1 / 8
第一章 洞窟の姫
しおりを挟む
「メレン、歌ってちょうだい。エルスもマリヤも。今日も賑やかで、いい日だわ」
飲み込まれそうな程に暗い洞窟の中。
リルム姫は蝋燭を明るく照らし、三人の妖精達と歌っていた。リルムの手の平くらいの大きさの妖精達は、それぞれのカラーの衣服を身に纏い、背中には蝶々のような美しい羽がある。
リルムが来るより前からこの洞窟に住んでいた彼らは、美しくて純粋な彼女を心より歓迎し、楽しく毎日を過ごしているのだ。
「でも、リルム姫さま。お外に出なくていいのですか? お外は、ここよりもずっと明るく、賑やかで楽しいですよ」
イエローの服を纏った妖精のメレンがそう言うと、リルムは少し寂しそうな顔で言った。
「いいの。私は、お外に出てしまったら恐ろしい『力』を持ってしまうの。だから、ここでしか暮らしてはいけないの」
リルムは、かつてマグリア国の姫であった。
しかし、ある日、太陽の光を浴びるとある恐ろしい『力』を持ってしまった。その『力』を持ってしまった日から、その洞窟でしか暮らすことが許されなくなってしまったのだ。
「まぁ、僕達はここでリルム姫さまと一緒に暮らせればそれでいいんだけど……ずっとこんな所にいていいのかなと思って」
グリーンの服を纏う妖精のエルスは下を向く。
「そう。リルム姫さまは、こんなに美しくて素敵なのに」
ピンクのドレスを着た妖精のマリヤも、しょんぼりとした。
リルムは、そんな妖精達にとびきりの笑顔で言う。
「心配してくれて、ありがとう! でも、私なら大丈夫よ。私もあなた達と一緒に暮らすのが、とても楽しいの」
「でも、こんな窮屈な場所で、リルム姫さま、可哀想……。あ、そうだ!」
メレンは何かを思いついた。
「僕達、お外のお花を摘んできます。リルム姫さま、少しだけ待っていて下さい!」
すると、リルムは青く澄んだ瞳を細めた。
「あら、ありがとう。待ってるわ」
洞窟の外には鮮やかな世界が広がっている。
黄色いタンポポ、赤いレンゲ、白いシロツメクサ。それらのカラーが、眩しい太陽の光と綺麗なハーモニーを奏でている。
『お花は綺麗 タンポポ レンゲ シロツメクサ みんなが鳴らすハーモニー
でもね 僕らのリルム姫 お花よりもっと 綺麗なの』
妖精達は、歌いながらお花を摘んでいた。
妖精達がお花を摘んでいる時、エバン王子は白馬に乗って草原を走っていた。
エバンはマグリア国の隣、カヴァラ国の王子。ミハエル国王の後継者として期待され、日々、学問や剣術、国の在り方について叩き込まれていた。
リザリア王妃は実の母親ではなく、いつも煌びやかな装飾に身を包み、国中から集めた宝石だけを愛していた。エバンはそんな毎日にも、王妃にも、嫌気がさしていた。
王宮にはエバンの友達はいなかった。ただ、白馬のディアスだけが彼の心を癒してくれ、ディアスに跨って草原を走っている間だけが、何も考えずにいられる至福の時間だった。
「ディアス、どうした?」
緑色の草原を抜けて、色とりどりのお花畑に差し掛かった頃。俄かにディアスが走るのをやめ、気をとられるように顔を下に向けて何かを探した。
ディアスの視線の先には、三人の妖精がいた。
夢中でレンゲを摘んでいた妖精達は、ふと顔を上げた。
「きゃあ!」
マリヤは飛び上がった。今まで見たことのない大きな、白い動物が自分達に顔を近づけているのだ。
「で、出たぁ!」
メレンも大慌てだ。
「逃げろぉ!」
エルスが言うと、妖精達はリルムのいる洞窟へ向かって一目散に逃げ出した。
その瞬間。エバンを乗せたディアスは妖精達を追いかけ、颯爽と走り出した。
「ど、どうした?ディアス」
自分の相棒の突拍子もない振る舞いにエバンも慌てた。
妖精達は、追いつかれないように死に物狂いで、逃げる、逃げる。
