雪女との約束

いっき

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見渡す限りの銀色世界。
滔々と降り積もる粉雪。
その雪女は、妖艶さを纏い、真っ白な大地を歩く。
この世のものとは思えないほど白く美しい彼女は、散りばめられた粉雪の中、一人ひっそりとほくそ笑む。

今までどれほどの馬鹿な男が、私に跪き氷の塊になってきただろう。
思い出すだけで冷んやりとした宙に浮くような快感に溺れる。

この雪山で遭難する不運な男達。
しかし、どんな男でも私を見た途端、誰もがその不運を吹き飛ばす恍惚の表情を浮かべ、自ら望んで私に跪き、接吻し、氷の塊となるのだ。

雪女が罪悪感などという感情を持ち合わせるかは定かではないが、もし有するとしても、自分の行いにそれを感じる筈もなかった。
なぜなら、雪女と接吻した全ての男が、『この世に思い残すことがない』とでも言わんばかりの幸せに満ち足りた表情で氷の塊になるのだから。

さて、今日もあの山小屋に阿呆が一人迷い込んでいる。
あいつも、私の美しさに跪き、氷の塊のコレクションの一つとなることであろう。

雪女は、そう信じて疑わなかった。
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