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第六章 アシスの反逆
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丁度その頃。カヴァラ国のリザリア王妃は、アシスとともにマグリア国を征服することを企だてていた。
アシスは完全に飼い慣らした。自分が世界を支配する際の絶大な力になるだろう。
まずはマグリア国、そして世界中を我が手中に収め、自分が新しい世界の神になる。アシスは使い終わったら、どうにか言いくるめて『封印の指輪』をつけさせ、始末したらいい。
そう思っていた。
「さぁ、アシス。お前のその力でマグリア国を討伐に行きましょう」
リザリアは、瞳を邪悪に光らせながら言った。すると、思ってもいない反応が返ってきた。
「どうしてお前の指図を受けないといけない?」
アシスは、瞳を冷たく光らせていた。
「どうしてって、私があなたをあの町から拾い、この世界を支配する方法を全部教えたでしょう? その恩を忘れたの?」
リザリアは焦った。ここでもしアシスに反逆されたら、自分に勝ち目はない。
「この世界を支配したら、その後はどうなる?」
「あなたがこの世界の神になるのよ!」
「そう、俺がこの世界の神になる。でも、それには最早お前の力は要らない。邪魔なだけだ」
アシスは氷のような表情を一ミリも崩さず、リザリアに一歩一歩近づいて行った。
「な、何をする気? これまでの恩を忘れたの? 私がいないと、この世界の神になんてなれないわよ!」
リザリアは必死に説得する。しかし、絶大な力の前ではただの命乞いにしか聞こえなかった。
「ぎゃああ!」
アシスがリザリアに触れた瞬間、リザリアは絶命し氷の塊となった。
アシスは、人を信頼するにはあまりに酷い想いをしてきた。リザリアが彼を拾い、少しの間この世界を支配する方法を教えただけで彼を飼い慣らす程の信頼を得られる筈がなかった。
「まずは、この恨み多き国、カヴァラ国から氷漬けにしてやる」
アシスは冷たく微笑んだ。
太陽がオレンジ色に染まって沈む夕暮れ時。エバンはリルムに言った。
「リルム。僕と一緒にディアスに乗ってカヴァラ国王宮へ行こう!」
「えっ?」
「僕の父……ミハエル国王に紹介するんだ。そんで、僕達の結婚を許して貰おう!」
リルムは、胸がときめき顔が真っ赤になった。
「リ、リルムさま…やったぁ! やっぱり、御結婚ですね!」
妖精達も色めき立った。
「指輪ももう一つ、もっと綺麗なのをプレゼントする」
「でも……私はもとマグリア国の姫よ。カヴァラ国とは冷戦中じゃなかったの?」
「今はリルムがマグリア国の姫だとは言わない。リルムは、僕が狩りの最中に出会った美しい貴族の女性で、僕が一目惚れしたんだ」
エバンは、リルムを真っ直ぐ見つめる。
「僕達がこの国の王と王妃になる。そして、力を合わせて頑張って、カヴァラ国とマグリア国は和解……仲良くなって一つになるんだ。そうなればリルムの素性も堂々と明かせるし、リルムもお父さんとお母さんにまた会える。どうだい? この上なくいい考えだろう?」
嬉しい……。
リルムは、感動で胸がいっぱいになった。
エバンは、こんなにも自分のことを想ってくれている。結婚しようと言ってくれるだけでなく、両国が仲良くなり、さらに自分がお父さんとお母さんに再会できることまで考えてくれている。幸せな気持ちで、胸がいっぱいになった。
でも……。
「こんな……私でいいの? だって私、恐ろしい太陽の魔力を持ってて、そのせいで二人も人を殺してしまって……」
「リルムじゃないと、ダメなんだ」
エバンは、リルムを真っ直ぐ見た。
「リルムは、僕が今まで見たどんな女性よりも綺麗で純粋で……それに、過去のことに囚われてはダメだ。その二人のためにも、僕達で両国が和解できるように頑張るんだ!」
リルムは、感動で涙を滲ませた。妖精達も、幸せそうな笑顔だった。
「さぁ、乗ってくれるよね」
「……ええ」
リルムは、ディアスに跨りエバンの背中を抱き締めた。妖精達も、その後ろでディアスにしがみついた。
エバンとリルムと妖精達は、颯爽と走るディアスに揺られカヴァラ国王宮へ向かったのだった。
「どういうことだ……」
王宮の敷地に入ってリルムとともにディアスから降りたエバンは茫然とした。
あたり一面氷の野原。色とりどりのお花畑は全て青白く、冷たい氷に埋まっている。王宮も建物全体が痛くなるほど冷たく凍っている。
王宮を出た時は、こんなことにはなっていなかった。一体、自分が出ている間に何が起きたというのだ?