ディアスは、それを追いかける。
気がついたら、妖精達はリルムのいる洞窟へと逃げこんでいた。ディアスは、洞窟の入り口で立ち止まった。
「どうしたって言うんだ」
エバンはディアスから降りた。
ディアスの視線の先にある洞窟。その暗闇の向こうから、美しい歌声が聞こえる。透き通った、美しい日差しのような声。
「誰が歌っているんだろう」
エバンは、洞窟の中の歌声に興味を惹かれ、真っ暗な暗闇の中を進んで行った。
洞窟の暗闇の中を進んでゆく。
エバンの視線の先に、ぼんやりとした蝋燭のオレンジ色の明かりが見えた。その明かりの中に、うっすらと白いドレスを着た女性が見える。
何だろう……。
目を凝らして見たエバンは、驚いた。
少しカールがかった金色の髪。青く澄んだ瞳。透き通るような綺麗な肌……。
「女神……」
まるで女神かと思った。この世のものとは思えないくらい美しい姫。
リルムも、驚いた。
この洞窟へ人が入ってくるなんて、初めてだった。それも、今まで見たことのないくらいに凛々しい王子。
「誰?」
リルムは聞いた。
「僕? 僕は、エバン。カヴァラ国の王子なんだ。君は?」
「私はリルム。もともと、マグリア国の姫だったの」
エバンは、またしても驚いた。
マグリア国はカヴァラ国の隣国。決して仲の良い国ではない。それどころか、冷戦状態……いつ戦争が起きてもおかしくない状態で、カヴァラ国王子の立場としては、マグリア国の姫と会ったとなるとその場で殺さなくてはならない。
そんな姫が、こんな洞窟の中にいるなんて……。
「姫が、どうしてこんな所に?」
「ちょっとした事情があって、洞窟の外には出ることができないの。だから、姫といっても、もうマグリア国とは何の関係もないわ」
マグリア国と関係がないと聞き、エバンはほっとした。
「それより、あなたこそどうしてこんな所に?」
「白馬のディアスが突然走り出して、この洞窟の前で止まったんだ」
「そう。僕達、追いかけられたんだ」
妖精のメレンが言った。
「ほんと、怖かった」
エルスも、汗を拭きながら言う。
「死ぬかと思ったわ」
マリヤは、涙目だ。
「この妖精達は?」
「妖精のメレンとエルスとマリヤよ。ここで一緒に暮らしているの。洞窟の中でも、このコ達と一緒なら寂しくないのよ」
リルムは、優しく微笑みながら言った。
「でも、ずっと洞窟の中だったら辛くない? 外の世界は、明るくて綺麗で楽しいよ!」
「それはそうだけど……。でも、私は外に出てはいけないの」
リルムは、俯いた。エバンは、それ以上尋ねることはできなかった。
エバンは、王宮に戻ってもずっと洞窟の姫のことが気になっていた。
事情があって洞窟から出ることのできない美しい姫。事情って、何なのだろう?
ちょうどその時、王宮では王妃が宝を手に入れたと有頂天になっていた。宝とは、『封印の指輪』。魔力を持つ者がはめると、全ての魔力を封じることができるというのだ。
しかし、エバンはそんなことを聞いても興味はなかった。ただ、洞窟の姫のことが気になり、毎日のようにディアスに跨り通い続けた。
ある日、エバンは深刻な顔で洞窟のリルムに打ち明けた。
「僕の国……カヴァラ国とリルムの国、マグリア国は、実は、仲が悪いんだ」
「えっ、どうして?」
「もともと、反対の能力を持つ神の血筋を引く民族だったみたいで。今はその能力は消失していて、どんな能力だったのかも分からないんだけど、その時の対立が今も続いているみたい」
「そんな……。でも、エバン王子はこんなに素敵な人だし、そして、私のお父さんとお母さんも……」
リルムは父母のことをエバンに話した。少し厳しい国王と、とても綺麗な王妃。どちらも、すごく優しくて、大好きだということ。だから、絶対に父母とカヴァラ国は仲良くなれる筈だと、真剣な顔で話した。
