異世界転生公爵令嬢は、オタク知識で世界を救う。

ふわふわ

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ショタ萌え炸裂編 第六章 自然の試練と深まる絆

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 建設が順調に進み、ダムの形が少しずつ見え始めた頃。
 空は突如として黒雲に覆われ、砂漠の国には珍しい大雨が降り注いだ。

 ――それは、砂漠の大地が久しく忘れていた自然の猛威。
 乾いた地面は水を吸収できず、濁流となって一気に街を襲った。


---

◆萌えポイント20:涙目でしがみつく王子

「お姉様っ! 危ないです!」

 轟々と流れる濁流を前に、小さなレオナルド王子は必死にエリアナの服を掴んだ。
 その瞳には恐怖の涙が浮かんでいる。

「大丈夫、レオ様。私が必ずお守りします」

 エリアナは迷わず王子を抱きかかえ、高台へと駆け上がった。
 小さな体がぎゅっとしがみついてくる。

(うわぁぁぁ……! 怯えて泣きそうなショタに抱きつかれる破壊力……! 守護欲が天を突き抜ける……!)


---

◆萌えポイント21:怖がりな甘えん坊

 避難先の建物で一息ついた後も、レオナルドはエリアナの袖を離そうとしなかった。

「……お姉様、怖いです。水の音がまだ聞こえます……」

 小さな体を震わせて甘えてくる姿に、エリアナは思わず頭を撫でる。

「もう大丈夫です。ここは安全ですから」

「……ずっと一緒にいてください」

(ひぃぃ……! 甘えん坊ショタ、可愛すぎて心臓がもたない……! 世界が滅んでもこの子を守りたい……!)


---

◆萌えポイント22:泥だらけの手伝い

 洪水が収まった後、村は泥と瓦礫に覆われていた。
 人々が呆然とする中、レオナルドは小さな声で言った。

「僕も……手伝います!」

 そう言って、泥だらけになりながら瓦礫を片付け始める。
 小さな手で石を運び、重い板を大人と一緒に引きずる。

「王子様、そんなことをなさらなくても!」
「いえ、僕もこの国の一員ですから!」

 作業員たちが感動して涙ぐむ中、エリアナは胸を押さえた。

(うわぁぁぁぁぁぁ! 健気ショタ爆誕! 汚れても笑顔で頑張るとか反則……! 尊すぎて泣ける……!)


---

◆萌えポイント23:夜の励まし合い

 その夜。
 仮設の避難所で、二人は疲れた体を寄せ合いながら座っていた。

「お姉様がいるから……僕は怖くありません」
「……私もです。レオ様がいてくださるから、私は頑張れるのです」

 小さな手と、大きな手が重なる。
 年齢を超えた、純粋で温かな絆。

「僕……お姉様みたいに強くなりたいです」
「きっとなれます。レオ様なら」

(……ああ、この子はきっと未来を背負っていく。私が全力で支えたいと思える……特別な存在……!)

 雨上がりの夜空には、無数の星々が輝いていた。
 二人の絆もまた、その光に負けないほど強く結ばれていた。

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