか聞ける雰囲気ではなかったためその話題は一先ずの着地をみせ、今度はウィーラさんの報告が始まった。


「結論から先に言うが。まず間違いなくバートンとかいう勇者のガキとグラハムっつう筋肉馬鹿は終わったな
お前に頼んでいたパーティ脱退申請を受け付けた人間の仕事が早くてな。あの後すぐにギルドの人間が蒼の聖剣の調査に乗りだしたよ。
俺は先に潜入して奴らの情報の隠しどころを見つけた後裏の組織との癒着を見てみたんだが、バートンの野郎に関してはドン・ヴァ・ルジャンとのつながりだけじゃなくて他にも隣国のやばい組織の連中ともつるんでたみたいでな。
俺が調べてた別件の情報もあったからおかげでそっちも片付きそうだよ。


で、後はそれをたまたま調査員の眼に触れるところにまとめて置いてやったら一発で終了。
多分今頃は尋問にかけられてるはずだ。

【回復師】の女の子は何も知らなかったみただから特にお咎めはない。

尋問があるからこの件の決着自体はもう少しかかるそうだがアルビダの嬢ちゃんのパーティー脱退は無事認められたぞ。早く報告してやれ。」


-よかった。まだ完全に終わりではないけど、これにてアルビダ救出作戦は決着だな。

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