そんなリルムを見て、エバンはより一層彼女に惹かれた。
「でも、私……お父さんとお母さんにはもう会ってはいけないの。また……もう一回だけでいいから会いたいなぁ」
リルムは瞳に涙を潤ませ、少し上を向く。
「会えるよ」
「えっ?」
「絶対、リルムもお父さんとお母さんとまた一緒に……みんなで仲良く暮らせるようになる!」
力強く言うエバンをリルムは憂いを含む眼差しで見つめ……彼女もエバンに惹かれていったのだった。
そんなある日。
「リルム姫さま、今日もあの方がお見えになりますよ」
メレンは、嬉しそうに言った。
「私たち、お花畑の向こうからエバン王子がディアスに乗って来るのが見えましたから」
マリヤも、目を輝かしている。
「もう、姫さま、ラブラブですね!」
エルスも、大喜びだ。
しかし、リルムの顔は晴れなかった。
「どうしたんですか、姫さま? 何か、悩みでも」
メレンが聞いた。
リルムは、左の手の甲を見る。
手の甲には……うっすらと赤い、太陽の形をした痣がついていた。それを見て、涙を滲ませ悲しげに言う。
「王子が来ても、私はここから出ることはできない。だって、太陽の光を浴びると私……」
飲み込まれそうな程に暗い洞窟の中。
リルム姫は蝋燭を明るく照らし、三人の妖精達と歌っていた。リルムの手の平くらいの大きさの妖精達は、それぞれのカラーの衣服を身に纏い、背中には蝶々のような美しい羽がある。
リルムが来るより前からこの洞窟に住んでいた彼らは、美しくて純粋な彼女を心より歓迎し、楽しく毎日を過ごしているのだ。
「でも、リルム姫さま。お外に出なくていいのですか? お外は、ここよりもずっと明るく、賑やかで楽しいですよ」
イエローの服を纏った妖精のメレンがそう言うと、リルムは少し寂しそうな顔で言った。
「いいの。私は、お外に出てしまったら恐ろしい『力』を持ってしまうの。だから、ここでしか暮らしてはいけないの」
リルムは、かつてマグリア国の姫であった。
しかし、ある日、太陽の光を浴びるとある恐ろしい『力』を持ってしまった。その『力』を持ってしまった日から、その洞窟でしか暮らすことが許されなくなってしまったのだ。
「まぁ、僕達はここでリルム姫さまと一緒に暮らせればそれでいいんだけど……ずっとこんな所にいていいのかなと思って」
グリーンの服を纏う妖精のエルスは下を向く。
「そう。リルム姫さまは、こんなに美しくて素敵なのに」
ピンクのドレスを着た妖精のマリヤも、しょんぼりとした。
リルムは、そんな妖精達にとびきりの笑顔で言う。
「心配してくれて、ありがとう! でも、私なら大丈夫よ。私もあなた達と一緒に暮らすのが、とても楽しいの」
「でも、こんな窮屈な場所で、リルム姫さま、可哀想……。あ、そうだ!」
メレンは何かを思いついた。
「僕達、お外のお花を摘んできます。リルム姫さま、少しだけ待っていて下さい!」
すると、リルムは青く澄んだ瞳を細めた。
「あら、ありがとう。待ってるわ」
洞窟の外には鮮やかな世界が広がっている。
黄色いタンポポ、赤いレンゲ、白いシロツメクサ。それらのカラーが、眩しい太陽の光と綺麗なハーモニーを奏でている。
『お花は綺麗 タンポポ レンゲ シロツメクサ みんなが鳴らすハーモニー
でもね 僕らのリルム姫 お花よりもっと 綺麗なの』
妖精達は、歌いながらお花を摘んでいた。
妖精達がお花を摘んでいる時、エバン王子は白馬に乗って草原を走っていた。
エバンはマグリア国の隣、カヴァラ国の王子。ミハエル国王の後継者として期待され、日々、学問や剣術、国の在り方について叩き込まれていた。
リザリア王妃は実の母親ではなく、いつも煌びやかな装飾に身を包み、国中から集めた宝石だけを愛していた。エバンはそんな毎日にも、王妃にも、嫌気がさしていた。
