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第113話 シキvsソニック
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オケアノス軍の殺し屋――シキ。
RTA走者――ソニック。
両者は10mの距離で止まる。
シキは左右の腰にそれぞれG-AGEとワンオフ式サーベルの端末を差している。1撃必殺の二振りだ。
ソニックは鉄の拳を両サイドに浮かせ、敵の出方を見る。
「どうしてボクっちの場所がわかったのかな~?」
「まともな指揮官は大抵、陣の最後方か中心にいる。この戦艦は陣の中心に居て、それでいて他の戦艦が守備を固めていた。設備も他の戦艦と違う。明らかな指揮官機です」
「なんで船底にいると思ったの? 普通、指揮官はブリッジでしょ」
「別に船底に居るとは思ってませんでしたよ。――船底から侵入して、艦内全てのスペースガールを壊すつもりだっただけです」
当然とばかりに言う狙撃手に、ソニックは思わず畏怖を抱いた。
(殺し屋……!)
ソニックは戦術だけが得意なわけじゃない。RTA走者は最短最速を行くためにプレイヤースキルも総じて高い。RTA走者の最高峰であるソニックも当然、上位のスキル・センスは持っている。
問題は――
(しまったぁ……! ボクちゃんは直接対峙することは無いと思って、シキの情報を頭に入れてない……! 外見的特徴だけ聞いて、武装とか適当に聞き流してた……!)
ソニックは待つ。
ソニックの1番の持ち味は分析・解析・解剖・対策。まずは相手を見てからじゃないと始まらない――のだが、シキは一向に動く様子を見せない。
「ど、どうしたのさ! 早く来なよ!」
「いいえ、待ちます」
「はぁ!?」
「だって、こうやって待っているだけでも……」
爆撃の音が、耳に届く。
「僕には得しかありませんから。あなたが僕に集中している間、そちらの軍の指揮は宙に浮く。あなたがいなければ、オケアノス軍の優勢だ」
(こいつぅ……!!)
数の利も、兵士の練度も、オケアノス軍が上だ。
指揮レベルがドローなら、オケアノス軍が勝つ。
メーティス軍はこのままでは10分ともたず、形勢を決められてしまう。
――シキの言葉が、ソニックに焦燥を生む。
待ちに徹しないといけないのに、焦らされる。
幾千、幾万のプレイヤーを葬ってきたシキの仕掛ける心理戦。
(落ち着け……! わかるわかる。これはアイツの戦術。ボクっちを焦らせて、攻めて来させてカウンターを取るつもりだ……ボクっちの苦手な土俵に、連れ込む気だ)
焦って倒されてしまえば元も子もない。デリートされれば、この場所から離れてしまう。この設備から離れてしまう。指揮系統の回復、通信機器の立て直しまで最低でも10分かかる――デッドラインだ。落とされてはならない。
(こっちで開戦のタイミングは決められるんだ。まずは深呼吸して――)
――バン!!!
ソニックが深く空気を吸ったと同時に、シキは発砲した。
右手でG-AGEを抜き、左手でサーベル端末を抜いた。G-AGEの1撃は鉄拳のガードを突き破りソニックの胸の中心を、サーベルは鉄拳を躱してソニックの首を切断した。
2種の初見殺しによる確殺2連撃。
「ちょお!? 先手はくれるんじゃ……!?」
「す、すみません。僕が『待つ』と言ったのはあなたの攻撃ではなく、あなたの気が緩む瞬間です」
時間を与えられれば自然と人の気は緩む。
ターゲットの一瞬の気の緩みを、狙撃手は見逃さない。
――シキはソニックの心の隙を、的確に狙撃した。
「うそ、つきぃいいいいいい!!!!」
ソニックがデリートされたことで、勝敗は決した。
その後、シキは艦内の敵を一掃し、さらに指揮官機を動かして周辺3機の戦艦を撃墜。中核を崩されたメーティス軍は崩壊。撤退を余儀なくされる。
ただ序盤の劣勢が響き、落ちた戦艦の数はオケアノス軍の方が上。オケアノス軍の海軍は大きく戦力を削られた。
さらに戦艦の基本武装や防衛システムも把握されてしまった。全てはグリーンアイス――ロゼッタの想定通りの展開だ。
しかし、ロゼッタは別に今日仕掛けるつもりは無かった。たまたまオケアノス軍のシステムが緩んだから手頃な艦隊を差し向けたのだ。
つまり、今日この日海戦が起きたのは……オケアノス軍本部の通信システムをダウンさせた白い流星のせいである。
RTA走者――ソニック。
両者は10mの距離で止まる。
シキは左右の腰にそれぞれG-AGEとワンオフ式サーベルの端末を差している。1撃必殺の二振りだ。
ソニックは鉄の拳を両サイドに浮かせ、敵の出方を見る。
「どうしてボクっちの場所がわかったのかな~?」
「まともな指揮官は大抵、陣の最後方か中心にいる。この戦艦は陣の中心に居て、それでいて他の戦艦が守備を固めていた。設備も他の戦艦と違う。明らかな指揮官機です」
「なんで船底にいると思ったの? 普通、指揮官はブリッジでしょ」
「別に船底に居るとは思ってませんでしたよ。――船底から侵入して、艦内全てのスペースガールを壊すつもりだっただけです」
当然とばかりに言う狙撃手に、ソニックは思わず畏怖を抱いた。
(殺し屋……!)
