悪役令嬢に転生した“元”狂人は普通に暮らしたい

幸見大福

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幼少期編

主人と拾い子

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***



とりあえず私はあの後すぐに家に帰った。門限があるわけではないだけど、何時間も空けているとまた誘拐と思われ”影”が出されてしまう。勘違いで出動は可哀そうだ。

そんなわけで全力ダッシュで帰宅したのだが…リアナがいた。



「…お嬢様。何をしていらしたのですか?そんなにお召し物を汚されて」

「……」



ちなみに私の格好は血まみれだ。正直もう使い物にはならないぐらい。

勿論、血痕はギーアが飛ばした元リーダーのだが、当然リアナが分かるわけではない。

冷や汗をだらだら流しながら、身振り手振り誤解と伝える。



「いや、あのこれは返り血で――」

「何をしていらしたのですか?」



全て洗いざらい吐かされました。

リアナ、怖い



紫音シノンが私の配下に加わったことまで全て話し、聞き終わったリアナは悲痛そうな顔をした。



「…だから何故、貴女様はその様な危険を冒すのですか…?私共は、もしもお嬢様が怪我でも何でもされたら、私たちは…!」

「…ごめんね」



謝ると、リアナからぽろぽろと涙が落ちていく。



「…前にもそう言ってくださりました。なのに、その身を盾にして…どれほど御自身に価値がありと思いで!?」



…絶対に失ってはいけない公爵令嬢。だから私は、自分を大切にしないといけない。それは分かってる。分かってるけど、守らないといけない。

ギーアとギィを守らなければいけない。



「…ごめんなさい」

「また謝るのですか!?それで抜け出して、どれほど心配をかけるのです!?」



私が何も言えないでいると、ふとリアナの表情が悲しげになった。



「…私はお嬢様の最大の秘密を共有しています。それでも何も言えないぐらい、そんなに私は頼りないのですか?」

「違う!」



気付いたら叫んでいた。

違うんだ。リアナは頼りなくない。誰よりも、そう、誰よりも信頼している。これだって反対しないのであれば相談するつもりだった。

だけど、私は反対をされた。これは信頼云々ではなく、意見の違いだ。



…いや分かっている。リアナの方が正しいのだと。貴族の令嬢としての立ち振る舞いなどでは、リアナの方が正しいのだと。

今私がしているのは子供のわがままなのだと。



「何が違うというのですか!?私のことなど気にもしていないのに!…誰よりも貴方様に尽くし、お役に立ちたいのに、まだ信用に値しないというのですか!?」



そんなことはない!



私は心の中で叫び続ける。口に出す暇がない。唇を強くかみしめ、通り道を閉ざしてしまっているから。愚かな自分は、泣きそうな感情を堪えている。

でも、それでも何か言わないと。私はそんな風に思っていないと主張しないと。誤解は、されたくない。



震える口を無理やり開き、息を吸う。



「…違うの、リアナ私は誰よりも貴女のことを信頼している。だけど今回は、リアナが賛成してくれなかったから一人で行動しただけよ」

「でも!それでもそんなに執着する必要はないですよね!?何か理由でも――」



リアナの言葉がすとんと腑に落ちた気がした。



…執着。これは執着、か。

そうか。うん、しっくりくる。私がすこしの事で感情が波打つのはそういうことか。



内心納得し、私は極力まじめな顔でリアナを見る。

頭の中で言いたいことを整理しながら、ゆっくりと話し出す。



「…一人の少年を、あの地獄のような場所から連れ出してあげたかったの。リアナ、私はどうしても助けたかった。ううん、『助ける』ではないかもしれない。だけどね、どうして私は見捨てることが出来なかったの」



言い訳がましことしか言えない私。リアナはなんていうのかな。もしかして、『公爵令嬢としての自覚をもっともて』っていうのかな。



だがリアナは私の想像の斜め上を言った。



「…知ってますよ。本当は誰よりも優しいのなんて、会った時から知ってます。だけど、それよりも私は自分の大切な存在を傷つけられたくないのです」



あははと笑うリアナの表情は見えない。手で覆ってしまっているから。

だけどそれよりも内容の方が信じられなかった。



「…誰よりも、優しい?初対面の時から知ってた?大事な存在?」



もしかして違う人物のことでも言っているのだろうか。

私のそんな疑問を感じ取ったのか、寂しさを感じさせる笑みを私に向けてきた。



「…いえ、それは今はいいですよね。そうですか。…それは、少し、いえかなり心苦しいのですが、仕方ない感じがありますね」



…え?