王宮にはエバンの友達はいなかった。ただ、白馬のディアスだけが彼の心を癒してくれ、ディアスに跨って草原を走っている間だけが、何も考えずにいられる至福の時間だった。
「ディアス、どうした?」
緑色の草原を抜けて、色とりどりのお花畑に差し掛かった頃。俄かにディアスが走るのをやめ、気をとられるように顔を下に向けて何かを探した。
ディアスの視線の先には、三人の妖精がいた。
夢中でレンゲを摘んでいた妖精達は、ふと顔を上げた。
「きゃあ!」
マリヤは飛び上がった。今まで見たことのない大きな、白い動物が自分達に顔を近づけているのだ。
「で、出たぁ!」
メレンも大慌てだ。
「逃げろぉ!」
エルスが言うと、妖精達はリルムのいる洞窟へ向かって一目散に逃げ出した。
その瞬間。エバンを乗せたディアスは妖精達を追いかけ、颯爽と走り出した。
「ど、どうした?ディアス」
自分の相棒の突拍子もない振る舞いにエバンも慌てた。
妖精達は、追いつかれないように死に物狂いで、逃げる、逃げる。
ディアスは、それを追いかける。
気がついたら、妖精達はリルムのいる洞窟へと逃げこんでいた。ディアスは、洞窟の入り口で立ち止まった。
「どうしたって言うんだ」
エバンはディアスから降りた。
ディアスの視線の先にある洞窟。その暗闇の向こうから、美しい歌声が聞こえる。透き通った、美しい日差しのような声。
「誰が歌っているんだろう」
エバンは、洞窟の中の歌声に興味を惹かれ、真っ暗な暗闇の中を進んで行った。
洞窟の暗闇の中を進んでゆく。
エバンの視線の先に、ぼんやりとした蝋燭のオレンジ色の明かりが見えた。その明かりの中に、うっすらと白いドレスを着た女性が見える。
何だろう……。
目を凝らして見たエバンは、驚いた。
少しカールがかった金色の髪。青く澄んだ瞳。透き通るような綺麗な肌……。
「女神……」
まるで女神かと思った。この世のものとは思えないくらい美しい姫。
リルムも、驚いた。
この洞窟へ人が入ってくるなんて、初めてだった。それも、今まで見たことのないくらいに凛々しい王子。
「誰?」
リルムは聞いた。
「僕? 僕は、エバン。カヴァラ国の王子なんだ。君は?」
「私はリルム。もともと、マグリア国の姫だったの」
エバンは、またしても驚いた。
マグリア国はカヴァラ国の隣国。決して仲の良い国ではない。それどころか、冷戦状態……いつ戦争が起きてもおかしくない状態で、カヴァラ国王子の立場としては、マグリア国の姫と会ったとなるとその場で殺さなくてはならない。
そんな姫が、こんな洞窟の中にいるなんて……。
「姫が、どうしてこんな所に?」
「ちょっとした事情があって、洞窟の外には出ることができないの。だから、姫といっても、もうマグリア国とは何の関係もないわ」
マグリア国と関係がないと聞き、エバンはほっとした。
「それより、あなたこそどうしてこんな所に?」
「白馬のディアスが突然走り出して、この洞窟の前で止まったんだ」
「そう。僕達、追いかけられたんだ」
妖精のメレンが言った。
「ほんと、怖かった」
エルスも、汗を拭きながら言う。
「死ぬかと思ったわ」
マリヤは、涙目だ。
「この妖精達は?」
「妖精のメレンとエルスとマリヤよ。ここで一緒に暮らしているの。洞窟の中でも、このコ達と一緒なら寂しくないのよ」
リルムは、優しく微笑みながら言った。
「でも、ずっと洞窟の中だったら辛くない? 外の世界は、明るくて綺麗で楽しいよ!」
「それはそうだけど……。でも、私は外に出てはいけないの」
リルムは、俯いた。エバンは、それ以上尋ねることはできなかった。
エバンは、王宮に戻ってもずっと洞窟の姫のことが気になっていた。
事情があって洞窟から出ることのできない美しい姫。事情って、何なのだろう?
