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0-れい-
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◇
その日は土砂降りの雨だった。
空から降ってくる無数のそれは激しくアスファルトにぶつかり、飛沫となって散ることを繰り返す。意志を持たずに消滅してゆくそれらに、何処か自らの運命を重ねてしまい、私はブルッと身震いをした。
私はこの停留所で待つ誰もと同じように服を着て、傘を差し、手首には腕時計もしている。だがしかし……誰もと決定的に違うところがある。
私はぼんやりと、腕時計の下の刻印を見つめた。そこには12桁のバーコードが刻まれている。
それが、私が人間ではない証だ。
私の名前は「れい」。バーコード番号は「102546915873」。人間のお腹から生まれた「人間」ではない。試験管の中で造られたのだ。
「人間」でないものは「人型」と呼ばれ、目的をもって生まれてくる。私はとある青年の恋人係として出荷された。
青年の名前は「いち」。
少し前に奥さんを交通事故で亡くして、今は恋人もなく一人暮らしをしているという。
私は青年の情報を頭の中にアウトプットすると、なんとなく憂鬱になって「ふぅ……」と溜息を吐いた。
試験管から生まれた私達「人型」には感情などなく、目的を遂行することがすべてだとされていた。けれど、私には生まれたころから感情があった。そう……私を試験管で「造り出した」研究者達も驚いたことなのだが、感受性が強く、誰よりも痛みを感じる心を持っていたのである。
だから、「いち」の痛みは会う前から理解できたのだった。
(私なんかに何ができるだろう)
私の頭には、そんな疑問が浮かんでは行き場を失い、また意味のない溜息へとその姿を変えた。
「いち」の家は研究所最寄りの停留所からバスに乗って五駅目。山を裏手にしたアパートの三階だ。
私は自分を育てた研究員から渡された地図を頼りに、水玉模様の傘で雨を避けながらその部屋へ向かった。私の手元にあるのは、その地図と「いち」という利用者の名前、そして彼の略歴だけ。彼がどのような性格で、どんな人間なのかも全く知らされていない。
アパートにたどり着いて階段を一段、また一段と登るたびに鼓動が少しずつ速くなってゆく。それは、新たな人間、新たな生活を迎えることへの期待と不安……そう、名付けられるのかも知れない。
私自身、初めて感じる……「人型」の中でも感情を持つ私でなければ、感じ得ない感覚かも知れなかった。
「306号室」の扉にはネーミングプレートが貼られており、「近藤 壱」という名前……そして、「壱」の下にも文字があったようなのだが、黒いマジックでぐしゃぐしゃと消されていた。
私は恐る恐る、扉の横のインターホンに手を伸ばした。ボタンを押す私の指は震えており、鼓動はさらに加速した。
「ピンポーン」という音が響いて、ほどなくしてその扉の向こうからガサゴソと動く音が聞こえて。その音はただ単調な足音となり、真っ直ぐにこちらに向かってきた。
「はい」
ガチャッと扉が開いて……「いち」は顔をのぞかせた。
それは、思っていたより「普通」。研究所でよく見る「研究員」達の中に混じっていても違和感のないような男性で、その表情も元気というわけではないが、暗すぎる……というわけでもなかった。
「あの……今日から、お世話になります」
「えっ……」
少しだけ安堵した私に、彼は少し目を丸くした。
「れい、と申します」
「あっ……はい。どうぞ、上がって」
腕時計の下に刻まれたバーコード……私を「人型」だと証明する刻印を見せると、彼は全てを察したかのように頷き私を部屋の中へと案内した。
何も置かれていない茶色の丸テーブルに、生活味のないステンレス製のキッチン、塵一つ見当たらない木の床……その部屋は殺風景なほどに整理整頓されており、まるで四方からの壁が迫ってきそうで窮屈なような気もしたし、一人で住むには途轍もなく広いような気もした。
私はその丸テーブルを挟んで、いちと向かい合った。私が向かいに座っていてもいちは特に何も話し出すわけでもなく、無表情を崩さずにじっとしているし、私も何も話すことは思いつかずで……暫し、無言の沈黙が続いた。
「あの……」
「えっ?」
「いえ……どうして、私を『購入』されたのですか?」
その沈黙に耐えきれずに、私から口を開いた。『人型』ではあるが感受性の強い私には、一応、『気まずい』ということを感じる心があるのだ。
すると、いちは少し視線を右に泳がせて……そして、私と目を合わせた。
「僕でなく、親が……」
