大人気ダンジョン配信者のサポーターをやっていたけど、あまりにパワハラが酷いから辞めることにする。ん? なんか再生数激オチしているけど大丈夫?

空松蓮司

文字の大きさ
24 / 77

第24話 何言ってんだコイツ

しおりを挟む
「は――はははは……あひゃはははははははっっっ!!!」

 飯塚は狂ったように笑いだした。

「言ったな唯我! 二言はねぇぞ!! こっちはシーカーで、お前達はサポーターで戦う!! 確かにそう言ったよなぁ!?」
「うん! 対戦形式は3対3のバトルロイヤル。フィールドなどの要素はギルド協会に委ねる。これでどうかな?」
「異論なしだ!」
「オッケー。じゃあ明日一緒にギルド協会本部に行ってデュエルの申請をしてもらうよ。互いのギルドマスターの承認が無いとデュエルはできないからね」

 トントン拍子で話が進んでいく。
 シーカーvsサポーターなんて、普通に考えればシーカーの圧勝。飯塚にとってこれは勝ち戦以外の何でもない。如月も動揺しているからきっとフェンリル有利と見ているんだろう。

 しかし、俺とアビスは違う思考をしている。

 サポーターのみ。ということは、現在サポーターの俺も出られるというわけだ。それなら十分に勝機はある。なんせ俺は飯塚が敗走した赤眼のミノタウロスに勝利しているからな。俺の実力は明確に飯塚より上だろう。
 相手が出してくる3人はA級シーカーである美亜と飯塚、他にA級シーカーはいないからB級シーカーの誰かを出してくるはず。美亜も飯塚も手の内は知り尽くしている。あっちは俺を舐め腐っているし、こちらに分がある。

「思わぬ収穫だぜ。お前らに勝てば、一気にギルドランキング100位以内には入れる。首を洗って待ってな」

 笑い声を病室に木霊させながら飯塚は病室を去る。

「い、いいんですか! あんな無茶なハンデ……」

 如月がアビスに問う。

「問題ない。こっちは葉村君を出せるからね」
「は、葉村さんは確かに凄いですけど……さすがにシーカー3人相手にするのはきついんじゃないですか?」
「別に俺1人で戦うわけじゃない。他に2人、味方がいる。オッドキャットのトップクラスのサポーターを出してくれるんだろ?」
「もちろんだ。君が好きに選んでいいよ。後でウチに所属するサポーターの一覧表を送ろう。欲しい項目は?」
「使える魔法と体術の評価と特殊技能。この3点は確実に入れてくれ」
「わかった。今日中に準備しよう」

 オッドキャットvsフェンリル。如月を賭けた戦い。責任重大だな。オッドキャットが負ければギルドポイントが大幅に下がるだけでなく、遥か格下に負けたという記録が残って一生の恥になるだろう。俺自身の身もかかっているしな。プレッシャーはある。

 けれど……それ以上に、ワクワクしている自分がいる。

 どうやら俺は戦闘狂の気質があるらしい。飯塚や美亜と戦えるのが楽しみで仕方ない。

「如月」
「は、はい!」
「待ってろ。お前が抱える柵全部、俺がぶっ壊してやる」
「っ!?」

 如月は耳を真っ赤にし、なぜかまたお面を被り出した。

「……は、葉村さんは……ちょっと言葉を選んだ方がいいです……」
「え!? なにか気に障るようなこと言ったか?」
「いやぁ、葉村君は歯が浮くようなセリフを平然と吐くよね~。僕もナルシストな方だと思うけど、君には負けるよ」
「なっ!? 俺はナルシストじゃないぞ!」

 いつも気を使って発言しているつもりなんだけど、俺の言葉ってなぜか人の逆鱗に触れるんだよな……無自覚でこれはまずいよな。改善しなければ。

 
 --- 


 ひとまず解散となり、俺はアパートに帰った。

「ん?」
「やっと来たわね……」

 俺の部屋の前、門番のように美亜が立ち塞がっていた。

「へぇ。敦君が言ってた通りだ。機械の右腕……気持ち悪っ。恥ずかしくないわけ? まだ片腕の方が目立たないじゃない」
「余計なお世話だ」
「は? なにその言葉遣い……うざ」