ソニックは戦術だけが得意なわけじゃない。RTA走者は最短最速を行くためにプレイヤースキルも総じて高い。RTA走者の最高峰であるソニックも当然、上位のスキル・センスは持っている。
問題は――
(しまったぁ……! ボクちゃんは直接対峙することは無いと思って、シキの情報を頭に入れてない……! 外見的特徴だけ聞いて、武装とか適当に聞き流してた……!)
ソニックは待つ。
ソニックの1番の持ち味は分析・解析・解剖・対策。まずは相手を見てからじゃないと始まらない――のだが、シキは一向に動く様子を見せない。
「ど、どうしたのさ! 早く来なよ!」
「いいえ、待ちます」
「はぁ!?」
「だって、こうやって待っているだけでも……」
爆撃の音が、耳に届く。
「僕には得しかありませんから。あなたが僕に集中している間、そちらの軍の指揮は宙に浮く。あなたがいなければ、オケアノス軍の優勢だ」
(こいつぅ……!!)
数の利も、兵士の練度も、オケアノス軍が上だ。
指揮レベルがドローなら、オケアノス軍が勝つ。
メーティス軍はこのままでは10分ともたず、形勢を決められてしまう。
――シキの言葉が、ソニックに焦燥を生む。
待ちに徹しないといけないのに、焦らされる。
幾千、幾万のプレイヤーを葬ってきたシキの仕掛ける心理戦。
(落ち着け……! わかるわかる。これはアイツの戦術。ボクっちを焦らせて、攻めて来させてカウンターを取るつもりだ……ボクっちの苦手な土俵に、連れ込む気だ)
焦って倒されてしまえば元も子もない。デリートされれば、この場所から離れてしまう。この設備から離れてしまう。指揮系統の回復、通信機器の立て直しまで最低でも10分かかる――デッドラインだ。落とされてはならない。
(こっちで開戦のタイミングは決められるんだ。まずは深呼吸して――)
――バン!!!
ソニックが深く空気を吸ったと同時に、シキは発砲した。
右手でG-AGEを抜き、左手でサーベル端末を抜いた。G-AGEの1撃は鉄拳のガードを突き破りソニックの胸の中心を、サーベルは鉄拳を躱してソニックの首を切断した。
2種の初見殺しによる確殺2連撃。
「ちょお!? 先手はくれるんじゃ……!?」
「す、すみません。僕が『待つ』と言ったのはあなたの攻撃ではなく、あなたの気が緩む瞬間です」
時間を与えられれば自然と人の気は緩む。
ターゲットの一瞬の気の緩みを、狙撃手は見逃さない。
――シキはソニックの心の隙を、的確に狙撃した。
「うそ、つきぃいいいいいい!!!!」
ソニックがデリートされたことで、勝敗は決した。
その後、シキは艦内の敵を一掃し、さらに指揮官機を動かして周辺3機の戦艦を撃墜。中核を崩されたメーティス軍は崩壊。撤退を余儀なくされる。
ただ序盤の劣勢が響き、落ちた戦艦の数はオケアノス軍の方が上。オケアノス軍の海軍は大きく戦力を削られた。
さらに戦艦の基本武装や防衛システムも把握されてしまった。全てはグリーンアイス――ロゼッタの想定通りの展開だ。
しかし、ロゼッタは別に今日仕掛けるつもりは無かった。たまたまオケアノス軍のシステムが緩んだから手頃な艦隊を差し向けたのだ。
つまり、今日この日海戦が起きたのは……オケアノス軍本部の通信システムをダウンさせた白い流星のせいである。
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