役立たずと言われ追放された支援職の[罠師]だけど最強を目指します！

3章

side【蒼の聖剣】ロロナ

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私は冒険者だった。
それはまだ若い頃の話。何も知らない田舎者だった私は小さい頃から何度も読んでいた絵本に登場する冒険者にあこがれた。
結局私の職業は【回復師】だったけど、それでもあきらめきれなくて両親の静止も聞かず家を飛び出した。
目指したのはサンプトランド王国。別に冒険者になるならどこでもよかったけど絵本に登場する冒険者がサンプトランド王国の人だったから何となくそこにした。


けど現実はそう甘いものでもなくて【回復師】だった私は誰かとパーティを組まないとまともに任務を受ける事が出来ない。
そんな時に蒼の聖剣に誘われたんだけど私を誘ったグラハムさん.....いや、グラハムは人好きのする笑顔を振り撒いて如何に私を必要しているかを解いた
その言葉はある意味では本当である意味では全くの嘘だった
私を必要としていたのは蒼の聖剣のリーダーだったバートンと言う男
【勇者】でありながら裏で随分と非道な行いをしていたらしい。
犯罪者として収監される予定だったけど逃げて行方を眩ましている。
それからは知らない。
もう思いだしたくもないがアノクさん達は元気でやっているだろうか...
それだけが気がかりでしょうがない

私と同じ支援職の【罠師】でありながら頂きを目指し続けている尊敬できる人だ

「ママー！パパ返ってきたよー」

「ふふ、分かったわアノそしたらアルと一緒に手を洗って来て
すぐに夕飯の準備をするわ」

「うん！分かった！あのねママ。ぼく大きくなったら冒険者になってママを悪い奴から守ってあげるんだ！」

「あらま。それは嬉しいわ。なら沢山食べて早く大きくならないとね！」

故郷の幼なじみと結ばれ出来た2人の愛する子供達
冒険者だった頃に出会った二人の仲間の名前を頂いた。
アノは【罠師】アルは【魔導師】なんの因果か二人ともおんなじ職業だ

 

「号外ー！号外だよー！」
顔馴染みの新聞屋が号外を手渡してくる

「これはこれはロロナさん。今回のネタはスゴいぜー
あの最強と名高いアノク・ゴールドバーン率いる【金の薔薇】が遂に魔王四天王の一人を打ち破ったんだぜ！！」

手渡された新聞の一面にでかでかと載せられた【金の薔薇】のメンバー達
精霊魔法の使い手　リリーベル・ローズ・サバンシア
氷魔法のスペシャリスト　魔導師アルビダ
最年少Ｓランク回復師　天才リノ
東方の剣豪【サムライ】トキ・ツカゼ

そして金の薔薇パーティーリーダー
【罠師】アノク・ゴールドバーン



「あれ？驚かないんですね」
そうでしたかと小さく笑う私に新聞屋はそう訪ねてくる


「えぇ....驚きはしませんよ。だって私は知っていますから」
.....彼の強さを誰よりも





「うわーん！ママ痛いよ～！」
「あらあら、見せてごらんなさい。大丈夫、すぐ良くなるわ【急速回復クイックキュア】」


「.....相変わらずあなたの回復魔法は驚きだ。仕事柄いろんな事が人を見てきたがあなたの回復魔法は群を抜いている....間違いなく金の薔薇のリノ様に匹敵する腕の持ち主だ。どうです？今から冒険者に復帰してみるというのは」


「....戻りませんよ。私には守るべきものがありますから」


「.......残念だ。あなたが最強の冒険者パーティーでその才を振るう。そんな可能性があったとしたならば、私は見てみたかったですよ」

ではまたと手を振る新聞屋は時期に姿が見えなくなってゆく。
もし、冒険者を続けていたならば。そんな事何度だって考えた。
でもこれでいいのだ。私のあこがれはまだ終わっていない。きっと子供たちがいつか見せてくれるだろうから。