「さ、寒い……」
妖精達も、震えている。
「ねぇ、これって……」
リルムも深刻な顔で聞いた。
「分からない。でも、もしかしたら……」
エバンの脳裏に『太陽の魔力』と同時に現れるという『氷の魔力』が浮んだ。もしかして、『氷の魔力』を持つ者の仕業?
「エ、エバン!」
ミハエル国王の声がした。
「父上!」
エバンは、数人の衛兵を引き連れている国王を見た。
「これは、どういうことですか?」
「分からない。私もカヴァラ国の会議に出ていて、戻って来たら、こんなことになっていた。だが……私が昔聞いた言い伝えが正しければ、百年に一度出ると言われる『氷の魔力』を持つ者の仕業だろうか?」
「やはり、父上もそう思われましたか」
「ところで、お前、その美しい女性は誰だ?」
「こんな時に不謹慎かと存じますが……僕、この女性と婚約したのです。もしお許しが出れば結婚するつもりです。でも、今は本当にそれどころではないですね」
「全くだ。本当に、お前は」
ミハエル国王は呆れ顔ながらも王子が美しい婚約者を連れて来たことに少し頬を緩めた。
その時。一面に張った氷の地面の上を、一人の青年が歩いて来たのだ。
「お前は……アシス!」
国王は言った。
リザリア王妃が、カヴァラ国の重臣として適任だと招き入れ、最も手厚く扱っていた青年。その青年が、瞳を冷たく……青白く光らせながら少しずつこちらへ向かい歩いてくる。
冷たい……。
リルムは思った。
こんなに冷たい瞳をしている人間は初めて見た。それも、自分と同じくらいの年頃の青年。
アシスはリルムと目が合うと、冷たく邪悪な笑みを浮かべた。リルムは、ぞくっと背筋が凍る想いがした。
衛兵達がアシスに矢を向けた。それでも、アシスは全く動じない。
「お前……『氷の魔力』を持っているのか?」
エバンは聞いた。
「ああ、そうさ。俺の力についてはあの王妃から教えて貰ったよ。この世界の全てを氷に変えることのできる魔力。俺は、この力でこの世界を凍らせる。そして、俺がこの世界の神となる」
「何だと!」
ミハエル国王は怒りに震える。
「怒るがいいさ。誰にも俺を止めることはできない」
「止めてやる。やれ!」
国王は衛兵に合図をした。衛兵達はアシスに矢を放つ。
しかし……矢は全てアシスに触れた瞬間に凍りつき、転がり落ちたのだ。
「無力だな。この国も、国王も、お前達も。俺は、この力を神から与えたもうて幸せだ」
「幸せなんかじゃないわ!」
リルムは叫んだ。
「人を……この世界を傷つける力。そんな力を持っているなんて、不幸よ。私は、こんな力を持ちたくなんてなかった…。こんな力なんて」
目に涙を滲ませ、キッとアシスを睨みつける。すると、アシスは冷酷な微笑を浮かべた。
「やはり、思ったとおり。お前も、俺と『同じ』なんだな。恐らくは『太陽の魔力』を持つ者」
凍りつく眼差しをリルムに向ける。
「人間の力なんて無力だ。お前も、その魔力で俺と一緒にこの世界の神になれるんだぞ」
アシスは、右の手の平をリルムに向けた。氷の結晶の形をした痣が青白く光り始める。
「やめろ!」
エバンがリルムの前に立った。その前には、三人の妖精達が震えながら立ち塞がる。
「ぼ、僕達のリルム姫に手出しはさせない」
アシスは、その様子を見ても冷酷な笑みを微動だにさせず、手だけ下ろした。
「いつまでそんなことが言っていられるかな。お前は、お前の魔力に頼らざるを得なくなる。お前もこの世界の全てを始末し、この世界の神となるのだ。明日の夕暮れ時まで時間をくれてやる。俺とこの世界の神になる決心がついたら、ここへ来い」
アシスは、やはり冷酷な微笑を浮かべながら踵を返した。
衛兵達がいくつも矢を放つ。しかし、アシスは振り返りもせず……矢は全て凍りついて転がり落ちた。
アシスは完全に飼い慣らした。自分が世界を支配する際の絶大な力になるだろう。
まずはマグリア国、そして世界中を我が手中に収め、自分が新しい世界の神になる。アシスは使い終わったら、どうにか言いくるめて『封印の指輪』をつけさせ、始末したらいい。
