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第十四話 教会の声明
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第十四話 教会の声明
大聖堂の鐘が、昼過ぎに鳴り響いた。
祈りの時刻ではない。
特別声明の合図だった。
王都の民は足を止め、貴族は窓を開け、王宮の侍従たちは顔を上げる。
教会が動くとき、王国は制度で動く。
王太子女叙任から一週間。
軍の忠誠確認、議会承認、政務開始。
流れは静かに固まりつつあった。
だが決定的な壁は、まだ公に築かれていない。
教会の明確な声明。
王統順位の最終的な神学的承認。
大聖堂の広間には、王家、重臣、貴族代表が集められていた。
国王は中央に座す。
第一王子レオンは左列。
王太子女であるわたくしは右列。
大司教が進み出る。
「本日、王統確認の最終結論を公にする」
広間が静まり返る。
「正妃エレノアの嫡出子、アリアベルは、神前婚姻に基づく正統な継承資格を有する」
形式的確認。
だが次が本題。
「側室の子、レオンは王子としての資格を有するが、嫡出順位においては第二位」
事実の再宣言。
第一王子の肩がわずかに強張る。
だが大司教は続ける。
「よって、王太子女アリアベルの地位は、神学的にも正統」
広間に重みが落ちる。
これで王、議会、軍、教会。
四重承認。
制度は閉じた。
レオンが立ち上がる。
「教会は私を否定するのか」
声は荒くない。
だが焦りが滲む。
「否定はしておりません」
大司教は冷静だ。
「王子としての尊位は保たれる」
「だが王太子ではない」
「王統順位に従います」
短い返答。
神の名の下に。
国王が静かに口を開く。
「これで疑義は消えた」
それは終結宣言。
広間にいる貴族たちは理解する。
もはや議論の余地はない。
教会が壁となった。
王宮へ戻る廊下で、視線がさらに変わる。
第一王子に向けられていた遠慮が消える。
代わりに、静かな同情が生まれる。
だが同情は力にならない。
夕刻、第一王子がわたくしを呼び止めた。
「教会まで味方につけたか」
「味方ではありません」
「ならば何だ」
「記録に従っただけです」
彼は拳を握る。
「私は何も間違っていない」
「はい」
わたくしは否定しない。
彼の選択は彼のもの。
だが制度は制度。
「まだ終わっていない」
またその言葉。
「終わっていません」
だが始まりも変わらない。
王宮の高窓から光が差す。
教会の鐘が遠くで鳴る。
神学的承認は、最も強い固定。
王太子女の地位は、揺らがない。
第一王子は、まだ立っている。
だが壁は築かれた。
神の名の下に。
そしてその壁は、誰にも壊せない。
大聖堂の鐘が、昼過ぎに鳴り響いた。
祈りの時刻ではない。
特別声明の合図だった。
王都の民は足を止め、貴族は窓を開け、王宮の侍従たちは顔を上げる。
教会が動くとき、王国は制度で動く。
王太子女叙任から一週間。
軍の忠誠確認、議会承認、政務開始。
流れは静かに固まりつつあった。
だが決定的な壁は、まだ公に築かれていない。
教会の明確な声明。
王統順位の最終的な神学的承認。
大聖堂の広間には、王家、重臣、貴族代表が集められていた。
国王は中央に座す。
第一王子レオンは左列。
王太子女であるわたくしは右列。
大司教が進み出る。
「本日、王統確認の最終結論を公にする」
広間が静まり返る。
「正妃エレノアの嫡出子、アリアベルは、神前婚姻に基づく正統な継承資格を有する」
形式的確認。
だが次が本題。
「側室の子、レオンは王子としての資格を有するが、嫡出順位においては第二位」
事実の再宣言。
第一王子の肩がわずかに強張る。
だが大司教は続ける。
「よって、王太子女アリアベルの地位は、神学的にも正統」
広間に重みが落ちる。
これで王、議会、軍、教会。
四重承認。
制度は閉じた。
レオンが立ち上がる。
「教会は私を否定するのか」
声は荒くない。
だが焦りが滲む。
「否定はしておりません」
大司教は冷静だ。
「王子としての尊位は保たれる」
「だが王太子ではない」
「王統順位に従います」
短い返答。
神の名の下に。
国王が静かに口を開く。
「これで疑義は消えた」
それは終結宣言。
広間にいる貴族たちは理解する。
もはや議論の余地はない。
教会が壁となった。
王宮へ戻る廊下で、視線がさらに変わる。
第一王子に向けられていた遠慮が消える。
代わりに、静かな同情が生まれる。
だが同情は力にならない。
夕刻、第一王子がわたくしを呼び止めた。
「教会まで味方につけたか」
「味方ではありません」
「ならば何だ」
「記録に従っただけです」
彼は拳を握る。
「私は何も間違っていない」
「はい」
わたくしは否定しない。
彼の選択は彼のもの。
だが制度は制度。
「まだ終わっていない」
またその言葉。
「終わっていません」
だが始まりも変わらない。
王宮の高窓から光が差す。
教会の鐘が遠くで鳴る。
神学的承認は、最も強い固定。
王太子女の地位は、揺らがない。
第一王子は、まだ立っている。
だが壁は築かれた。
神の名の下に。
そしてその壁は、誰にも壊せない。
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