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1-いち-
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◆
目を覚ましたらいつの日も、自分の心にポッカリと空いた風穴に自身が吸い込まれそうになる。
どれだけ埋めようとしても埋まらない空虚さに、これほどまでに押し潰されそうになったのは……そう。いつも一緒にいて、僕の心を輝かせてくれたあいつ……玲奈
れな
を亡くしてから。
自らの体を横たえていたベッドは、もうすっかり年季が入って硬くなっている。すっかりと精を失くしてしまった僕は、今日も重い身体をゆっくりと起こして、誰もいない居間へと向かった。
誰もいない……確かに昨日まではそうだった。でも今日は、状況は違っていた。
いつも誰もいなかった居間からは、トーストの焼ける香ばしい匂いが漂っていたのだ。
「えっ……」
居間のキッチンに立っていたのは、僕の愛しくて堪らない……クセのある茶髪を後ろで束ねたポニーテールの後ろ姿ではなかった。それとはまるで対照的な、黒いサラサラのストレートヘアを流れるように下ろした、清楚な後ろ姿だったのだ。
僕の気配に気付いたのか、その彼女はそっと振り返り、白い歯を見せて微笑んだ。
「いち、おはよう」
「玲奈……」
何故だろう……髪型も後ろ姿も性格も、まるで正反対のはずなのに。僕の目が認識した彼女……昨日、僕の家に「出荷」された「人型」の「れい」。彼女のその笑顔は僕の愛しくて堪らない……今でも決して忘れることのできない玲奈と重なったのだ。
「れな?」
僕の言葉に彼女は不思議そうに首を傾げたので、慌てて修正した。
「ごめん。君は『れい』だったね。ちょっと、寝ぼけてしまって」
そんな僕を見て、彼女は目を細めてクスッと笑った。
「そっか、私は昨日、来たばかりだもんね。でも、私は『0-れい-』あなたは『1-いち-』すっごく覚えやすくない?」
そう言って透き通るような笑顔を浮かべる彼女に、僕の顔も綻んだ。
「あぁ、そうだね。言われてみれば」
そう返しながら丸テーブルに着くと、青々としたレタスの添えられた、とても美味しそうなマカロニサラダに目玉焼き、トーストにハチミツが用意されていた。
「これは……」
「朝食よ。あなたのお口に合うかどうかは分からないけど」
そう言って、チラッと舌を見せる彼女に僕は少しドキっとした。
「ありがとう」
れいの大きな瞳に吸い込まれそうで。目を少し右に逸らした僕が礼を言うと、彼女は「どういたしまして」と応えて、頬を桃にしてはにかんだ。
「人型」なんて、もっと感情のないものだと思っていた。試験管で『造られた』人と似て、異なるもの……そして、出会ってから三年間でその機能を失い、研究所へ返品しなければならないもの。
母親がそれを研究所に発注しようと言い出した時には、僕は拒んだ。だって、僕の前に誰が現れようが、僕の愛する者はこの世でただ一人……玲奈だけで。ましてや『人間』でもない『人型』と住んだところでより一層、空虚さが押し寄せることは、火を見るより明らかだったからだ。
だけれども、親としては、妻を失い生涯独り身を貫こうとする僕のことが心配でならなかったらしく、半ば無理矢理に押し通される形で『人型』を購入して一緒に住むことになった。
そして、昨日。一応、人間とは異なるとはいえ、『人』の形をした者が来るので、僕は久しぶりにカレーピラフとポテトサラダを用意して待っていた。その二品が玲奈の大好物だったことは、きっと……心のどこかで、未練がましくも玲奈にまた会いたがっていたのだろうと思う。
インターホンが鳴って……扉の向こうにいた、「れい」と名乗る『人型』は、所謂『派手』な美女だった玲奈とはまるで正反対だった。髪が黒くて、清楚で……。
さらに、僕にはどこからどう見ても、彼女が本物の『人間』にしか見えなかった。そう……彼女の腕に刻まれた『刻印』、バーコードを見るまでは。
テーブルを挟んで彼女と向かい合い、僕はどうしたら良いか分からなかった。自分の前にいるのは、人型……だけれども、亡くなった僕の妻とまるで正反対のタイプの女性で。玲奈がしてくれたように、自らたわいも無い話をして僕を笑わせてくれるということもなかった。
だけれども、あの瞬間……確かにれいは、玲奈と重なったのだ。
そう……玲奈が僕の作ったカレーピラフを初めて食べた時に言ってくれた言葉。それを彼女が、そっくりそのまま発した瞬間に。
「何をぼぉっとしているの? 早く、食べようよ」
「あぁ、うん」
すっかり物想いにふけっていた僕に、彼女はにっこりと笑いかける。
昨日はあの後……お互いの寝床へ就く前。これからの生活を気兼ねなく行えるように、「明日からは敬語はやめよう」と約束した。れいは器用なのか、適応力が高いのか、ここに来てからまだ一日も経っていないのに、もうすっかり僕の『彼女』としての振る舞いが板についていた。