そう思っていた。
「さぁ、アシス。お前のその力でマグリア国を討伐に行きましょう」
リザリアは、瞳を邪悪に光らせながら言った。すると、思ってもいない反応が返ってきた。
「どうしてお前の指図を受けないといけない?」
アシスは、瞳を冷たく光らせていた。
「どうしてって、私があなたをあの町から拾い、この世界を支配する方法を全部教えたでしょう? その恩を忘れたの?」
リザリアは焦った。ここでもしアシスに反逆されたら、自分に勝ち目はない。
「この世界を支配したら、その後はどうなる?」
「あなたがこの世界の神になるのよ!」
「そう、俺がこの世界の神になる。でも、それには最早お前の力は要らない。邪魔なだけだ」
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「な、何をする気? これまでの恩を忘れたの? 私がいないと、この世界の神になんてなれないわよ!」
リザリアは必死に説得する。しかし、絶大な力の前ではただの命乞いにしか聞こえなかった。
「ぎゃああ!」
アシスがリザリアに触れた瞬間、リザリアは絶命し氷の塊となった。
アシスは、人を信頼するにはあまりに酷い想いをしてきた。リザリアが彼を拾い、少しの間この世界を支配する方法を教えただけで彼を飼い慣らす程の信頼を得られる筈がなかった。
「まずは、この恨み多き国、カヴァラ国から氷漬けにしてやる」
アシスは冷たく微笑んだ。
太陽がオレンジ色に染まって沈む夕暮れ時。エバンはリルムに言った。
「リルム。僕と一緒にディアスに乗ってカヴァラ国王宮へ行こう!」
「えっ?」
「僕の父……ミハエル国王に紹介するんだ。そんで、僕達の結婚を許して貰おう!」
リルムは、胸がときめき顔が真っ赤になった。
「リ、リルムさま…やったぁ! やっぱり、御結婚ですね!」
妖精達も色めき立った。
「指輪ももう一つ、もっと綺麗なのをプレゼントする」
「でも……私はもとマグリア国の姫よ。カヴァラ国とは冷戦中じゃなかったの?」
「今はリルムがマグリア国の姫だとは言わない。リルムは、僕が狩りの最中に出会った美しい貴族の女性で、僕が一目惚れしたんだ」
エバンは、リルムを真っ直ぐ見つめる。
「僕達がこの国の王と王妃になる。そして、力を合わせて頑張って、カヴァラ国とマグリア国は和解……仲良くなって一つになるんだ。そうなればリルムの素性も堂々と明かせるし、リルムもお父さんとお母さんにまた会える。どうだい? この上なくいい考えだろう?」
嬉しい……。
リルムは、感動で胸がいっぱいになった。
エバンは、こんなにも自分のことを想ってくれている。結婚しようと言ってくれるだけでなく、両国が仲良くなり、さらに自分がお父さんとお母さんに再会できることまで考えてくれている。幸せな気持ちで、胸がいっぱいになった。
でも……。
「こんな……私でいいの? だって私、恐ろしい太陽の魔力を持ってて、そのせいで二人も人を殺してしまって……」
「リルムじゃないと、ダメなんだ」
エバンは、リルムを真っ直ぐ見た。
「リルムは、僕が今まで見たどんな女性よりも綺麗で純粋で……それに、過去のことに囚われてはダメだ。その二人のためにも、僕達で両国が和解できるように頑張るんだ!」
リルムは、感動で涙を滲ませた。妖精達も、幸せそうな笑顔だった。
「さぁ、乗ってくれるよね」
「……ええ」
リルムは、ディアスに跨りエバンの背中を抱き締めた。妖精達も、その後ろでディアスにしがみついた。
エバンとリルムと妖精達は、颯爽と走るディアスに揺られカヴァラ国王宮へ向かったのだった。
「どういうことだ……」
王宮の敷地に入ってリルムとともにディアスから降りたエバンは茫然とした。
あたり一面氷の野原。色とりどりのお花畑は全て青白く、冷たい氷に埋まっている。王宮も建物全体が痛くなるほど冷たく凍っている。
王宮を出た時は、こんなことにはなっていなかった。一体、自分が出ている間に何が起きたというのだ?