「はい?」
「いえ、その……母親が、急に独り身になった僕を心配して、研究所に発注したんです。僕は、そんなことしなくて良いと言ったのですが……」
「あっ……はい。そうなのですか」
そこで会話が途切れてしまい、いちはまた表情を無くしてぼんやりと座っていた。
(この人……まるで、『人型』みたい)
私はそんなことを思った。
自分と一緒に造られて育てられた人型達も、こんな風に表情がなくて。尋ねられたことに対して、無機質に答えるだけだった。
私が『人間』に近い感情を持つことが認識されたのは、尋ねられたことに対する返答の仕方とか……先程のような、自分から会話を切り出す気遣いがある故のことだったのだ。だけれども、それで良いのかも知れなかった。私はまだまだ全然、人間に慣れていなくて……だからこそ、こういう相手の方が気兼ねなく共に生活していけるような気がした。
そんなことを考えながら、ふと、白い壁に掛かっていた丸い時計に目をやると、短針は六を差そうとしていた。
「そうだ。あの……夕食、作りましょうか」
私はそっと、席を立った。
「もう、六時になりますので……お腹も空いていますよね」
人型は出荷前には、料理や掃除等、家事のやり方を教え込まれる。そして、大抵の人型は出荷されてからその機能を失うまで、人間の身の周りの世話をするのだ。
「ちょっと、待って」
いちはそう言って、キッチンへ向かおうとする私を制した。
「夕食なら、作ってあるよ」
「えっ?」
意外な言葉に驚いている私の傍を素通りして、彼はキッチン横の冷蔵庫のドアを開けた。
「ほら。カレーピラフとポテトサラダ」
そう言って、彼は二組のそれらを取り出して丸テーブルに置いた。
「これ……あなたが?」
「うん。今日、来るってことだったから……いつもはスーパーのお惣菜で済ませているんだけどね」
いちはそう言ってフワリと笑い……彼のそんな表情を見た私は、何故だかトクンと心臓が鳴ったような気がした。
電子レンジで温められたカレーピラフからは、とっても香ばしい匂いがした。
「どうぞ、召し上がれ」
「ええ、ありがとう」
私はスプーンでピラフを一すくいすくった。研究所でも一通り、人間の食べるものは出されるし、カレーピラフも食べたことがある。だがしかし、いちから出されたそれは今まで嗅いだことがないほどによい香りがして。私はまるで体が求めているかのように、それを口に運んだ。
口に入れて驚いた。それはまるで、私の舌を溶かすかのようで……
「うそ……美味しい。すっごく美味しい……」
私の口からは、自然にその言葉が出た。
「……本当に?」
私の反応を見て彼は目を丸くして……そんな彼に、私は笑顔でうなずいた。
「ええ。こんなに美味しいの食べたの、生まれて初めて」
それは、本当に思った通りのことだった。何も飾らない、私の言葉。
しかし、それを聞いた彼の大きな目から、突然に大粒の涙が湧いて……ポトリと丸テーブルの上に落ちて楕円形の染みを作った。
「どう……したんですか?」
突然のことに、私は動揺した。
私は「人間」のことも、目の前の彼の考えていることも、全く分からなくて……だから、何か、悪いことをしてしまったのかも知れない。そんなことを思ったのだ。
しかし、彼の言葉はまるで意外なものだった。
「『あいつ』も、初めて僕の作ったカレーピラフを食べた時、同じことを言ってくれたんだ。会いたくて……でも、もう二度と会えない『あいつ』も……」
そう言う彼の顔は少し緩んで……涙を流していたけれども、そっと微笑んでいた。
いちの言う『あいつ』……それが誰のことなのか、私はすぐに分かった。
いちがもう二度と会えない女性、今でも世界で一番愛おしいと思っている女性……だからこそ、切なくて。堪らない想いが、まるで私の心の砂地に染み込むかのように伝わってきた。
だから、私は静かに席を立って。この腕で、そっと彼を抱きしめた。
「……れい?」
突然のことに、いちは驚いた顔をしたけれど……私は彼を抱きしめずにはいられなかった。
「これからは私が……ずっと、そばにいます。つらい時も、いちが泣きたくなった時だって、ずっと……」
愛しい、なんて感情は知らなかった。どうしてこんなに苦しいのか……その正体も分からなかった。
ただ、胸に止めどなく流れてくる堪らない想いの奔流に抗うことはできず、私の目からは涙が溢れ出して留まらなくなった。
そんな私が抱きしめるいちの目からも、熱い涙が絶え間なく流れて。彼の涙は、私の胸を温かく湿らせて……。
私は堪らない自分の気持ちに、名前を付ける術を知らない。ただ、私の腕は強く、強く……いちが決して離れて行ってしまわぬように。いなくなってしまわぬように、必死で彼のことを抱きしめていたのだった。