(それとも……この適応力の高さは『人型』ならではのものなのかな)
彼女を見ながら、ぼんやりとそんなことを考えていた時だった。
「そうだ。いちは? 今日は、お仕事?」
思い出したように、れいは僕に尋ねた。
「いや、今日は日曜日だから、お休み」
「そうなんだ。嬉しい……今日は一日、一緒に過ごせるね」
『人型』のそんな言葉が本心なのかどうかは分からなかったけれど……僕の顔はつい、カァッと熱くなっていった。
「そういえば、いちってお仕事は何をしているの?」
「市役所で事務の仕事をしているよ」
「そっか。それじゃあ、座ってることが多いんだ?」
「うん、そうだな」
れいとのお話はスムーズで、彼女が人型だということは忘れるほどだった。
昨日、来てから一日も経っていないのに、彼女はすっかりと僕に心を開いてくれている様子で話しかけてきてくれたし、僕もそれに違和感なく答えた。それはまるで、恋人との会話のようで、僕の心も少し、ときめいてしまうほどだった。
でも……これこそが『恋人役』として出荷された彼女の『性能』なのだろうか。僕の目はやはり、彼女の腕時計の下に隠された、12桁のバーコードを追ってしまった。
すると、れいは僕のその視線に気付いた様子で。少し顔を曇らせ、腕を組んでその『刻印』を隠した。
「ねぇ、お願い。私が『人型』だってことは忘れて」
れいは僕の目をじっと見つめた。少し茶色がかったその瞳はずっと奥まで透き通っていて、僕の意識は吸い込まれそうで……まるで金縛りに遭ったかのように動けなくなった。
「私はあなたの『恋人』。それが……」
彼女はそこまで話して。急にすっと、僕から目を逸らした。
「それが、私に与えられた『役割』だから」
『役割』……その言葉を発した瞬間の彼女の瞳は悲しげに揺れた。
そんな彼女を見た僕は居たたまれなくなって……努めて明るい声を出した。
「そうだ……れい。今日はデートに行こう」
「えっ……」
揺らいでいた彼女の瞳は、僕の言葉に驚いたように大きくなった。
「だって、僕達、恋人同士だろ?」
「えっ……う、うん」
れいはその言葉に、恥ずかしそうにすっと頬を赤らめた。
僕はそんなれいが愛しくて堪らなくて抱きしめたくって……だけれども、未だ玲奈のことが忘れられない自分も確かにいて。
「れいは……どこに行きたい?」
僕の中に燻るそんな想いを、必死になって誤魔化したのだった。
目を覚ましたらいつの日も、自分の心にポッカリと空いた風穴に自身が吸い込まれそうになる。
どれだけ埋めようとしても埋まらない空虚さに、これほどまでに押し潰されそうになったのは……そう。いつも一緒にいて、僕の心を輝かせてくれたあいつ……玲奈
れな
を亡くしてから。
自らの体を横たえていたベッドは、もうすっかり年季が入って硬くなっている。すっかりと精を失くしてしまった僕は、今日も重い身体をゆっくりと起こして、誰もいない居間へと向かった。
誰もいない……確かに昨日まではそうだった。でも今日は、状況は違っていた。
いつも誰もいなかった居間からは、トーストの焼ける香ばしい匂いが漂っていたのだ。
「えっ……」
居間のキッチンに立っていたのは、僕の愛しくて堪らない……クセのある茶髪を後ろで束ねたポニーテールの後ろ姿ではなかった。それとはまるで対照的な、黒いサラサラのストレートヘアを流れるように下ろした、清楚な後ろ姿だったのだ。
僕の気配に気付いたのか、その彼女はそっと振り返り、白い歯を見せて微笑んだ。
「いち、おはよう」
「玲奈……」
何故だろう……髪型も後ろ姿も性格も、まるで正反対のはずなのに。僕の目が認識した彼女……昨日、僕の家に「出荷」された「人型」の「れい」。彼女のその笑顔は僕の愛しくて堪らない……今でも決して忘れることのできない玲奈と重なったのだ。
「れな?」
僕の言葉に彼女は不思議そうに首を傾げたので、慌てて修正した。
「ごめん。君は『れい』だったね。ちょっと、寝ぼけてしまって」
そんな僕を見て、彼女は目を細めてクスッと笑った。
「そっか、私は昨日、来たばかりだもんね。でも、私は『0-れい-』あなたは『1-いち-』すっごく覚えやすくない?」
そう言って透き通るような笑顔を浮かべる彼女に、僕の顔も綻んだ。
「あぁ、そうだね。言われてみれば」
そう返しながら丸テーブルに着くと、青々としたレタスの添えられた、とても美味しそうなマカロニサラダに目玉焼き、トーストにハチミツが用意されていた。
「これは……」
「朝食よ。あなたのお口に合うかどうかは分からないけど」
そう言って、チラッと舌を見せる彼女に僕は少しドキっとした。
「ありがとう」