「どういうこと?」

「…貴女様は偶に誰かを必死に助けようとしていましたね。どれも旦那様に訴えて、保護してもらえると言われた時毎回嬉しそうな顔をしていらして。その者たちの共通点は…ないのですが、誰もが親に捨てられ道端で倒れていた子供たちでしたね。」



…あぁ覚えがある。



私はなんとなくだけど、前世のことを思い出しかけていた。といっても何に違和感があるとかなくて、思考の一部に組み込まれた必須のプログラムみたいなものだった。



日常へ支障をきたすこともなく、普通に生活して、ほぼ・・マリーベルとして過ごせていた。



でも、何故か倒れていた子供を見捨てることが出来なかった。きっと、これもギィに向ける感情と同じだ。



この世界ではよくあることだから、突然泣きながら一人の見すぼらしい少年を連れて家に帰った時は本当に驚かれた。



こんな子をわが家に入れるわけにはいけないと、家長を筆頭に散々言われた。

取りあえずはお父様が許してくれたから収まったのだが、“私”の少しの人格と自己中心な傲慢な”私”が混じって、見かけたら拾うようになったのだ。



家臣たちが偶々お父様に許容するのをやめようかといっていたのを聞いたことがあるが、その人たちは次の日公爵家からいなくなっていた。どうなったのかは考えたくないので、知らないふりをしている。



そんなわけで私の拾った子供はどんどん増え、今では五十人ほどだ。多すぎると改めて感じたのだが、なんだか活き活きと我が屋敷で働いているようなので、偶に顔を出して、状況を見ている。勿論給料も出ている。



ちなみに殆どの人が厨房で働いている。

あとは私たちの持つ店とか農園にいて、お父様も助かってると言っていた。



びっくりしたのがそれに加え、衣食住もついているのだ。私たちの家は本当に最強だ。

そんなこんなでよくやっている子たち。きっとリアナはそのことを言っているのだろう。



だが今回は訳が違う。下手したら命も危なかった相手だ。リアナがいい顔をしないのもわかる。だけど、だからと言って私が優しいという訳ではない。



苦しいんでいる姿が自分に見えて辛くなるから。過去を思い出すのが嫌だから。



「リアナ、それは優しいって言わない。ただのエゴ。それだけ」

「それでも私にとっては救いでした。誰よりも尊敬しています」



尊敬。私に全然似合わない名誉だ。

リアナはさらに言葉を続ける。



「私も同じように、道で倒れていたところを助けていただきました。感謝しきれないほど感謝しています」



…本当、思い出すことが多い



そう、リアナも拾った子だ。それも血まみれの状態で。

推測でしかないが、戦闘の後だったのだろう。当時よく理解の出来ていなかった私は、いじめられたのかと慌てて引き込んだのだ。



それも三年前。



この短い期間で、リアナは専属次女になっている。実力でもぎ取った地位は誰にも崩すことはできない。



そんな感じだが、本来なら『元居た場所にすぐ帰せ』というはずだ。

拉致してきたようなものであり、勝手に連れてきては行けなかったかもしれない。もしかしたら、私の側にいることも嫌なのかもしれない。



だけどリアナはそんなことないというばかり。本当かどうかとても気になる。



「…ねぇリアナ。私の選択は正しかった?」



あなたをあの時連れてきたのは、間違っていた?



