悪役令嬢に転生した“元”狂人は普通に暮らしたい

幸見大福

文字の大きさ
54 / 63
幼少期編

誕生祭 前編

しおりを挟む
まるで宝石の様だと思ってしまう。
太陽の光にさらされて輝きを持つ紅はルビーそのもの。光源の変化に合わせて朱色になったりディープレッドになったり。一秒たりとも同じ色を移さない瞳に状況さえ忘れて――思わず見惚れた。

感嘆の息が出そうになった時、ルイの声が私を現実へと引き戻す。

「…何も飾らない、ただのルイ。マリーの前と二人だけの時は、そうあっていい…?」
「そう。王太子でないのであれば、許されることなんじゃないかな?」

我ながら無茶苦茶だと内心で苦笑いをする。

ルイが責めているのは素を零してしまったことで、誰がなんて関係ないはず。
だけど、本当の自分を曝け出せないなんて拷問に近い現実は見逃せない。いや、ルイを見殺しにできない。

ずっと猫を被っていると自分自身さえも見失い、いずれ一生見つけられなくなる。つまり、消滅してしまう。そして言い方は悪いが上辺だけの人間になってしまう。

誰かに悪意を持つこともない。好きという感情を持つこともない。興味を持つことも、当然やりたいこともなくなる。
毎日を淡々と過ごし、生きる意味なんて考えもせず、ただ表面だけの趣向を凝らした物事を計算でしか考えられない、蓋を開けてみれば空洞の人。

中身が空っぽの人間など人間でない。そんなものはただの生きる屍だ。

最も残酷なのは本人がそれに気付けない事だろう。
心…いや、魂でさえも殺してしまえば自分自身について気にかけないから。そもそもそれが当たり前となり異常言う事さえ分からなくなってしまう。

そんなのに、人間の出来損ないなんかに絶対にさせない。

「誰がダメと言っても私は肯定する。それを非難されても絶対に意見を変えることはない。世界中の人が本当のルイを否定するなら、私と二人の時に素をだして。自分自身を苦しませないで、心を休ませる場所を、ルイでさえ見失いかけてる自分をなくさないで」

最後は懇願のようになってしまった。だけどそれが私の本心なのだ。

ルイに人間らしく生きてほしい。心を死なせたくない。

それが私の今の気持ちだから。

しかし、生まれてからずっと許されなかった少年は力なく首を振る。
小刻みに身体が震えているのも気のせいではない。

「…だけど、俺は、」
「なら今日で試そう」

カタリ…と馬車が止まる。
ゆっくり開かれていく扉の向こうには会場が見えている。

徐々に西と動く雲を背景にそびえ立つ城。

前にも一度来たことがあるはずなのにそんな気がしないのは、私の気の持ちようが違うからか。日光が真っ白な城壁を見るのも眩しいくらいに輝かせ、青藍せいらんの屋根がとてもよく映えている。
終わりが見えない中庭には庭園が覗いている。

丸く何かを囲うように建っているのを見るに、きっと内側にその何かがあるに違いない。
庭園か、祭りだから露店でもあるのか。はたまた動物…いや、この乙女ゲームでは呼び方は霊獣だったか。
もしかしたらそういうのがいるのかもしれない。

だけど、きっと私のこの予想の中に正解はないに違いない。予想のはるか上を行く、それがこの世界なのだから。
いつもなら現実逃避をするところだけれど、祭りとなると話は変わる。
どんなことでも楽しめてしまう不思議な魔法がかかっている限り、その不安は期待へと変化する。未知なる『何か』を想像するだけで心が躍る。

前ならきっとこんなことは思わなかっただろうし、そもそも目を向けることもなかっただろう。
この変化はなんだだろうかとぼんやり考えて…やめた。

考えるようなことでもないし、答えの出るようなものでもない。
それに今はルイの事だ。私の事じゃない。

他の参加者の貴族たちが中庭を通って行くのを見届けて馬車内に振り返る。

「ね、ルイ。誕生祭は貴族しか招かれなくても、社交界のような畏まったところじゃないんだよ。祭りと書かれているだけあり、緩いもの。挨拶とかもしなくていいし、好きな時間に退出していい。そして楽しみ要素でちょっとしたゲームとか楽しみ要素がある。だから娯楽に飢えている貴族たちしかこなくて、みんなそのゲームとかに夢中になっちゃうの」

