追放された令嬢ですが、隣国公爵と白い結婚したら溺愛が止まりませんでした ~元婚約者? 今さら返り咲きは無理ですわ~

ふわふわ

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第26話 領民からの感謝状と“奥様人気”の大爆発

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◆第26話 領民からの感謝状と“奥様人気”の大爆発

翌日――。

朝食を終えたエテルナは、ミーナに呼び止められた。

「奥様、本日……領民の皆さまから“お届け物”が多数届いております」

「お届け物? わたくしに……?」

ミーナは大きく頷いた。

「はい。昨日、奥様が助けられた怪我人のご家族からです。
 治癒魔法の件が街中に広まり、皆さまが感謝を伝えたいと……」

「そ、そんな……わたくしはただ、目の前の方を助けただけですのに」

エテルナは戸惑いつつも、胸が温かくなった。

そして案内されて向かった先――。


---

◆◆公爵邸の玄関ホールが“贈り物の山”に

「う、嘘……」

玄関ホールに積まれていたのは、果物、焼き菓子、花束、手紙の束。

さらに木彫りの小さな天使が並び、その台座には
“公爵夫人様に感謝を込めて”
と書かれている。

ミーナは涙をぬぐいながら言った。

「奥様……皆さま、本当に奥様のことを“守ってくださる存在”だと……
 公爵領の宝だと仰っています」

(宝……そんな大それたものでは……)

思わず胸に手を当てるエテルナ。

次々に運ばれてくる贈り物に、メイドたちは大慌てだ。

「奥様、こちら、手紙だけで三十通……!」

「え、三十!?」

「いえ、増えてきました! 五十通です!」

(増えてる!?)


---

◆◆エテルナ、感謝の手紙を開く

震える指で一通の封を開いた。

《私の娘を助けてくださり、ありがとうございました》

《あなた様がいなければ、今ごろ私たちは悲しみに沈んでいたでしょう》

《どうか、公爵様とお幸せに》

「……っ」

最後の一文で、エテルナは固まった。

(な、なぜ結婚の話に……)

そこへ別のメイドが駆け寄る。

「奥様! 街では“奥様が来ると花が咲く”という噂が……!」

「そ、それは間違いですわ!?」

「いえ、実際に奥様が歩かれたあと、蕾だった花が開いたとか……」

(えっ……?)

昨日の治癒魔法の影響かもしれない。

エテルナは耳まで真っ赤になった。


---

◆◆当主アウレリオ、事態を把握する

その頃。

執務室に飛び込んできたフローレンが報告した。

「旦那様、大変でございます!」

「また何か騒ぎか」

「奥様の人気が爆発しております!」

「…………は?」

フローレンは手紙の束を机に積んだ。

「こちら、領民から奥様への感謝状です。
 本日届いた分だけで百通を超えております」

「百……?」

「奥様はすでに“守護聖女様”と呼ばれ始めておりまして……」

アウレリオの眉がぴくりと動く。

「……守護、聖女?」

「はい。皆、奥様に深く感謝し、敬意を払っております」

アウレリオは少し黙り込んだ。

そして、ぽつりと。

「……それは良いことだ」

しかし、その目には微妙な翳りがあった。

(皆が彼女を欲しがっている……?
 エテルナがこの領地で必要とされていることは喜ばしい。
 だが……なぜ私は、胸がざわつく?)

アウレリオは小さく息を吐いた。

「……彼女は、私の妻だ」

無意識に呟いてしまい、フローレンがびくっと震える。

「だ、旦那様!? いま“妻”と――」

「言って悪いか?」

「い、いえ、むしろ歓迎でございます!!」


---

◆◆贈り物の確認をする“夫婦の時間”

夕刻。

「旦那様、こちら……領民の皆さまからの贈り物です」

と、エテルナが控えめに声をかけた。

アウレリオはそっと隣に座る。

エテルナは手紙を読みながら言った。

「皆さま……とても温かい方ばかりですわ」

アウレリオは静かに頷いた。

「それは君のおかげだ。
 君が救った命があり、君が笑いかけた人々がいる。
 領地が変わり始めている」

「そんな……わたくしは大したことなど……」

「ある」

その声は驚くほど優しかった。

エテルナは思わず見つめる。

アウレリオは少しだけ視線を逸らし、

「……皆が君を“宝”と呼ぶ理由が、よくわかる」

「……っ」

胸が熱くなる。

エテルナは思わず手を握りしめた。

アウレリオはその指先にそっと触れた。
しかし、触れた瞬間、自分で驚いたように少し固まる。

「……すまない。つい……」

「い、いえ……わたくし……嬉しかったです」

その小さな言葉は、アウレリオの胸に深く響いた。


---

◆◆そして夜――屋敷中の噂はさらにヒートアップ

「旦那様、奥様の手を取ってらしたわよ!」

「ついに……!?」

「もしかして白い結婚、終了では!?」

「いや、まだ慌てるな。だが……これは来るぞ……“真っ赤な結婚”が……!」

使用人たちの期待は天井知らずに膨らんでいた。

当の二人だけが、まだ自覚していない。

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