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ポカポカとあたたかい光が射している、春の日。四人で幸せに暮らすリッツェルとリクルは、また『願いを叶える泉』を訪れました。
リッツェルがしゃがんで、泉に手を合わせます。
「『願いを叶える泉』、私達のお願いを全部聞いてくれて、ありがとうございました!」
その隣で、リクルも手を合わせます。
「それで、次は……リッツェルと結婚できますように」
リッツェルは、そんなリクルを見て、クスッと笑いました。
「リクル。実はね、姉弟では結婚はできないのよ」
「え、そうなの?」
リクルは眉を下げて少し悲しげな顔をしました。そんなリクルを見て、リッツェルは目を細めます。
「だから、その代わり……」
泉に向かって、また手を合わせました。
「みんなが、ずっと一緒に……元気で幸せにいられますように!」
そんなリッツェルの願いに微笑み返すかのように、『願いを叶える泉』はうっすらと光り輝いたのでした。
(了)
リッツェルがしゃがんで、泉に手を合わせます。
「『願いを叶える泉』、私達のお願いを全部聞いてくれて、ありがとうございました!」
その隣で、リクルも手を合わせます。
「それで、次は……リッツェルと結婚できますように」
リッツェルは、そんなリクルを見て、クスッと笑いました。
「リクル。実はね、姉弟では結婚はできないのよ」
「え、そうなの?」
リクルは眉を下げて少し悲しげな顔をしました。そんなリクルを見て、リッツェルは目を細めます。
「だから、その代わり……」
泉に向かって、また手を合わせました。
「みんなが、ずっと一緒に……元気で幸せにいられますように!」
そんなリッツェルの願いに微笑み返すかのように、『願いを叶える泉』はうっすらと光り輝いたのでした。
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