すらすらと出てくる誕生祭の説明。

つい最近まで存在を忘れていた人とは思えない発言だけれど、実はこれ、お父様から「最低限の知識はつけておきなさい」とにっこり説明されたものなのだ。
ニッコリがポイントです。知らんがなって思った方、ごめんなさい。

と、話が脱線した。

「つまり私が何を言いたいのかというと――」
「素で今日を過ごそうというのか?」
「さては君、空気読む気ないね?」

そういう事だけれども。だけれども!
一を言ったら十を理解するのはとっても嬉しいですよ。でも、なんか見せ場を奪われた感じで複雑な気分…!

心の中でぐぬぬ…となっていたら、思いっきり顔を顰めた状態で首を振られてしまう。

「いや、幾ら自分の事しか考えない貴族しかいないからって、流石に無理に決まっているだろ」
「何気に酷いことを言うね。…無理だとは決まっていないでしょ?今日一日だけ。この誕生祭の時だけでもいいから羽を伸ばしたら?」
「いや、でも…」
「たまには羽を伸ばそうよ」

じゃないと、いつかそのストレスは巨大な爆弾として周りを、そして自身さえも焼き尽くす。
かつての私のように。

「一日だけ、ね?」

これで駄目だったら流石に諦めるつもりだった。それだけルイの意思は固いんだと、納得するつもりだった。
だから、ため息しながら頷くなんて思ってもいなかった。

「…マリーがそこまで言うなら、仕方ねぇ」

頭を掻きながら、溜息交じりにそう呟いた。

…仕方ないって今言ったよ、ね?
つまり――

OKってことだよね…?

そう脳内で気付いた瞬間、まるで世界が一層輝いたかのように私の心が舞い上がる。

――ヴィクトリー!!!

やったよ!最後まで粘っていた良かったよ、よくやった私。多分的外れだけど、この際気にしない!

そこまで考えて、急に冷静になる。誰かこの情緒不安定さを治してくれ、マジで。

…いや、本当に?夢とかない?まだ夢と言われた方が信憑性があるよ!?

「え、いいの?本当にいいの?」

そうだよ、あんなに渋っていたからダメだって言われると思ったんだよ。
さっきまでとは真逆の事を口にすると軽く小突かれる。

「!?」

え、なぜに!?いや、その前にルイって小突いてくるの!?

「なあに言ってんだ。マリーにそこまで頼まれたら、もう断れねえよ。ただし、人がいない所しか回らないという条件付きだが」
「もちろん」

こくりと頷いて見せる。

最初からそのつもりでいたと言ったら少し嘘っぽく感じられるだろうが、本当だ。
覚えているかな?私ははじめに、”二人の時だけ”と言っているんです。まぁだから言われるまでも、というのが本心。

小突いてきたことに対しての不満は水に流そう。多分私が悪かったから。

私が悪かったから。

圧なんてかけてない!

「ならよかった」

ふんわりといつもの笑みになるが、本性を明かされてからだとなんとも言えない表情になってしまう。
なんか…落ち着かない。

うぬぬ…となっていると、澄んだ声が後ろから聞こえた。

「では行こうか」

ぴょんっと、馬車を出かけていた私の頭上を起用に飛び越えて、私の前に躍り出る。
その人間離れした芸に唖然としていると手を取られそのまま引っ張られていく。

「うあえ!?」
「さ、今日は存分に楽しもうじゃないか」

未だかつて見たことがないくらいテンションが上がっているルイに苦笑すると、笑顔が振り返った。
少し野性的な心の底からの笑みは、その容姿によく似合う太陽の笑みだった。眩しい。