「さ、寒い……」
妖精達も、震えている。
「ねぇ、これって……」
リルムも深刻な顔で聞いた。
「分からない。でも、もしかしたら……」
エバンの脳裏に『太陽の魔力』と同時に現れるという『氷の魔力』が浮んだ。もしかして、『氷の魔力』を持つ者の仕業?
「エ、エバン!」
ミハエル国王の声がした。
「父上!」
エバンは、数人の衛兵を引き連れている国王を見た。
「これは、どういうことですか?」
「分からない。私もカヴァラ国の会議に出ていて、戻って来たら、こんなことになっていた。だが……私が昔聞いた言い伝えが正しければ、百年に一度出ると言われる『氷の魔力』を持つ者の仕業だろうか?」
「やはり、父上もそう思われましたか」
「ところで、お前、その美しい女性は誰だ?」
「こんな時に不謹慎かと存じますが……僕、この女性と婚約したのです。もしお許しが出れば結婚するつもりです。でも、今は本当にそれどころではないですね」
「全くだ。本当に、お前は」
ミハエル国王は呆れ顔ながらも王子が美しい婚約者を連れて来たことに少し頬を緩めた。
その時。一面に張った氷の地面の上を、一人の青年が歩いて来たのだ。
「お前は……アシス!」
国王は言った。
リザリア王妃が、カヴァラ国の重臣として適任だと招き入れ、最も手厚く扱っていた青年。その青年が、瞳を冷たく……青白く光らせながら少しずつこちらへ向かい歩いてくる。
冷たい……。
リルムは思った。
こんなに冷たい瞳をしている人間は初めて見た。それも、自分と同じくらいの年頃の青年。
アシスはリルムと目が合うと、冷たく邪悪な笑みを浮かべた。リルムは、ぞくっと背筋が凍る想いがした。
衛兵達がアシスに矢を向けた。それでも、アシスは全く動じない。
「お前……『氷の魔力』を持っているのか?」
エバンは聞いた。
「ああ、そうさ。俺の力についてはあの王妃から教えて貰ったよ。この世界の全てを氷に変えることのできる魔力。俺は、この力でこの世界を凍らせる。そして、俺がこの世界の神となる」
「何だと!」
ミハエル国王は怒りに震える。
「怒るがいいさ。誰にも俺を止めることはできない」
「止めてやる。やれ!」
国王は衛兵に合図をした。衛兵達はアシスに矢を放つ。
しかし……矢は全てアシスに触れた瞬間に凍りつき、転がり落ちたのだ。
「無力だな。この国も、国王も、お前達も。俺は、この力を神から与えたもうて幸せだ」
「幸せなんかじゃないわ!」
リルムは叫んだ。
「人を……この世界を傷つける力。そんな力を持っているなんて、不幸よ。私は、こんな力を持ちたくなんてなかった…。こんな力なんて」
目に涙を滲ませ、キッとアシスを睨みつける。すると、アシスは冷酷な微笑を浮かべた。
「やはり、思ったとおり。お前も、俺と『同じ』なんだな。恐らくは『太陽の魔力』を持つ者」
凍りつく眼差しをリルムに向ける。
「人間の力なんて無力だ。お前も、その魔力で俺と一緒にこの世界の神になれるんだぞ」
アシスは、右の手の平をリルムに向けた。氷の結晶の形をした痣が青白く光り始める。
「やめろ!」
エバンがリルムの前に立った。その前には、三人の妖精達が震えながら立ち塞がる。
「ぼ、僕達のリルム姫に手出しはさせない」
アシスは、その様子を見ても冷酷な笑みを微動だにさせず、手だけ下ろした。
「いつまでそんなことが言っていられるかな。お前は、お前の魔力に頼らざるを得なくなる。お前もこの世界の全てを始末し、この世界の神となるのだ。明日の夕暮れ時まで時間をくれてやる。俺とこの世界の神になる決心がついたら、ここへ来い」
アシスは、やはり冷酷な微笑を浮かべながら踵を返した。
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