 なんか、あんまりビビってないな俺。あんなに恐怖の対象だったのに……威圧感や単純な強さで言えばミノタウロスには劣るし、コイツの性格は酷いモノだが飯塚よりはマシ。美人を相手にした時の特有の緊張感も無くなったな、アビスや如月と話してきたからかな。なんというか、全体的に上位の奴らと対峙してきたから美亜への恐れが減っている。

「部屋、入れなさいよ」
「別にいいけど、変なこと考えてないだろうな?」

 ペア解消された腹いせに部屋を荒らされでもしたら堪らない。

「は、はぁ!? 何言ってんのアンタ!! わ、私がアンタなんか襲うわけないでしょ!」

 なぜか美亜は顔を赤くして取り乱した。なに想像してんだコイツ。
 俺は部屋の鍵を開け、扉を開く。

「入れよ」

 俺がまず玄関で靴を脱ぎ、部屋に上がる。
 すると美亜がブーツを脱がずに部屋に上がろうとしやがった。

「土足厳禁だよ!」
「冗談よ」

 お前の場合冗談に思えないっての。
 美亜はブーツを脱ぎ、部屋に上がるとすぐにしかめっ面した。

「こんな狭いとこ住んでるの? 嘘、ワンルーム? マジで?」

 コイツ、誰のせいでこんなボロアパートに住んでいるのかわかってるのか? 俺だって、叶うことなら築70年のアパートじゃなくて新築の1LDKに泊まりたいよ! 

「どうぞ」

 ちゃぶ台に湯呑を置く。
 俺と美亜はちゃぶ台を挟んで向かい合って座る。

「それで、用件は?」
「交渉よ」
「交渉?」
「ええ。そろそろ自分の選択に後悔してると思ってね」

 何言ってんだコイツ。

「今なら前と同じ条件で雇ってあげるわ。敦君にも許すよう言ってあげる」

 ホント、何言ってんだコイツは……。






―――――――

面白かったらお気に入り登録&ハートの付与お願いします!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

転落貴族〜千年に1人の逸材と言われた男が最底辺から成り上がる〜

ぽいづん
ファンタジー
ガレオン帝国の名門貴族ノーベル家の長男にして、容姿端麗、眉目秀麗、剣術は向かうところ敵なし。 アレクシア・ノーベル、人は彼のことを千年に1人の逸材と評し、第3皇女クレアとの婚約も決まり、順風満帆な日々だった 騎士学校の最後の剣術大会、彼は賭けに負け、1年間の期限付きで、辺境の国、ザナビル王国の最底辺ギルドのヘブンズワークスに入らざるおえなくなる。 今までの貴族の生活と正反対の日々を過ごし1年が経った。 しかし、この賭けは罠であった。 アレクシアは、生涯をこのギルドで過ごさなければいけないということを知る。 賭けが罠であり、仕組まれたものと知ったアレクシアは黒幕が誰か確信を得る。 アレクシアは最底辺からの成り上がりを決意し、復讐を誓うのであった。 小説家になろうにも投稿しています。 なろう版改稿中です。改稿終了後こちらも改稿します。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

催眠術師は眠りたい ~洗脳されなかった俺は、クラスメイトを見捨ててまったりします~

山田 武
ファンタジー
テンプレのように異世界にクラスごと召喚された主人公──イム。 与えられた力は面倒臭がりな彼に合った能力──睡眠に関するもの……そして催眠魔法。 そんな力を使いこなし、のらりくらりと異世界を生きていく。 「──誰か、養ってくれない?」 この物語は催眠の力をR18指定……ではなく自身の自堕落ライフのために使う、一人の少年の引き籠もり譚。

『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!

IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。  無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。  一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。  甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。  しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--  これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話  複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。

アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。 それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。 するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。 それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき… 遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。 ……とまぁ、ここまでは良くある話。 僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき… 遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。 「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」 それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。 なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…? 2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。 皆様お陰です、有り難う御座います。

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
ファンタジー
 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

処理中です...