そう遠回しに聞くと、花が咲いたような笑顔が返ってきた。



「――はい。私はいまここにいれてとても幸せです。」

「…なら、よかった」



ほぅ…っと息をつく。私は間違わなかった。選択したことを後悔する必要はなかった。

その事実に過剰なぐらいの安心感を抱いて、身体の力が抜けるのを感じた。



「…お嬢様。私はお役に立てているのでしょうか」



ポツリと呟かれた声が、やけに私の脳に響く。



…そんなの考えるまでもない。



「リアナ、私は貴方という存在に支えられきた。十分に私の役に立ってるよ。」



リアナの顔がくしゃりと歪んだ。


「わたしは、お嬢様がすべてでっ!死にかけたところを助けていただいてっ!だからっ、少しでも大切なものがっ傷つけられるのが怖くてっ!」



しゃくりを上げながら必死に言葉を紡ごうとしているリアナは、私を大切に思っていてくれるらしい。こんなにも嘘と罪で塗れている私を。



…ううん、分かってる。リアナは私の全てを知らない。だからこんな風に言ってくれているんだって。



だけどそれでもいいと思えるぐらい私は浮き立っていた。



――あぁ、言葉で「大切」と言われることがこんなにも嬉しいなんて



どうにか平常心、表情を保とうとするが、高揚する気持ちは抑えられず、むしろ高まる一方。口元もニヤつかせないので手いっぱいだ。



「…リアナ、私も貴方を大切に思っている。他の誰よりも。今回何も相談せず一人で行動して、心配かけてごめんね。次からはリアナにも納得できるように説明するようにする。そしたら一緒に動こう?」

「はいっ!勿論でございます!この命に代えましてもっ、お守りいたします!」



それは少し重いかも。命はかけないでほしいかな…。



…でも私にはこれくらいが丁度いい。自覚した病みを持つ私と関係を築けるのは、同じく心にどこかしらの闇を抱えている者なのだろう。



だから苦笑いでも、笑える。



「あはは…でもありがとう。そしたら私の最大の相談者、理解者になってくれると嬉しい」



決して軽くはない願い。相手に自分を預ける、責任を持たせるも同然だ。

同時に心の底からの願い。強欲な私の一端を見せた瞬間。

だけどリアナは同じように不細工ではあるものの、笑ってくれ、頷いた。



――肯定



この侍女はなってくれるらしい。



嬉しすぎて、つられるようにへらりと私が笑うと、リアナから一度は止まったはずの涙があふれだし、再び私の部屋には泣き声が響いた。



***



そんな感じで再び話し合っていた私たちのもとに…というか私に、我が屋敷の執事が、一人やってきた。



慌てて涙を拭いて身だしなみも整えて出迎える。

なんだか急いだ様子だったので何かあったのかと身構えたところ、伝えられたのはなんと「お嬢様、王太子様がお見えになりました。現在は客室にてお待ちしています」とのこと。



執事の頬が引き攣っていたのはきっと見間違いじゃなない。

予想の斜め上な伝達に思わず目を剥きかけた。リアナが「お嬢様、その顔は駄目です!」と必死な訴えによって阻止されたが。



そんな私の私情は放り再び身支度をした。しかし、速さは段違いに。だって王太子を待たせるなんて、下手したら首が飛ぶ。



大号泣したすぐなのでリアナは置いておこうとしたのだが、何故か意固地に「付いていく」というので、仕方なく許可した。本人が大丈夫なら私が止める必要もないし、もしかしたら「守る」と宣言したからその有言実行かもしれないしね。



それにしては屋敷への招待とは急だ。一体何なのだろう。



「…事前に連絡もなしに、どうしたのでしょうね?」



そんな私の心情を読んだかのようにリアナが呟いた。首を傾げる。



「さあ?私に言われても」

「もしかしたらデートのお誘いでしょうか?」



ないと思う。



「いや、流石にそれは…だってまだ六歳だよ?」

「お互い精神年齢が高いので何とも…」



そうだね…



そう相槌を打ちながら、ちらりとリアナを見やる。

僅かに赤い目元。反して瞳の中には先ほどまでの精神の不安定さは見えず、むしろ強い光を放っている。何かが彼女の中で決まったような感じがする。私の個人的な意見なので何とも言えないが。



そして、心なしか私たちの心の距離も近づいた気がする。壁を一つ砕いたような、そんな感じ。遠慮がいらない関係と言えばわかりやすいのかもしれない。



そうだ。なら最終目的も話そうかな。



「…リアナ、私ルイとの婚約破棄したい」

「え」

「え?」



どうした?