ちょうどその時、王宮では王妃が宝を手に入れたと有頂天になっていた。宝とは、『封印の指輪』。魔力を持つ者がはめると、全ての魔力を封じることができるというのだ。
しかし、エバンはそんなことを聞いても興味はなかった。ただ、洞窟の姫のことが気になり、毎日のようにディアスに跨り通い続けた。
ある日、エバンは深刻な顔で洞窟のリルムに打ち明けた。
「僕の国……カヴァラ国とリルムの国、マグリア国は、実は、仲が悪いんだ」
「えっ、どうして?」
「もともと、反対の能力を持つ神の血筋を引く民族だったみたいで。今はその能力は消失していて、どんな能力だったのかも分からないんだけど、その時の対立が今も続いているみたい」
「そんな……。でも、エバン王子はこんなに素敵な人だし、そして、私のお父さんとお母さんも……」
リルムは父母のことをエバンに話した。少し厳しい国王と、とても綺麗な王妃。どちらも、すごく優しくて、大好きだということ。だから、絶対に父母とカヴァラ国は仲良くなれる筈だと、真剣な顔で話した。
そんなリルムを見て、エバンはより一層彼女に惹かれた。
「でも、私……お父さんとお母さんにはもう会ってはいけないの。また……もう一回だけでいいから会いたいなぁ」
リルムは瞳に涙を潤ませ、少し上を向く。
「会えるよ」
「えっ?」
「絶対、リルムもお父さんとお母さんとまた一緒に……みんなで仲良く暮らせるようになる!」
力強く言うエバンをリルムは憂いを含む眼差しで見つめ……彼女もエバンに惹かれていったのだった。
そんなある日。
「リルム姫さま、今日もあの方がお見えになりますよ」
メレンは、嬉しそうに言った。
「私たち、お花畑の向こうからエバン王子がディアスに乗って来るのが見えましたから」
マリヤも、目を輝かしている。
「もう、姫さま、ラブラブですね!」
エルスも、大喜びだ。
しかし、リルムの顔は晴れなかった。
「どうしたんですか、姫さま? 何か、悩みでも」
メレンが聞いた。
リルムは、左の手の甲を見る。
手の甲には……うっすらと赤い、太陽の形をした痣がついていた。それを見て、涙を滲ませ悲しげに言う。
「王子が来ても、私はここから出ることはできない。だって、太陽の光を浴びると私……」
0
あなたにおすすめの小説
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
伝える前に振られてしまった私の恋
喜楽直人
恋愛
第一部:アーリーンの恋
母に連れられて行った王妃様とのお茶会の席を、ひとり抜け出したアーリーンは、幼馴染みと友人たちが歓談する場に出くわす。
そこで、ひとりの令息が婚約をしたのだと話し出した。
第二部:ジュディスの恋
王女がふたりいるフリーゼグリーン王国へ、十年ほど前に友好国となったコベット国から見合いの申し入れがあった。
周囲は皆、美しく愛らしい妹姫リリアーヌへのものだと思ったが、しかしそれは賢しらにも女性だてらに議会へ提案を申し入れるような姉姫ジュディスへのものであった。
「何故、私なのでしょうか。リリアーヌなら貴方の求婚に喜んで頷くでしょう」
誰よりもジュディスが一番、この求婚を訝しんでいた。
第三章:王太子の想い
友好国の王子からの求婚を受け入れ、そのまま攫われるようにしてコベット国へ移り住んで一年。
ジュディスはその手を取った選択は正しかったのか、揺れていた。
すれ違う婚約者同士の心が重なる日は来るのか。
コベット国のふたりの王子たちの恋模様
遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜
小田恒子
恋愛
瀬川真冬は、高校時代の同級生である一ノ瀬玲央が好きだった。
でも玲央の彼女となる女の子は、いつだって真冬の友人で、真冬は選ばれない。
就活で内定を決めた本命の会社を蹴って、最終的には玲央の父が経営する会社へ就職をする。
そこには玲央がいる。
それなのに、私は玲央に選ばれない……
そんなある日、玲央の出張に付き合うことになり、二人の恋が動き出す。
瀬川真冬 25歳
一ノ瀬玲央 25歳
ベリーズカフェからの作品転載分を若干修正しております。
表紙は簡単表紙メーカーにて作成。
アルファポリス公開日 2024/10/21
作品の無断転載はご遠慮ください。
【完結】大好きなあなたのために…?
月樹《つき》
恋愛
私には子供の頃から仲の良い大好きな幼馴染がいた。
2人でよく読んだ冒険のお話の中では、最後に魔物を倒し立派な騎士となった男の子と、それを支えてきた聖女の女の子が結ばれる。
『俺もこの物語の主人公みたいに立派な騎士になるから』と言って、真っ赤な顔で花畑で摘んだ花束をくれた彼。あの時から彼を信じて支えてきたのに…
いつの間にか彼の隣には、お姫様のように可憐な女の子がいた…。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる