忘れられない宿題

いっき

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「それにしても……どうしてこの町って、こんなに寒いんだろうな」
「それでいて、夏はめちゃくちゃ暑いしな」
 家でホットココアをすすりながら、僕は亮とそんなことを話していた。よその県に行ったこともあるけれど、こんなに冬は寒く、夏は暑いなんてことはなかった……二人して、そんなことを話していた。その時だった。
「何じゃ、お前ら。自分達が生まれ育った町のこともよく知らんのか」
 僕の祖父が呆れ顔で僕達の話に入ってきた。
「ここはな、盆地じゃから夏は暑くて冬は寒いのじゃ。この町はな、ちょうど、お前達が持っておるお盆のような地形なんじゃ。山に囲まれておるから夏には風が少なくて、熱い空気が淀んだままになる。空気の流れがないから、逆に冬はな。冷たい地面が淀んだ空気を冷やして、とても寒うなるんじゃ」
「えっ、そうなんだ!」
「そうじゃ。この町はな、本当にそのお盆のようなもんなんじゃ」
 祖父はそう言って、フォッフォと笑った。
「ふぅん……」
 僕達はお盆を見つめた。僕達の住んでいる場所が盆地だとは知っていたが、本当にこのお盆みたいになっているなんて知らなかった。
「そうだ! できるかも……お盆飾り」
「俺も……丁度今、多分同じ事を考えていた」
 僕と亮は顔を見合わせ、微笑んだ。
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