リアナの表情が何とも言えない形になっている。それはもう思いっきり顰められている。



「…お嬢様、私このまま結婚してもいいかと思われます」

「あれ、貴女破棄するのに賛成じゃなかったの?」



結構最初の方に言ってたよね?だから私も相談したんだけど。



そんな私の疑問に、リアナは自信満々に頷いた。なぜに。



「はい、そのつもりでしたが変わりました。…王太子様と結婚なさったら、まりーさ…ゲフン。お嬢様は王太子妃なられます。そしたらきっと幸せになられるかと。それにあの方は絶対にお嬢様を泣かせたりなんてしません!」

「マリーでいいよ。…えっ、そうかな?絶対はないと思うんだけど」

「本当ですか!名前よびなど、光栄です!…そうですね。ですが、私の前で誓ってくれたからには、幸せにさせます」



とことん病んでるな。まぁいいけど。っていうかどこで誓った。私は父様が誓ったのしか知らないぞ。



「…随分ルイを買っているんだね」

「そう、ですね。マリー様を想っている気持ちの強さが何となくわかるからでしょうか」



私を思う気持ちって何だろう。恥ずか死させたいのかな?



まぁそんな風に雑談をしながら辿り着くと、リオン、そして物理的に光をまき散らすルイが居座っていた。



やっぱ物理的なんだね、王太子!



「…ごめんなさい、待たせました」

「やぁ。意外と早かったね。急がせてしまったかな?」

「少しだけ。ルイを待たせるなんて出来ないから」



死にたくないので。



全力でスルースキルを駆使し、気になることは頭から追い出す。言いたいこともぐっと堪える。死にたくないし。無駄死には良くない。



最近気づいたのだが、どうも私は生への執着があるらしい。

人間としての普通の感覚なのかは知らないが、せめて一生を終えることぐらいしたい。これも第二の人生での目標だぁ!



そんな私の心情を知らずして、ルイは嬉しそうにほほ笑んだ。…くっ!その顔が光ってて辛いぜ!物理的に!



「…それはそうとして、何用で来たの?」

「勿論可愛い婚約者に会いに来たに決まっているだろう」



言動がさらに強化されてますよ?



「それはどうも。んで、本当は何で来た?」

「…マリーは直球だね。そう、今言ったのも一つの目的だけど、今日はデートのお誘いに来たんだ」



目的の一つだったのか。

っていうか、誘い?なんの?デートの?



――うそーん



「…えっと?それはどういう?」



頼むから嘘だと言ってくれ。君となれ合う気はないんだ。だからリアナ、こっそりガッツポーズをしないで。喜べないから。ぜんっぜん嬉しくないから。

リオンは…なんか別の方角を向いてた。おい、どうしたんだ。

再びルイを見て、ため息をつきたいのを堪える。



「半月後、王都内で冬の感謝祭があるのは知っているよね?実は今回母上からその優待チケットを二枚貰ったから一緒に行かないかと思って」

「…なるほど」



確かにそんなのが控えていた気がする。確かヒルディア家も行くはずだ。

ちらりとリアナに視線を向け、確認をする。



「はい。私たちの家も当然参加予定です」



ですよね



「そしたら私はルイと一緒っていうのは不味いんじゃないの?私だけだとお父様が心配するし、」

「あぁそれなら安心して。従者とかは人数にカウントされないから、自由に連れてきて平気だ。護衛がいるなら公爵様も納得するだろう?」



私の抵抗は笑顔ではねのけられた。そんなシステムがあるだ。知らなかったよ、こんちくしょう!



うん?てことは私手づまりですか?

