『婚約破棄されたので王太子女となります。殿下より上位です』
「君との婚約は破棄する」
王太子レオンは、舞踏会の場で公爵令嬢ルシアとの婚約を一方的に破棄し、男爵令嬢との新たな婚約を宣言した。
――だがその瞬間、王国の均衡は静かに崩れ始める。
教会の調査により明かされたのは、隠されていた王統の真実。
ルシアこそが正妃の娘であり、王統第一位の正統継承者だった。
「あなたと、わたしは腹違いの兄妹です。……お兄様と婚約なんて無理です」
婚姻不可の宣言。
王太子位の剥奪。
そして――王太子女叙任。
殿下より、上位。
だがこれは復讐劇ではない。
彼女は誰も断罪しない。
制度を乱さない。
ただ政務をこなし、評価を積み重ねる。
軍は忠誠を誓い、教会は支持を表明し、議会は自然と彼女を選ぶ。
一方、王子は処罰されない。
廃嫡もされない。
王宮に残り、肩書きも与えられたまま。
ただ――
誰にも選ばれなくなる。
これは、悪人ではない王子が「王に向かなかった」物語。
そして、静かに女王となる令嬢の物語。
上品に、確実に、未来が固定されていく
重厚政治×静かな逆転の王宮譚。
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