その日は土砂降りの雨だった。
空から降ってくる無数のそれは激しくアスファルトにぶつかり、飛沫となって散ることを繰り返す。意志を持たずに消滅してゆくそれらに、何処か自らの運命を重ねてしまい、私はブルッと身震いをした。
私はこの停留所で待つ誰もと同じように服を着て、傘を差し、手首には腕時計もしている。だがしかし……誰もと決定的に違うところがある。
私はぼんやりと、腕時計の下の刻印を見つめた。そこには12桁のバーコードが刻まれている。
それが、私が人間ではない証だ。
私の名前は「れい」。バーコード番号は「102546915873」。人間のお腹から生まれた「人間」ではない。試験管の中で造られたのだ。
「人間」でないものは「人型」と呼ばれ、目的をもって生まれてくる。私はとある青年の恋人係として出荷された。
青年の名前は「いち」。
少し前に奥さんを交通事故で亡くして、今は恋人もなく一人暮らしをしているという。
私は青年の情報を頭の中にアウトプットすると、なんとなく憂鬱になって「ふぅ……」と溜息を吐いた。
試験管から生まれた私達「人型」には感情などなく、目的を遂行することがすべてだとされていた。けれど、私には生まれたころから感情があった。そう……私を試験管で「造り出した」研究者達も驚いたことなのだが、感受性が強く、誰よりも痛みを感じる心を持っていたのである。
だから、「いち」の痛みは会う前から理解できたのだった。
(私なんかに何ができるだろう)
私の頭には、そんな疑問が浮かんでは行き場を失い、また意味のない溜息へとその姿を変えた。
「いち」の家は研究所最寄りの停留所からバスに乗って五駅目。山を裏手にしたアパートの三階だ。
私は自分を育てた研究員から渡された地図を頼りに、水玉模様の傘で雨を避けながらその部屋へ向かった。私の手元にあるのは、その地図と「いち」という利用者の名前、そして彼の略歴だけ。彼がどのような性格で、どんな人間なのかも全く知らされていない。
アパートにたどり着いて階段を一段、また一段と登るたびに鼓動が少しずつ速くなってゆく。それは、新たな人間、新たな生活を迎えることへの期待と不安……そう、名付けられるのかも知れない。
私自身、初めて感じる……「人型」の中でも感情を持つ私でなければ、感じ得ない感覚かも知れなかった。
「306号室」の扉にはネーミングプレートが貼られており、「近藤 壱」という名前……そして、「壱」の下にも文字があったようなのだが、黒いマジックでぐしゃぐしゃと消されていた。
私は恐る恐る、扉の横のインターホンに手を伸ばした。ボタンを押す私の指は震えており、鼓動はさらに加速した。
「ピンポーン」という音が響いて、ほどなくしてその扉の向こうからガサゴソと動く音が聞こえて。その音はただ単調な足音となり、真っ直ぐにこちらに向かってきた。
「はい」
ガチャッと扉が開いて……「いち」は顔をのぞかせた。
それは、思っていたより「普通」。研究所でよく見る「研究員」達の中に混じっていても違和感のないような男性で、その表情も元気というわけではないが、暗すぎる……というわけでもなかった。
「あの……今日から、お世話になります」
「えっ……」
少しだけ安堵した私に、彼は少し目を丸くした。
「れい、と申します」
「あっ……はい。どうぞ、上がって」
腕時計の下に刻まれたバーコード……私を「人型」だと証明する刻印を見せると、彼は全てを察したかのように頷き私を部屋の中へと案内した。
何も置かれていない茶色の丸テーブルに、生活味のないステンレス製のキッチン、塵一つ見当たらない木の床……その部屋は殺風景なほどに整理整頓されており、まるで四方からの壁が迫ってきそうで窮屈なような気もしたし、一人で住むには途轍もなく広いような気もした。
私はその丸テーブルを挟んで、いちと向かい合った。私が向かいに座っていてもいちは特に何も話し出すわけでもなく、無表情を崩さずにじっとしているし、私も何も話すことは思いつかずで……暫し、無言の沈黙が続いた。
「あの……」
「えっ?」
「いえ……どうして、私を『購入』されたのですか?」
その沈黙に耐えきれずに、私から口を開いた。『人型』ではあるが感受性の強い私には、一応、『気まずい』ということを感じる心があるのだ。
すると、いちは少し視線を右に泳がせて……そして、私と目を合わせた。
「僕でなく、親が……」
「はい?」
「いえ、その……母親が、急に独り身になった僕を心配して、研究所に発注したんです。僕は、そんなことしなくて良いと言ったのですが……」
「あっ……はい。そうなのですか」