だって詳しく知らないのに他の手段取れない。家族で行くって言っても、リアナが反対しそう。

現在歓喜でシャドーボクシングしている人に頼めるわけがない。ねぇ、さっきの会話はどこ行ったの。



…仕方ない。今回だけだ。そう、今回だけ。次は調べつくしてなんとしてでも止めて見せよう。



諦めで遠のいた意識を呼び起こす。



「…そう、だね。うん、いいよ。行こうか」

「マリーならそう言ってくれると思ってた。そうだった、ドレスなら既に手配してあるから届くのを楽しみに待ってて」

「ソレハタノシミデス」



若干棒読みだった気がするが、ルイが気が付いていないのでセーフだ。

既にってことは前から頼んでいたってことだとね。私に拒否権は最初からなかったんじゃん。ならなぜに聞いてきた。



そんな風に考えていると、リアナがルイに近づいて行った。



「王太子様。少し耳を貸してもらえませんか?」

「うん?いいが」



不思議そうにしながらも聞く姿勢をとるルイを確認し、リオンの側による。しばらくは会話を聞かれないだろう。



「…リオン、感謝祭って貴方も参加する?」

「いいえ。俺はついていきません。別の人が付き添います」

「そう」

「何?寂しいんですか?」

「違うよ。ツッコミ役がいなくなるかと思うと少し辛いなぁって」

「うわぁ、全然うれしくない」



固まった笑顔でリオンがぼやく。今日もお疲れのようで。

ま、そんなこと気にしないのですがね



「リオン、もう一つ聞きたいことがあるんだけど」

「少しくらい慰めてほしかった。…で、どうしたのですか?」

「青龍って知ってる?または竜王。」

「ぐふぉ!?」

「えっ?どうしたの!?」



いきなりリオンが鳩尾に拳を入れられたように沈み込んだので、少し慌てる。



「大丈夫!?」

「ちょっと揺すらないでください。それが一番死にそうです」



割とまじな声が返ってきたのですぐに肩から手を放す。

深呼吸をしたかと思うと、ぐいっと詰め寄ってきた。



「な、なに!?」

「おい!さっきから我慢してたけど、今の発言はやばいって!今のを竜王様に聞かれてたらどうするつもり!」



話が読めないのは私だけじゃないはずだ



「え、どうしたの?っていうかどうするつもりって、なに!?」

「これも知らないの…世間知らずにもほどがあるでしょ…」



はぁとため息をするリオンに青筋が浮かびかける。

こいつ、さっきから私の質問まるっきり無視してんじゃん。スルーすんなや。



「…で、その竜王がどうしたの?」

「お願いだから、“様”をつけて!」



そんなに慌てるものなのだろうか。



「…竜王様ってどんな存在?」

「その名の通り、全ての竜の一族をまとめる竜だ。その地位はほぼ神と同じ。だけど数年前にその竜王様の怒りを買った人間がいて、国が一つ滅んだ。それは呼び捨てにしたかららしい」



心狭いのかな?

でもリオンが必死になって私に訴えていた理由が分かった。そりゃあそんなことがあれば必死になるな。

すいませんでした!



「そういう事だったんだね。ちなみに居場所は?」

「どこかの山にいるらしい。俺も詳しくないから知らないけど…え、これ言って平気だよな?死なないよな?」

「大丈夫なんじゃない?」



シルフの口調的になんかリュウ様が青龍らしいし。きっと、これぐらいでは怒らないはずだ。

…でも、名前を呼び捨てにされただけで国をって…うん、これ以上は何も考えないようにしよう。私が知ってるリュウ様はとても偉大で海のように広い心の持つ主なのだ。



当然私の事情を知らないリオンは、ぶんぶんと手を振る。



「いやいや!竜王様は気分屋で自己中心で――」

「それ以上言う方が不味いんじゃ?」



君の理論で行くと消されるぞ。



「…マリーベル様。もしも俺が死んだら海にお願いします」

「お願いだから早まらないで!?…んー、あとは自分で調べないとダメかなぁ…」



山と分かっただけでも良しとするか。



「お嬢様、お話は終わりましたか?」

「え?あぁうん。ごめん、待たせちゃった?」

「いえ、こちらも改めてが終わったところですので」



なんだかお話が私たちとは違う『お話』の気がする。当然スルーするけど



「ならよかった。そしたらどうする?ルイは帰る?」



頼むから帰ってくれ。



「いいや。もう少しいるつもりだ。せっかく来れたんだからね。」



知ってた



「じゃあ何する?チェス?」



聞くとルイは何かを言おうとして口を開き、止まった。

と思ったらポンっと手を叩き、思い出したかのように言う。



「そういえば紫音シノンを従えさせたんだって?凄いね」



いきなり爆弾を落としおったぞこの少年。


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