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消えた向日葵
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巨大な門をくぐり、広い駐車場に車が止まった。
「……うわー……」
車を降りたひまりは、目の前に広がる景色に息を呑んだ。
手入れの行き届いた広大な日本庭園、威圧感のある高い石塀。そして、遥か先に見える玄関先には、黒スーツの男たちがずらりと並んでいる。
「……おい、ひまり。遅れるな」
厳が先に歩き出す。ひまりも慌てて後を追ったが、庭のあまりの広さと、あちこちから自分を見る強面な男たちの視線に、思わず足がすくんでしまった。
(……怖い。みんな、私のこと睨んでるみたい……)
一瞬、立ち止まって足元を見た。
心を落ち着かせようと深呼吸をして、再び顔を上げたとき——。
「え……? 厳さん?」
前を歩いていたはずの厳の背中が、どこにもない。
駐車場から玄関へ続く道は、生け垣で複雑に分かれていた。右を見ても左を見ても、同じような石畳が続いている。
「厳さん! どこ!?」
不安がこみ上げ、ひまりは適当な角を曲がって走り出した。だが、行けども行けども玄関には辿り着かない。逆に、さらに静まり返った奥まった庭へと迷い込んでしまった。
「……どうしよう、置いていかれたのかも……」
ひまりが立ち尽くし、泣きそうになったその時。
「——テメェ、そこで何してんだ」
背後から、低く、怒気を孕んだ声がした。
振り返ると、そこには肩を怒らせ、眉間に深い皺を寄せた厳が立っていた。
ひまりを見つけるなり、彼は大股で近づき、その腕を折れそうなほど強く掴んだ。
「ひ、厳さん……っ、ごめんなさい、私……」
「……生きた心地がしねえとは、このことか。お前、俺の三歩後ろを歩けって言っただろうが」
厳の瞳には、怒りよりも強い「焦燥」が混じっていた。
彼はひまりを逃がさないようにその手を握りしめると、二度と離さないと言わんばかりの力で玄関へと引きずっていく。
「いいか。この屋敷の中じゃ、俺の側から一寸たりとも離れるな。……分かったな」
「……うわー……」
車を降りたひまりは、目の前に広がる景色に息を呑んだ。
手入れの行き届いた広大な日本庭園、威圧感のある高い石塀。そして、遥か先に見える玄関先には、黒スーツの男たちがずらりと並んでいる。
「……おい、ひまり。遅れるな」
厳が先に歩き出す。ひまりも慌てて後を追ったが、庭のあまりの広さと、あちこちから自分を見る強面な男たちの視線に、思わず足がすくんでしまった。
(……怖い。みんな、私のこと睨んでるみたい……)
一瞬、立ち止まって足元を見た。
心を落ち着かせようと深呼吸をして、再び顔を上げたとき——。
「え……? 厳さん?」
前を歩いていたはずの厳の背中が、どこにもない。
駐車場から玄関へ続く道は、生け垣で複雑に分かれていた。右を見ても左を見ても、同じような石畳が続いている。
「厳さん! どこ!?」
不安がこみ上げ、ひまりは適当な角を曲がって走り出した。だが、行けども行けども玄関には辿り着かない。逆に、さらに静まり返った奥まった庭へと迷い込んでしまった。
「……どうしよう、置いていかれたのかも……」
ひまりが立ち尽くし、泣きそうになったその時。
「——テメェ、そこで何してんだ」
背後から、低く、怒気を孕んだ声がした。
振り返ると、そこには肩を怒らせ、眉間に深い皺を寄せた厳が立っていた。
ひまりを見つけるなり、彼は大股で近づき、その腕を折れそうなほど強く掴んだ。
「ひ、厳さん……っ、ごめんなさい、私……」
「……生きた心地がしねえとは、このことか。お前、俺の三歩後ろを歩けって言っただろうが」
厳の瞳には、怒りよりも強い「焦燥」が混じっていた。
彼はひまりを逃がさないようにその手を握りしめると、二度と離さないと言わんばかりの力で玄関へと引きずっていく。
「いいか。この屋敷の中じゃ、俺の側から一寸たりとも離れるな。……分かったな」
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