【神回】最高神 暇になったので降臨してみた ＃1

最高神 冒険者になる

無事ノエリアの問題を解決した俺は
冒険者登録を済ませ、Ｇランクの冒険者として《始まりの草原》という場所に来ている
ここはＧ～Ｆランクまでの魔物しか出てこない為俺のような冒険者登録を終えたばかりの駆け出しにはうってつけの場所というわけだ

「アス！いたぞホーンララビットだ。奴らは攻撃力は低いが動きが素早いからな仕留める際は矢のように遠距離から攻撃できる武器を使うか魔法を使って倒すのが効率がいいぞ」

俺は今ノエリアと共に依頼を受けている。というのもこれはノエリアが言い出した事で助けて貰ったお礼を兼ねて
冒険者としての知識を教えて貰っているのだ。冒険者というか人間の世界の常識にすら疎い俺にとってはメリットしかないがどうやらノエリアとしても今回の出来事でソロで今後続けてゆく大変さを痛感したらしく
パーティーを組む予行演習にもなるので都合がいいそうだ。
ノエリアが良いのであればと特に反対はせず、記念すべき俺の初クエスト《ホーンラビットの肉×２》の納品依頼を受けていた。
ちなみに神が生き物を殺すはどうなんだと聞かれそうなものだが神にも《戦神いくさがみ》や《狩猟の神》なども存在することから分かるように別に神は殺しを全否定しているわけでは無い。
俺としても不必要な殺しをすることは毛頭ないが今回の場合は冒険者として人の暮らしを営む上で自然の摂理だと思っている

「なるほど！魔法だな！ならば断罪のバニッシュメント....」「断罪の！？ちょっ...ちょっと待て！Ｇランクの魔物になんて威力の魔法を放とうとしてるんだ！？」

慌ててノエリアが止めに入りアスにどうやって倒すかを実演するノエリア

「－という感じでホーンラビットくらいだったら初級魔法の魔法矢マジックアローくらいで十分だ
先ほどは何を放とうとしていたか分からないが間違ってもあんな高密度の魔法を放つのはやめてくれ...」

ふむ、成程。動きが速いと先ほど言っていたから広範囲への攻撃であればさすがによけれないだろうと踏んだのだが
威力が問題か...だがノエリアのやり方を見れたおかげでこの後の狩りは何の問題も無く終える事が出来た


のだが....

「なあ、アス...初級魔法を知らないってどういう事なんだ？君はさっきから魔法を使ってただろう....」
マジックアロー以外に初級魔法は何があるのか聞いたらノエリアから信じられないという顔をされたのだ
すかさずお得意の田舎出身作戦を使い一応の納得は見せたが暫く初級魔法の存在を知らない田舎があるのか？
とブツブツつぶやいていた。




－－「よし！アス私は決めたぞ！」
素材の納品を終えた帰り道。ノエリアが俺に向かってそういってきた。
「ほう？何を決めたんだ？」

「私はアスと正式にパーティーを組もうと思う！」

「おお！そうか、俺としては喜ばしい限りだがいいのか？お礼とやらは今日で十分返して貰ったと思うが」

「確かに、私は命を救われた。それに対して恩を感じているのはもちろんある。だがアス！君はあまりに常識を知らなすぎる！初級魔法の件もそうだし、納品の時のあれは衝撃過ぎたぞ？通貨をみてまさか、これはなんだ？光っていて綺麗だななんて言う人が存在するなんてな。多少常識に疎い部分は君が田舎出身だという事から理解できるが通貨に関しては大陸共通通貨だから君の村でも使っていたはずだぞ！？」

あー....あれはな。神世界で通貨というものが存在しないから思わず口にしてしまったんだ。

「そ...そうか。でもそれがなんでパーティーを組むきっかけに？」

「私が君に常識を教える！！君はちょっと放っておいてはいけない存在だと私の直感が告げているのでな！」

「あ......そう。ならよろしく....な」



こうして俺は冒険者になった初日で新たな仲間もとい下界の常識教育係を手に入れたのだった。