***

「で、ではこちがら…ゴホンこちらがあんにゃい魔法道具ににゃります。ごごごゆっくりいい…」

受付のお姉さまが噛み噛みのガチガチのブルブルの手で大きい水晶を渡してくれた。
ルイが安定の顔で更に緊張状態にしているのに溜息しつつ、水晶に対象を変える。

これ、魔法道具なんだよね。ただの水晶にしか見えない。前世でこんなのが置いてあったから余計にそう思える。

価値を疑っていたら、

「ふっ…」

あ、ついに倒れた。

音こそしなかったものの、謎に言葉にした擬音でわかる。漫画だとそう表現されてるから。
いやここ漫画の中じゃないんだけれども。

目を向けてみると、案の定意識を失ったように体が横になっていた。

ここで皆さんなんで音がしなかったのを不思議に思ったかと思いますが、この場にはルイがいます。
つまり、ルイが魔法で受け止めてあげたのです。

衝撃を吸収する魔法なんてのもあるんだなー、とかちょっと状況も考えず感心してしまう。

ま、そんな感じだったんで特に驚きもせず近くの衛兵を呼び止めて、運んでくれるよう頼む。顔を真っ青にさせて行ってった。解せぬ…と言いたいところなのですが、これにはちゃんと理由があります。お姉さまがぶっ倒れたのも多分同じ理由です。

まず、最初から説明しますと、あの後入口の門をくぐったらよくわからないけど胸元にバッジが括りつけられました。

ここから意味が分からないけど、更に不可解な事件(?)は続きます。

このバッジ、なんとつけた人によってデザインが変わったのだ。
魔法ってすごいなーと最初は呑気に思ったんだけど、よくよく見たらあることに気付いてしまった。

そう、変化先が家紋だったんです。

とんでもない迷惑!そんな無駄に凄い機能いらなかった!

外そうとしたけれど、魔法でつけられたものなので物理的には外せず。早々に諦めて屋内に踏み入ったら…他の人たちが恐れたというような表情で我先にと入っていった。これには若干青筋が浮かびかけた。失礼な人たちですよ、まったく。

しかし受付のお姉さまは仕事なので逃げることは許されない!
ルイの容姿に当てられて、私たちの権威に当てられてこうなったというわけです。

閑話休題

色々あったけれども、とりあえず入場は出来た。色々な人に迷惑をかけた気がするけれど、バッジを考えた人が悪い。私たちは悪くない。

「最初どこ行こうか?」

ルイが案内魔法器具を展開しながら尋ねる。
起動すると空中に半透明な液晶画面のようなものが現れた。
中にはアプリのような小さいアイコンがずらりと並んでいて、ファイルにまとめられているのも幾つかある。

スマホとかそっち系の物の感じがあるので、操作法とかも同じなんじゃなかろうか。
いやまぁ…空中に浮かんでいて固形じゃないんですけど。

「人気がないところが限られていると思うから…取りあえず、奥の方から行ってみる?最初はあまりいないだろうから」
「そうするか」

ルイの指が液晶画面のようなものをなぞると、反応して同じように中身だけが動いていく。
これはどうやら予想通り、スマホの操作と同じみたい。
始めてみるものだけれど、これなら初見でも使えそうだと安心する。

内心で胸をなでおろしていると、ルイが何かをタップした。

「最奥にあるのはここか」
「どれどれ?」

示してくれたのを見ると、画面いっぱいに彫刻が並んでいる。
なるほど、こういう美術品の展示もあるのか。

日本人ってあまり彫刻のイメージがないから何となく新鮮な気持ちになっていると、見覚えのある作品が目に留まった。

「…ん?これって…あのミケランジェロさんのダヴィデ像では?」
「ミケランジェロ?ダヴィデ像?」
「いやなんでもない」

多分見間違いだ。普段見ないから目が養われていなくて、全て同じに見えてしまうのだろう。実際に見たら多分別物のはずだ。

「いいんじゃない?人が集まりにくそうだし、万が一来ても作品で向こうからはすぐに気づかれなさそう」
「じゃあここに行こうか――」

気が付くと液晶画面の中に入り込んでいた。

「「……」」

ごめんちょっと…いやかなり頭が悪かった。
正確には、目指そうとしていた部屋に既にいた。

「…どういうこと?」
「…俺も聞きたい。今さっきまで受付にいたはず…」

呆然と立ち尽くしていると、ふと思い当たったのかルイが手を叩いた。

「あ、そうか。光の女王クイーンの魔法か!?」
「いやいやまさか。あんなに興味なさげに帰って行ったんだし、きっとこの魔法道具に何か仕掛けが」
『正解だ、小僧め』
「まさかだった!?」

