忘れられない宿題

いっき

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「みんな! 今日の宿題はお盆飾りです」
 担任の沙知先生が変わった宿題を出した。
 小学六年生の三学期後半に入ってから、しょっ中こんな変わった宿題が出た。先生が言うには、小学校で学ぶべき勉強はもう全部終わったので、最後の何日間かはこういう変わった宿題を通して勉強よりも大事なことに気付いて欲しい……らしかった。
「お盆を一つずつ配りますから、自分の思うように、そのお盆を飾って来て下さいね」
 先生はいつも通り、白い歯を見せて言った。
 そうして、クラスメイトのみんなに一つずつ、大きなお盆が配られた。だが……
「お盆を飾るって……どういうことだよ」
「盆栽にするとか、苔で飾るとか……」
「それくらいしか、やり様がないよな」
 帰り道。友達の亮と頭を悩ませていた。
 今まで出されていた宿題は国語に算数に社会、理科……どの教科でも答えは一つだった。だけれども、この宿題は答えはなくて。だから、どんな宿題よりも難しかった。
「取り敢えず、一緒に苔でも探しに行くか」
「うん、そうだな」
 僕達は飾る苔を探しに行くことにした。

「苔なんか……ないよな」
「あぁ……というか、寒い。寒すぎる……!」
 もうすぐ春になろうとしているこの時期だったが、すごく寒かった。木々の枝にはまだまだ葉はついていなかったし、空気も冷たくて仕方がない。こんな日に外で苔なんて探すのは風邪を引きに来ているようなものだった。
「やっぱり……帰ろうぜ」
 僕と亮は結局、我慢できずに帰った
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