役立たずと言われ追放された支援職の[罠師]だけど最強を目指します!

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3章

イビル教団

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ーー「本当にごめん!!!」
勢いよく下げた頭が机にぶつかり血が滲むほど深く謝罪を述べたマサムネさんとメンバーの皆さん
ユウカさんにいたっては酷く落ち込み涙まで浮かべている
それは同情というより後悔の念が強いように思えた。

一体彼らと《ブラック・インモラル》にはなんの関係があるのか
反対に今度はマサムネさん達が事情を話始める


「アルビダさんは被害者だ。それに仲間である君達も知るべきだろう。ブラック・インモラルはクデール王国から広まったんだ
そしてブラック・インモラル....正確にはその元となった薬を開発したのがここにいるユウカなんだ....」

衝撃の告白に誰もが言葉を出せないでいるとユウカさんが言葉を続ける

「先ずは私達について教えないとね....私たちはこの世界の人間ではないの。」
この世界の人間ではない。続けた言葉には"チキュウ"という別の世界から勇者召喚によって連れてこられたと説明された
マサムネさん達はクデール王国によって勇者召喚で呼ばれた後、初めて職業ジョブを得た
それによってユウカさんは【薬剤師】という職業だと分かり
クデール王国に言われるがまま夜幻花の成分を抽出してしまったそうだ
後に夜幻花が危険な植物である事を知ったのだが時既に遅く強力な幻覚作用・催淫効果を持つ《ブラック・インモラル》が誕生しそれは既にクデール王国外にまで広まってしまった。

「俺達はすぐにクデール王国を後にしてブラック・インモラルを追って言ったら月天の蛇と呼ばれる組織にたどり着いた。」

月天の蛇、ドン・ヴァ・ルジャンがトップに立つ犯罪組織の一つ
ただしあの日俺が戦った後、行方を眩まし既に月天の蛇は解体された
その事をマサムネさんに告げたら驚かれたが確かにその通りだと肯定された

「なぜアノク君がその事を知っているのかは置いておいて、確かに月天の蛇は解体されてる。ただしそれと入れ替わるようにある組織が急激に勢力を伸ばし始めてる
ーイビル教団
何でもこの世界を変革するって謳い文句で活動してるみたいだけどやってる事は月天の蛇と変わらない...いや、むしろブラック・インモラルをさらに改良した薬をばら蒔き始めた時点でさらに質が悪い。」

血の気が引くほど力を込めた拳からマサムネさん達の怒りが嫌という程に伝わってくる。

「そのイビル教団を仕切ってるのは誰なんです?」

「ーミラと呼ばれる人物だ」

ミラ、その名前を聞いた途端に感情が泡立つ
あの日俺が負けた相手だ。あいつがその気になっていれば俺は間違いなく殺されていただろう。
その事を全員に伝えると驚愕されたが俺はそれ以上になぜマサムネさん達がホエールポートに来ているのかがこの時疑問に思った

「それはホエールポートに出現した迷宮。その最奥にあると言われてる魔道具を手に入れる為さ。"アレ"がイビル教団の手に渡ったら大変なことになるからね」

「どんなものなのか知っているんですか!?」

「ああ、Sランクのツテで凄い情報屋と手を組んでるんだがそいつが言うには注入した魔力量に応じて使用した対象の効果を高めるって魔道具らしい。
シンプルな効果だけどその分汎用性が高い。例えばブラック・インモラルにこれを使ったらほんの数滴摂取しただけで一気に廃人になるだろうね」

確かにそれは危険だしまず間違いなくイビル教団、ミラは狙ってくるだろうしそうでなくてもこれが悪用されたら不味いことは容易に想像がつく。

「なぁ、アノク達もこの時期にホエールポートに来てるって事は迷宮攻略が目的だったんだろ?なら頼みがある。
俺達は冒険者だし勿論それなりの報酬も出すつもりだ
どうだ?」

マサムネさんからの提案。
俺達としては元々迷宮が目的だったし見返りもあるのなら内容によっては受けても良いかも知れない。
「内容と報酬について聞いてもいいですか?」

「そうだな、頼みは二つ、迷宮攻略の協力と最奥にある魔道具《海竜の眼》を俺達が預かる事を了承してもらいたいってとこだな。
報酬については別途考えるけど.....ユウカ、アレ、頼めるか?アルビダさんに」
その言葉で察したのかユウカさんが頷きアルビダに手をかざす
「痛みは無いから安心して、【抽出】!」
その瞬間アルビダの身体から黒紫のブクブクと蠢くヘドロのようなものが流れ出てきてそれが収まると心なしかアルビダの表情が明るくなったように感じた。

「今体内に残留してた毒素を全部抜いたわ。これでもう安心よ」

「ー!!アルビダ!」

「アノク!何だか頭が冴えてる感じ!これならまた前見たいに魔法も使えそうよ!」

アルビダの完全復活。これは俺達からしたらかなりの報酬かもしれないな。
喜びあってる女子3人を見て俺はこの提案を飲む事に決める。
「アルビダを治してもらってありがとうございます!是非協力させてください!」

「....元はと言えば私のした事が招いた事。感謝を言われるような事では無いわ」

「何はともあれ、ありがとう皆!」

その後は俺達の事やミサトの友朋の事など何気ない会話を楽しみつつ迷宮攻略について話会いを続け
攻略は明後日からと決まった
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