れいの大きな瞳に吸い込まれそうで。目を少し右に逸らした僕が礼を言うと、彼女は「どういたしまして」と応えて、頬を桃にしてはにかんだ。
「人型」なんて、もっと感情のないものだと思っていた。試験管で『造られた』人と似て、異なるもの……そして、出会ってから三年間でその機能を失い、研究所へ返品しなければならないもの。
母親がそれを研究所に発注しようと言い出した時には、僕は拒んだ。だって、僕の前に誰が現れようが、僕の愛する者はこの世でただ一人……玲奈だけで。ましてや『人間』でもない『人型』と住んだところでより一層、空虚さが押し寄せることは、火を見るより明らかだったからだ。
だけれども、親としては、妻を失い生涯独り身を貫こうとする僕のことが心配でならなかったらしく、半ば無理矢理に押し通される形で『人型』を購入して一緒に住むことになった。
そして、昨日。一応、人間とは異なるとはいえ、『人』の形をした者が来るので、僕は久しぶりにカレーピラフとポテトサラダを用意して待っていた。その二品が玲奈の大好物だったことは、きっと……心のどこかで、未練がましくも玲奈にまた会いたがっていたのだろうと思う。
インターホンが鳴って……扉の向こうにいた、「れい」と名乗る『人型』は、所謂『派手』な美女だった玲奈とはまるで正反対だった。髪が黒くて、清楚で……。
さらに、僕にはどこからどう見ても、彼女が本物の『人間』にしか見えなかった。そう……彼女の腕に刻まれた『刻印』、バーコードを見るまでは。
テーブルを挟んで彼女と向かい合い、僕はどうしたら良いか分からなかった。自分の前にいるのは、人型……だけれども、亡くなった僕の妻とまるで正反対のタイプの女性で。玲奈がしてくれたように、自らたわいも無い話をして僕を笑わせてくれるということもなかった。
だけれども、あの瞬間……確かにれいは、玲奈と重なったのだ。
そう……玲奈が僕の作ったカレーピラフを初めて食べた時に言ってくれた言葉。それを彼女が、そっくりそのまま発した瞬間に。
「何をぼぉっとしているの? 早く、食べようよ」
「あぁ、うん」
すっかり物想いにふけっていた僕に、彼女はにっこりと笑いかける。
昨日はあの後……お互いの寝床へ就く前。これからの生活を気兼ねなく行えるように、「明日からは敬語はやめよう」と約束した。れいは器用なのか、適応力が高いのか、ここに来てからまだ一日も経っていないのに、もうすっかり僕の『彼女』としての振る舞いが板についていた。
(それとも……この適応力の高さは『人型』ならではのものなのかな)
彼女を見ながら、ぼんやりとそんなことを考えていた時だった。
「そうだ。いちは? 今日は、お仕事?」
思い出したように、れいは僕に尋ねた。
「いや、今日は日曜日だから、お休み」
「そうなんだ。嬉しい……今日は一日、一緒に過ごせるね」
『人型』のそんな言葉が本心なのかどうかは分からなかったけれど……僕の顔はつい、カァッと熱くなっていった。
「そういえば、いちってお仕事は何をしているの?」
「市役所で事務の仕事をしているよ」
「そっか。それじゃあ、座ってることが多いんだ?」
「うん、そうだな」
れいとのお話はスムーズで、彼女が人型だということは忘れるほどだった。
昨日、来てから一日も経っていないのに、彼女はすっかりと僕に心を開いてくれている様子で話しかけてきてくれたし、僕もそれに違和感なく答えた。それはまるで、恋人との会話のようで、僕の心も少し、ときめいてしまうほどだった。
でも……これこそが『恋人役』として出荷された彼女の『性能』なのだろうか。僕の目はやはり、彼女の腕時計の下に隠された、12桁のバーコードを追ってしまった。
すると、れいは僕のその視線に気付いた様子で。少し顔を曇らせ、腕を組んでその『刻印』を隠した。
「ねぇ、お願い。私が『人型』だってことは忘れて」
れいは僕の目をじっと見つめた。少し茶色がかったその瞳はずっと奥まで透き通っていて、僕の意識は吸い込まれそうで……まるで金縛りに遭ったかのように動けなくなった。
「私はあなたの『恋人』。それが……」
彼女はそこまで話して。急にすっと、僕から目を逸らした。
「それが、私に与えられた『役割』だから」
『役割』……その言葉を発した瞬間の彼女の瞳は悲しげに揺れた。
そんな彼女を見た僕は居たたまれなくなって……努めて明るい声を出した。
「そうだ……れい。今日はデートに行こう」
「えっ……」
揺らいでいた彼女の瞳は、僕の言葉に驚いたように大きくなった。
「だって、僕達、恋人同士だろ?」
「えっ……う、うん」
れいはその言葉に、恥ずかしそうにすっと頬を赤らめた。
僕はそんなれいが愛しくて堪らなくて抱きしめたくって……だけれども、未だ玲奈のことが忘れられない自分も確かにいて。
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