突然一つの彫刻の上にティーナの姿が現れた。

『ちっ。相変わらず頭の回転が速いの。厄介極まりない。少しは空気を読むということも覚えてほしいの』
「舌打ちしないでくださいよ。そんなに私の事が嫌いですか」
『嫌いじゃな』

まさかの即答にルイが苦笑いになる。

ていうか今のに空気を読むも何もなかったでしょ。言葉以上に嫌っていることが分かる…。先行きが不安だ。

「ティーナ、どうやって…はいいや。どうして私たちを飛ばしたの?」
『いや、だってここに来たかったんじゃろう?』
「…それだけ?」
『それだけ』
「「……」」

二度目の沈黙に包まれるが、ティーナは何が私たちを絶句させているか分からないかのように小首をかしげた。
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

目指せ、婚約破棄!〜庭師モブ子は推しの悪役令嬢のためハーブで援護します〜

森 湖春
恋愛
島国ヴィヴァルディには存在しないはずのサクラを見た瞬間、ペリーウィンクルは気付いてしまった。 この世界は、前世の自分がどハマりしていた箱庭系乙女ゲームで、自分がただのモブ子だということに。 しかし、前世は社畜、今世は望み通りのまったりライフをエンジョイしていた彼女は、ただ神に感謝しただけだった。 ところが、ひょんなことから同じく前世社畜の転生者である悪役令嬢と知り合ってしまう。 転生して尚、まったりできないでいる彼女がかわいそうで、つい手を貸すことにしたけれど──。 保護者みたいな妖精に甘やかされつつ、庭師モブ子はハーブを駆使してお嬢様の婚約破棄を目指します! ※感想を頂けるとすごく喜びます。執筆の励みになりますので、気楽にどうぞ。 ※『小説家になろう』様にて先行して公開しています。

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。

完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい

咲桜りおな
恋愛
 オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。 見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!  殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。 ※糖度甘め。イチャコラしております。  第一章は完結しております。只今第二章を更新中。 本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。 本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。 「小説家になろう」でも公開しています。

【完結】溺愛?執着?転生悪役令嬢は皇太子から逃げ出したい~絶世の美女の悪役令嬢はオカメを被るが、独占しやすくて皇太子にとって好都合な模様~

うり北 うりこ@ざまされ2巻発売中
恋愛
 平安のお姫様が悪役令嬢イザベルへと転生した。平安の記憶を思い出したとき、彼女は絶望することになる。  絶世の美女と言われた切れ長の細い目、ふっくらとした頬、豊かな黒髪……いわゆるオカメ顔ではなくなり、目鼻立ちがハッキリとし、ふくよかな頬はなくなり、金の髪がうねるというオニのような見た目(西洋美女)になっていたからだ。  今世での絶世の美女でも、美意識は平安。どうにか、この顔を見られない方法をイザベルは考え……、それは『オカメ』を装備することだった。  オカメ狂の悪役令嬢イザベルと、  婚約解消をしたくない溺愛・執着・イザベル至上主義の皇太子ルイスのオカメラブコメディー。 ※執着溺愛皇太子と平安乙女のオカメな悪役令嬢とのラブコメです。 ※主人公のイザベルの思考と話す言葉の口調が違います。分かりにくかったら、すみません。 ※途中からダブルヒロインになります。 イラストはMasquer様に描いて頂きました。

逃げたい悪役令嬢と、逃がさない王子

ねむたん
恋愛
セレスティーナ・エヴァンジェリンは今日も王宮の廊下を静かに歩きながら、ちらりと視線を横に流した。白いドレスを揺らし、愛らしく微笑むアリシア・ローゼンベルクの姿を目にするたび、彼女の胸はわずかに弾む。 (その調子よ、アリシア。もっと頑張って! あなたがしっかり王子を誘惑してくれれば、私は自由になれるのだから!) 期待に満ちた瞳で、影からこっそり彼女の奮闘を見守る。今日こそレオナルトがアリシアの魅力に落ちるかもしれない——いや、落ちてほしい。

悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます

久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。 その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。 1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。 しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか? 自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと! 自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ? ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ! 他サイトにて別名義で掲載していた作品です。

処理中です...