そこで会話が途切れてしまい、いちはまた表情を無くしてぼんやりと座っていた。
(この人……まるで、『人型』みたい)
私はそんなことを思った。
自分と一緒に造られて育てられた人型達も、こんな風に表情がなくて。尋ねられたことに対して、無機質に答えるだけだった。
私が『人間』に近い感情を持つことが認識されたのは、尋ねられたことに対する返答の仕方とか……先程のような、自分から会話を切り出す気遣いがある故のことだったのだ。だけれども、それで良いのかも知れなかった。私はまだまだ全然、人間に慣れていなくて……だからこそ、こういう相手の方が気兼ねなく共に生活していけるような気がした。
そんなことを考えながら、ふと、白い壁に掛かっていた丸い時計に目をやると、短針は六を差そうとしていた。
「そうだ。あの……夕食、作りましょうか」
私はそっと、席を立った。
「もう、六時になりますので……お腹も空いていますよね」
人型は出荷前には、料理や掃除等、家事のやり方を教え込まれる。そして、大抵の人型は出荷されてからその機能を失うまで、人間の身の周りの世話をするのだ。
「ちょっと、待って」
いちはそう言って、キッチンへ向かおうとする私を制した。
「夕食なら、作ってあるよ」
「えっ?」
意外な言葉に驚いている私の傍を素通りして、彼はキッチン横の冷蔵庫のドアを開けた。
「ほら。カレーピラフとポテトサラダ」
そう言って、彼は二組のそれらを取り出して丸テーブルに置いた。
「これ……あなたが?」
「うん。今日、来るってことだったから……いつもはスーパーのお惣菜で済ませているんだけどね」
いちはそう言ってフワリと笑い……彼のそんな表情を見た私は、何故だかトクンと心臓が鳴ったような気がした。
電子レンジで温められたカレーピラフからは、とっても香ばしい匂いがした。
「どうぞ、召し上がれ」
「ええ、ありがとう」
私はスプーンでピラフを一すくいすくった。研究所でも一通り、人間の食べるものは出されるし、カレーピラフも食べたことがある。だがしかし、いちから出されたそれは今まで嗅いだことがないほどによい香りがして。私はまるで体が求めているかのように、それを口に運んだ。
口に入れて驚いた。それはまるで、私の舌を溶かすかのようで……
「うそ……美味しい。すっごく美味しい……」
私の口からは、自然にその言葉が出た。
「……本当に?」
私の反応を見て彼は目を丸くして……そんな彼に、私は笑顔でうなずいた。
「ええ。こんなに美味しいの食べたの、生まれて初めて」
それは、本当に思った通りのことだった。何も飾らない、私の言葉。
しかし、それを聞いた彼の大きな目から、突然に大粒の涙が湧いて……ポトリと丸テーブルの上に落ちて楕円形の染みを作った。
「どう……したんですか?」
突然のことに、私は動揺した。
私は「人間」のことも、目の前の彼の考えていることも、全く分からなくて……だから、何か、悪いことをしてしまったのかも知れない。そんなことを思ったのだ。
しかし、彼の言葉はまるで意外なものだった。
「『あいつ』も、初めて僕の作ったカレーピラフを食べた時、同じことを言ってくれたんだ。会いたくて……でも、もう二度と会えない『あいつ』も……」
そう言う彼の顔は少し緩んで……涙を流していたけれども、そっと微笑んでいた。
いちの言う『あいつ』……それが誰のことなのか、私はすぐに分かった。
いちがもう二度と会えない女性、今でも世界で一番愛おしいと思っている女性……だからこそ、切なくて。堪らない想いが、まるで私の心の砂地に染み込むかのように伝わってきた。
だから、私は静かに席を立って。この腕で、そっと彼を抱きしめた。
「……れい?」
突然のことに、いちは驚いた顔をしたけれど……私は彼を抱きしめずにはいられなかった。
「これからは私が……ずっと、そばにいます。つらい時も、いちが泣きたくなった時だって、ずっと……」
愛しい、なんて感情は知らなかった。どうしてこんなに苦しいのか……その正体も分からなかった。
ただ、胸に止めどなく流れてくる堪らない想いの奔流に抗うことはできず、私の目からは涙が溢れ出して留まらなくなった。
そんな私が抱きしめるいちの目からも、熱い涙が絶え間なく流れて。彼の涙は、私の胸を温かく湿らせて……。
私は堪らない自分の気持ちに、名前を付ける術を知らない。ただ、私の腕は強く、強く……いちが決して離れて行ってしまわぬように。いなくなってしまわぬように、必死で彼のことを抱きしめていたのだった。
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