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第三十七話 試されるのは覚悟でしてよ
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第三十七話 試されるのは覚悟でしてよ
評議会当日。
王城の大広間は、静まり返っていた。
重臣、貴族代表、商人連合の使者、そして帝国使節までもが列席している。
形式上は王家の内部評価。
だが実質は――国の進路決定。
「王太子カイゼル」
重臣の長が名を呼ぶ。
「ここまでの対帝国政策と財政判断について、説明を」
カイゼルは一歩前へ出る。
かつてのような高圧的な態度はない。
背筋は伸びている。
「借款は必要だった」
ざわめきが走る。
「だが依存は誤りだった」
正面から認める。
「内陸港整備と流通分散は、遅れたが正しい選択だ」
誰かが小さく息をのむ。
失策を隠さない。
それは弱さではない。
覚悟。
「今後も協力は続ける」
帝国使節が静かに見つめる。
「だが主導は我が国に置く」
沈黙。
長い沈黙。
「責任は私が負う」
その一言が、広間に落ちる。
拍手はない。
だが空気が変わる。
一方、公爵席。
私は静かに見つめていた。
彼は逃げなかった。
それだけで十分。
「公爵令嬢レティシア」
不意に名が呼ばれる。
視線が集まる。
「貴女は王太子を支えたと聞く」
「事実です」
私は穏やかに答える。
「だが決断は殿下のもの」
「王妃の器と見る声もある」
広間がざわめく。
カイゼルの視線が、わずかに動く。
私は一歩前へ出る。
「王妃の器かどうかは存じません」
静かな声。
「ですが、守る覚悟のある王を支える覚悟はございます」
空気が、さらに変わる。
甘い溺愛でもない。 野心でもない。
覚悟。
ユリウスは小さく微笑む。
セリーナは目を伏せる。
彼女は理解している。
優しさだけでは足りなかったことを。
評議会は続く。
重臣たちが意見を述べ。 商人連合が支持を表明し。 帝国使節が沈黙を守る。
やがて結論が告げられる。
「王太子カイゼル、統治継続を承認」
拍手は小さい。
だが確実。
王座は揺れた。
だが落ちなかった。
夜。
王城の回廊。
「……終わった」
カイゼルが小さく呟く。
「始まりですわ」
私は静かに答える。
「守ると宣言した以上、続きます」
彼は私を見る。
「支えてくれるか」
迷いはない。
「覚悟があるなら」
短い言葉。
だが重い。
王座は守られた。
だが器はまだ試される。
試されるのは能力だけではない。
覚悟。
そして――隣に立つ者の覚悟。
夜風が吹く。
評議会は終わった。
だが本当の戦いは、これから。
守る覚悟が本物かどうか。
国も、王も、そして私も。
すべてが試され続けるのですわ。
評議会当日。
王城の大広間は、静まり返っていた。
重臣、貴族代表、商人連合の使者、そして帝国使節までもが列席している。
形式上は王家の内部評価。
だが実質は――国の進路決定。
「王太子カイゼル」
重臣の長が名を呼ぶ。
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かつてのような高圧的な態度はない。
背筋は伸びている。
「借款は必要だった」
ざわめきが走る。
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正面から認める。
「内陸港整備と流通分散は、遅れたが正しい選択だ」
誰かが小さく息をのむ。
失策を隠さない。
それは弱さではない。
覚悟。
「今後も協力は続ける」
帝国使節が静かに見つめる。
「だが主導は我が国に置く」
沈黙。
長い沈黙。
「責任は私が負う」
その一言が、広間に落ちる。
拍手はない。
だが空気が変わる。
一方、公爵席。
私は静かに見つめていた。
彼は逃げなかった。
それだけで十分。
「公爵令嬢レティシア」
不意に名が呼ばれる。
視線が集まる。
「貴女は王太子を支えたと聞く」
「事実です」
私は穏やかに答える。
「だが決断は殿下のもの」
「王妃の器と見る声もある」
広間がざわめく。
カイゼルの視線が、わずかに動く。
私は一歩前へ出る。
「王妃の器かどうかは存じません」
静かな声。
「ですが、守る覚悟のある王を支える覚悟はございます」
空気が、さらに変わる。
甘い溺愛でもない。 野心でもない。
覚悟。
ユリウスは小さく微笑む。
セリーナは目を伏せる。
彼女は理解している。
優しさだけでは足りなかったことを。
評議会は続く。
重臣たちが意見を述べ。 商人連合が支持を表明し。 帝国使節が沈黙を守る。
やがて結論が告げられる。
「王太子カイゼル、統治継続を承認」
拍手は小さい。
だが確実。
王座は揺れた。
だが落ちなかった。
夜。
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「……終わった」
カイゼルが小さく呟く。
「始まりですわ」
私は静かに答える。
「守ると宣言した以上、続きます」
彼は私を見る。
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迷いはない。
「覚悟があるなら」
短い言葉。
だが重い。
王座は守られた。
だが器はまだ試される。
試されるのは能力だけではない。
覚悟。
そして――隣に立つ者の覚悟。
夜風が吹く。
評議会は終わった。
だが本当の戦いは、これから。
守る覚悟が本物かどうか。
国も、王も、そして私も。
すべてが試され続けるのですわ。
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